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トマトジュースは、汗と心の結実!

完熟トマトジュースは汗と心の結実!

太陽の恵みをたっぷり浴びて真っ赤に熟したトマトをそのまま搾って出荷する、生活クラブの「トマトジュース」。原材料は国産トマトと食塩のみ。素材本来のうまみと甘さがギュッと詰まり、さらりとした飲み口でとても美味しいと評判です。

国産の加工用トマトは栽培の難しさや輸入原料の台頭にあって生産者が不足し、原料の確保が難しいのか現状です。そこで、生活クラブでは組合員も苗の定植や収穫に参加することによって生産者の労働負担を少しでも和らげるよう、1995年から「計画的労働参加」を行っています。生活クラブのトマトジュースは、生産者の「心」に組合員の「力」が組み合わさってできたものなのです。

今年は8月中旬から下旬にかけて、首都圏と長野の生活クラブの組合員79人が、新潟県との県境に近い長野県の最北部・飯綱高原で、トマトジュースの原料である加工用トマトの収穫を行いました。飯綱高原では、ながの農協トマト部会の生産者50名によって、約800アールの畑から毎年約500トンの加工用トマトが生産されます。これらは、生活クラブの組合員が飲むトマトジュースの原料となります。

(2006年9月28日掲載)

加工用トマト収穫の様子

猛暑のなか、完熟トマトをもぎとりました

ギラギラと照りつける真夏の太陽に30度を優に超す蒸し暑さ。日射しを遮るものは何一つない畑の中で、黙々とトマトと向き合う組合員たち。乾いた畝の上に地を這うような恰好で実った真っ赤なトマトを、腰をかがめながら一つひとつ摘み取ります。作業開始から数時間経つ頃には、声も出ないほど。汚れた袖口をまくり、時折タオルで汗を拭う…。そんな労働を朝8時から夕方5時半まで続けます。8月17日~19日までは東京、埼玉、千葉の組合員34人が3日間、その 1週間前には神奈川の組合員35人が同様に労働しました。また、下旬には長野の組合員10人が日帰りで実施しました。2005年度の収穫量は飯綱地区全体で490.3トンのうち、63.5トンを組合員が収穫。実に飯綱地区全体の約13%を占めます。

23区南生活クラブ生協(東京)の廣瀬さんは、今年で7回目の参加。60代後半という年齢がウソのように作業のスピードも速く熟練の手つき。「このジュースをずっと飲みつづけたいから、日本の農業を守るためにできることをやっていきたい」と、参加を続けています。母親と一緒に参加した多摩きた生活クラブ生協(東京)の前迫さんは「農家の人の足手まといにならないか心配だったけれど、ありがとうと言われてとてもうれしい。もし自分たちでも役に立てるのならまた参加したい」と話していました。

組合員の労働で産地を変えたい

生活クラブのトマトジュースの原料は、主にここ飯綱高原で生産されています。土づくり、苗づくり、毎年5月に行われる苗の定植、8月の収穫や出荷のうちでも、特に気温が高く日射しも強い8月中旬の収穫は、肉体的にも時間的にもとても過酷です。完熟したその時を逃さずに収穫するので、早朝から夕方まで働いても間に合わないほど。また、収穫したトマトは1ケース20キロ以上にもなり、肉体的にも重労働です。

背景には、農業就労者の高齢化、後継者不足からくる労働力不足があります。1972年にトマトピューレ、トマトペーストの輸入が自由化され、国産の加工用トマトの需要量が減少に転じました。1980年代後半には加工用トマトの生産量の減少から国産トマトジュースの原料が不足するようになりました。そこで、労働力を派遣することで継続的な生産システムをつくれないかと1995年に始めたのが、生活クラブの「計画的労働参加」。組合員が産地に直接出向き、いちばん忙しい5月の定植と8月の収穫の時期に収穫を手伝うというものです。参加は今年で12年目。

今年は産地で7月中旬から約2週間続いた集中豪雨と日照不足により、トマトの出来はあまりよくありません。全農長野トマト部会長の杉山さんは「部会全体で例年の6~7割くらいかな」と見積もります。トマトの実の元になる一番花が咲く頃に降った雨のため花に蜜がつかなかったり、トマトが小ぶりだったり、畑に水が流れ込んで大きな打撃を受けた生産者もいるそうです。それでも8月になってからは日照も回復し、ある程度の収穫量は期待できます。

そんな時季に行われた組合員による「労働参加」。初参加の組合員でも、一人で20キロのコンテナをいっぱいにし、一日何十往復もするほど収穫します。収穫されたトマトは、その日のうちに集積場に運ばれ、翌日には加工工場の長野興農でジュースに。こうしてもぎたて、完熟のトマトのおいしさがパッケージされ、旬の味が約2年近く楽しめるのです。

「皆さんに収穫を手伝っていただいているので、本当に助かっています。組合員の労働力を当てにして、トマトの畑を増やしたほどです」と杉山部会長は笑います。生活クラブでは当初から「計画的労働参加」の労働力を適正に評価し生産原価に組み入れているので、体験農業やアグリツーリズムでは得られないれっきとした「労働力」として、生産者に頼りにされるまでになったのです。

加工用トマト収穫の様子