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日本の気候風土で育った健康な牛

日本の気候風土で育った健康な牛、「短角牛」の実験取組みがスタート!

牧草を食べ、広々とした牧場でのびのびと育った純国産の「短角牛」。高タンパクで低カロリー、しかも牛肉本来の濃厚な旨みが味わえる赤身肉で、この4月より北海道と埼玉の単協で実験取組みがスタートします。放牧が可能で、日本の気候風土に合った牛。将来、牛肉の自給率を向上させる可能性も秘めています。

牛本来の濃いうまみを味わえる、健康な赤身肉

 今年1月16日、生活クラブ連合消費委員会で行われた「短角牛」の試食会。しっかりとした肉質の赤身肉で、さっとあぶって食べると肉の濃厚な旨みが口中いっぱいに広がりました。

短角牛の試食会

いわゆる「霜降り」とは違って脂肪分が少なく、そのぶん高タンパクで低カロリー。「とても深い味わいがある」「質実剛健な味」「今まで食べたことのないような濃厚さ」など、参加した委員たちは「とても美味しい」と評価しました。
  4月から北海道と埼玉の単協で実験取り組みが始まる短角牛。生活クラブでは初めての登場です。いったいどんな牛なのでしょうか?

日本の気候風土に適した、日本生まれの「短角牛」

 短角牛は正式には「日本短角種」と言い、岩手県北部の山間地を中心に肥育されてきた「南部牛」が祖先です。もとは労働用の牛で「南部牛追い歌」のモデルでもあり、昭和30年代に育種改良されて肉用の和牛として定着しました。その後、青森や北海道に産地が広がり、牧場で放牧されて育つ、いわゆる「粗放型」での肥育が可能になった品種です。体はほかの和牛よりも一回り大きく、その名の通り短い角を生やした茶褐色の牛です。
  今回、生活クラブで取組む短角牛は、北海道は襟裳岬、高橋祐之さんの牧場でのびのびと育った健康な牛たち。もともと山間の傾斜地でも十分に育つことのできる頑健な体を持ち、環境への適応能力が高い種です。太平洋に面した風の強い牧場だからこそ、より体が引き締まり、美味しい牛に育ちます。仔牛の時は母乳を与え、母牛と一緒に育ちます。オスは23カ月、メスは25カ月と、一般の乳牛の18カ月を大きく上回る期間肥育され、一生のうちに7~8回子どもを産みます。ストレスの少ない環境で自由に育つ、ある意味、幸せな一生を送る牛とも言えましょう。
  「短角牛は粗食に強く、仔牛を育てる能力も高い。山間の急傾斜地や、北海道のような厳しい気候風土のところでも、元気に育つ丈夫な牛です。エサの量も少なくて済み、環境に適応する短角牛こそ、日本に残していかなければならない品種」と語るのは、生産者の高橋さん。自ら生産した牧草を与え、エサはすべてNON-GMOでPHF、種や肥料などもすべてトレーサビリティを徹底し、安心かつ安全な牛を育てているのです。

今後も牛肉を安定して供給していくために

 生活クラブの肉牛は、乳牛用の種として知られるホルスタイン、もしくは黒毛和牛の雄とホルスタインの雌の交雑種である「ほうきね牛」です。これまでも生活クラブでは一貫して、遺伝子組み換えでないとうもろこしや大豆粕などの飼料を与え、ホルモン剤や抗生物質の使用をせずに育ててきました。しかし、牛乳の消費量の低下により肉用のオスのホルスタインが減少、今後、肉牛を安定供給していくためにはホスルタイン以外の牛肉の開発が必要になります。
  また、ホルスタインのエサの多くは輸入飼料に頼らざるを得ない状況ですが、現在、北米ではトウモロコシのバイオエタノール利用によって飼料の高騰が懸念されています。放牧に適した種である短角牛は牧草を中心に食べるので、飼料の自給という面からも有利なのです。広々とした牧場で安心できる飼料を食べ、ストレスなく育つ短角牛は、動物が本来もつ生命力、丈夫さを持つ健康な牛。「草を食べて育った牛の美味しさは、一度味わわなくてはソンですよ」と、生産者の高橋さんは太鼓判を押します。北海道と埼玉の組合員は一足先にチャンスが。今後も取り組みを広げていく予定です。
  さらに、生活クラブでは「ブラウンスイス」という牛の実験にも取組み始めています。「アルプスの少女ハイジ」に登場するあの茶色い牛で、お乳を出し、最後は肉としても食べることのできる「乳肉兼用種」。ブラウンスイスも短角牛同様、粗放型で体は頑強、牧草中心のエサで元気に育ちます。「今後、ホルスタインに代わる牛として導入実験をしていきたい」と、開発部畜産課の鮱名は話しています。

【2007年3月22日掲載】