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黒磯米の生産者「どではら会」が、「第12回環境保全型農業推進コンクール」で優秀賞を受賞しました。

「どではら会」が、「第12回環境保全型農業推進コンクール」で優秀賞を受賞

この3月14日、環境保全型農業を通して地域の発展にも貢献している団体に授与される「環境保全型農業推進コンクール」(主催:全国環境保全型農業推進会議、後援:農林水産省 ほか)の関東ブロック表彰式がさいたま市で開催されました。優秀賞を受賞したのは、生活クラブの「黒磯米」を生産する「どではら会」です。

生活クラブとの連携が、まるごと受賞につながった

 「今回の受賞は、生活クラブの皆さんと今まで話し合い実践してきたことがまるごと評価されたのだと思っています」と話すのは、どではら会会長の伊藤豊美さんです。

表彰式伝達式

どではら会は、首都圏に最も近い生活クラブ米の提携生産者グループで、現在32生産者が加入、コシヒカリとひとめぼれ合わせて15,000俵ほどを生活クラブに出荷しています。
  生活クラブとの出会いは1990年代前半のこと。冷害による米不足を経験した生活クラブが首都圏に近い米の提携先を探していたところ巡り会ったのが、栃木県黒磯の米生産者たちの研究会でした。その後「どではら会」となり、正式に提携しました。ちなみに「どではら」とは、黒磯地方で「お腹いっぱい」という意味です。
  どではら会は冷害に強く安全で安心できる米づくりをめざし、生活クラブと連携し1999年から次のような取り組みを行ってきました。
  まず、「土づくり」。土壌分析の診断結果に基づいて、地域の畜産農家と連携しながら堆肥を使用。耕す深さは15cm以上を確保して、「登熟歩合」(実の入りの良さ)の向上を図っています。転作地も固定せず、野菜、大豆、麦などと米と順番につくることで土の力の増進も図っています。
  また、「深水栽培」という新しい技術も導入。深水栽培とは、水田に水を深く張り雑草の育成を防ぐ農法です。冷害防止と除草・抑草効果が狙えます。
  そして、減農薬・減化学肥料には特に力を入れています。米の使用農薬は、9~10成分に決め(地元のJAなすのの慣行栽培は16成分回数)、将来に向けさらに8成分回数への実験も開始しています。その一貫として2006年から開始したのが、米の種モミの消毒方法の転換です。通常の薬剤による消毒から60度のお湯に浸すだけという「温湯消毒」を全会員が実践しています。
  また、本州トップクラスの酪農地帯でもある黒磯地方ならでは。土づくりの一環として、米づくりで生まれる稲わらと畜産から生まれる堆肥を交換し、黒磯地域の資源を活かし合う「地域循環型農業」を実践しています。また、2006年にはGMOフリーゾーン(遺伝子組み換え作物を栽培しない地域)を宣言するなど、先駆的な取り組みを続けています。

顔が見える交流が、取り組みを支える

田んぼの生き物調査

  このような取り組みを続けられた原動力とは?どではら会会長の伊藤さんは、次のように語ります。
「減農薬の取り組みでは農薬の成分を通常よりうんと減らしました。そうすると田んぼの草が増えてしまう…もちろん、大変だという声もありました。だけど、生活クラブ組合員との『顔が見えるつながり』が、気持ちを支えてくれたのです。
  私たちが出荷しているのは生活クラブ東京と栃木ですが、組合員とは田植えや稲刈りの時期、田んぼの生き物調査などの度に体験を兼ねた交流会を行っています。また、逆に私たち生産者が東京の組合員の暮らしを体験する機会もありました。
  顔が見えれば、責任も生じる。一人ひとりが個人として引き締まった気持ちで安心・安全なものを提供しようという気持ちになるのですね」
  生産者を支えるのは私たち消費者でもあった、というわけです。
「ただ、今ちょっと心配なのは、米の消費量そのものが伸び悩んでいることです。ぜひ、皆さんにもっとお米を食べてほしいと伝えたいですね」と、伊藤さんは付け加えました。

田植えや稲刈りの時期、田んぼの生き物調査など体験を兼ねた交流会