生活クラブ活動情報

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飯能デリバリーセンター稼動準備中です。

飯能デリバリーセンターが稼動準備中です。

2007年お正月から本格的に稼動する生活クラブ飯能DC(デリバリーセンター)が9月15日埼玉県飯能市に完成し、10月より準備に入っています。年明けとともに組合員家庭に届く消費材のうち野菜と牛乳を除くすべてが、ここで仕分けされ単協の配送センターに運ばれるようになります。流通の効率化と環境対策との両方をめざした仕掛けがいっぱいの飯能DCを訪ねました。

27万世帯を支える物流基地は省エネの宝庫

狭山丘陵の端、西武線狭山市駅から車で15分ほど。東京ドームに匹敵する1万3,000坪の敷地に檜や雑木に囲まれ、明るいグレーの壁の巨大な箱が出現しました。完成まもない生活クラブ飯能デリバリーセンター、通称「飯能DC」。常温品・冷蔵品・冷凍品がここに集まり組合員ごとに仕分けされ、西は名古屋から北は青森までの(北海道は現地で仕分け)各単協配送センターに運ばれます。それから先は、これまでと同じように班や家庭に届けられます。

ソーラーウィンドライト

敷地に入ってまず気づくのは、電線が見当たらず代わりに背の高い白い街灯があること。上部に太陽光を集める集光板、その下に風で回転する羽が付いた、その名も「ソーラーウィンドライト」が6基。太陽も風もそこにあるので、もうすでに蓄電した電気で夜には常夜灯を灯しています。

センター建物の表にあたる南面の半分には、仕分けした消費材を配送センターに運ぶトラックが荷積みする「ドックシェルター」が10口並んでいます。一見普通の配送倉庫のようですが、違うのは、外気を冷やして冷蔵倉庫内に送り込む「陽圧装置」を設置していること。庫内の気圧を外気より高めて荷積みの際に外気を引き込まないためで、電力を食うエアーカーテンを極力減らしました。

建物反対側の北面には、生産者が運んでくる製品を入れるゲートがずらり。北側から入れて、中で仕分けしたりストックしたのち南側から送り出す“流れ”となるのです。冷蔵・冷凍倉庫の外には「氷蓄熱槽」というものが。これは、夜間に製氷しておき、高温で電力を大量に使う昼の時間帯には、氷の融解熱を利用して冷気をつくる「省エネ」装置です。

建物の外をぐるりひと回りしただけでも、いくつもの環境対策の様子を見て歩くことができます。

環境対策装置

「物流全体で“環境対策”という考え方なのです」

環境対策装置

「建物の環境対策というと断熱材やソーラー電池、屋上緑化のような装置ばかりに目が行きがちですが、このセンターは物流全体を通していかに効率を高めるかを追求したものです。ここでの省エネルギーや費用節約は、その先の配達の効率にまでかかわってくるんですよ」。建物を案内しながらそう説明するのは、DC建設の責任者である生活クラブ連合会事業部長の佐々木巌夫です。

とはいえ、この建物にはちゃんと屋上緑化された個所があります。2階、東に面した食堂・休憩室からは窓とバルコニー越しに、ちょうど目の位置に屋根の上の緑化された庭が見えます。室内の腰壁には地元・西川産の杉間伐材が張ってあり、働く人がほっと一息ついて和めそうです。

1階の冷蔵・冷凍・常温の各品を仕分ける倉庫では、「物流全体を通した効率化」が、どんなふうに取り入れられているのでしょう。どの倉庫にも共通に備わっているのが、ベルトコンベア式の仕分けラインとそこに載せる青いプラスチックコンテナ。これまで使っていたものの半分、缶ジュース1箱がちょうど収まる容量で、お米など重いものもこれからはコンパクトなコンテナごと家庭まで届けられるようになります。

コンベアで流れてきたコンテナに入れる消費材の補充棚には、組合員ごとに注文アイテムがデジタル表示されるので、作業する人はそれを棚から取って目の前のコンテナ内の仕分け袋(ピッキング袋)に入れていくだけ。作業効率が非常によくなります。それらを台車に積み、扉で隔たったドックシェルターから配送トラックに積み込むわけです。

入荷から仕分け、積み込みまで、建物内を一方向にスムーズに流れるラインの中で組合員単位でコンテナ化される消費材。効率的な荷造りが家庭までつながっています。「ハコモノとしての環境対策というより配送ラインとしての環境対策」(佐々木部長)なのです。

働く人の環境も考えた工夫もいろいろ

自然採光の天窓

飯能DCで働く人は、パートを中心に1日350~400人にもなりそうです。OCR・申込書の読み取り、厨房の運営はワーカーズと契約しますが、仕分けなどの主な業務は(株)日立物流に委託します。この地域に新たな雇用が生まれることになり、働く人々を通じて地域とよい関係を築くことも重要になってくるでしょう。その基本は、働きやすい労働環境をつくること。

倉庫内では、冷気が穏やかに広がる冷却方式や、暑くなる常温室ではスポットクーラーを設置。事務所のある2階には、ワーカーズのための休憩室、配送業者の仮眠室・浴室なども。廊下と窓が作れない室に自然採光の天窓を7カ所付け、照明節約とともに閉塞感を和らげる工夫もされています。

飯能DCにはこのように、隠れたきめ細かい配慮が随所に埋め込まれていて、効率を追究しながら環境と人にやさしい物流をめざしているのです。私たちの家庭に届く生活の必需品が、<つくる人・現場>-<分ける人・場所>-<届ける人>と渡ってくる過程で「安全・健康・環境」を守るものであってほしい――そういう願いに応えられる新しいデリバリーセンターです。

上空からみた飯能デリバリーセンター