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新緑の飯綱高原で加工用トマトの定植を組合員が手伝いました

トマト定植

 生活クラブのトマトジュースの原料となる加工用トマトの生産を、組合員が手伝っていることをご存知ですか? 5月10・11日、東京・神奈川・千葉・埼玉の単協から合わせて14名が長野県・飯綱高原に足を運び、トマトの苗の植え付けに参加しました。8月の収穫には毎年約80名が参加。1995年にスタートしたこの「計画的労働参加」も今年で13年目を迎え、今では組合員の労働力が生産者に頼りにされています。

“生産する消費者”は頼りになる助っ人

定植作業

「今植えている苗があのトマトになるのかと思うと、まるで我が子のようにかわいいわ」と、埼玉から来た佐藤由美子さん。昨夏の収穫がきっかけで、苗の植え付けにも携わってみたいと、この日の参加に手を挙げました。炎天下のなか自分がもぎとったトマトがジュースになって届いた時の感動はひとしおだったようです。苗の植付け(定植)はまだ肌寒い5月に行われます。畑の土を保温するマルチに穴を空けて苗を落とし込む、霜よけのシートをかぶせるなど、作業は生産者ごとに少しずつ違います。まっ赤なトマトをたくさん収穫できるよう、それぞれに工夫があるのです。
  「ジュース用のトマトが地べたを這うように生えているなんて、実際に見なければわからないでしょう? なるべく多くの人に畑に来てもらいたいね」と話すのは、JA長野飯綱支所トマト部会・前部会長の相沢明寛さん。畑で一緒に汗を流すことで、組合員が求めていることを直接知ることができるこの機会は、生産者にもいい刺激になっている様子。アブラムシがつきにくい牛糞の堆肥を入れて農薬の回数を減らしたり、連作障害が起きにくい畑をつくるために土づくりの研究をするなど、少しでも安全で美味しいトマトづくりができるよう、日々努力を重ねています。  生活クラブが1995年から行っている「計画的労働参加」は、トマトジュースの原料である加工用トマトの安定的な生産確保のために、“消費する側”が生産現場に関わり継続的な生産システムをつくるという、生活クラブ独自の取り組みです。毎年5月に行われる苗の植え付け(定植)には首都圏の組合員約15名が、8月の収穫には首都圏・長野の組合員約80名が、長野県の飯綱高原を訪れて農作業を手伝います。
  昨年は7月の集中豪雨による日照不足と低温によって生育が遅れたものの、飯綱地区での収穫量は前年並の470.6トン。そのうち、収量の15%程度の60トン以上を、組合員が収穫します。 「生活クラブの組合員は、まさに“生産する消費者”ですね。自分が飲むジュースづくりに消費者が関わるのは、ほかでは見られないことです。しかも皆さん、かなり真剣に働いてくれます」。一緒に定植に参加したトマトジュースの加工工場・長野興農の小林寛信さんは話します。

1缶につき1円の労働対価を上乗せ

 1缶あたり1円。生活クラブのトマトジュース価格に占める、組合員の労働対価です。「計画的労働参加」で組合

定植作業2

員に支払われる日当は実働6時間で4,000円。この経費は生産原価として正当に評価され、ジュースの価格に反映されます。体験農業などとは違って質の高い作業が求められるのはそのためです。
  「私たちがトマト農家をやっていられるのは、食べる皆さんがお手伝いに来てくれるからこそなんです。夏も頼りにしていますよ」とトマト部会長の杉山昭和さんが話す通り、生産者にとって組合員の労働力は貴重な戦力となっています。現に、飯綱地区でも農家の高齢化が進み、後継者問題に頭を悩ませている生産者も多いのです。
  加工用トマトは機械での収穫ができず、高齢化した生産者にとっては年々たいへんさを増す仕事になっています。国産の安全で美味しいトマトジュースをこれからも飲み続けるには、飲む側も自分たちができる形で支えるしかないーー。生活クラブのこの試みは、今後の日本農業の継続に一つのヒントを与えることになるかもしれません。

飲むだけではもったいない、料理にも大活躍

 今回、生産者と一緒に14名の組合員が植えたトマトの苗は、121アールの畑に合計1万2,700本。初日は豪雨で作業が1時間程度しかできなかったぶん、翌日は5時に起きて畑に行き、当初の計画通り作業を終えました。「夏まで元気に育ってほしい。そしてまた、夏の収穫にも参加したい」と、参加者は口をそろえます。
  日本のトマトジュース市場は大手2社で約90%のシェアを占め、全流通量の60%以上が濃縮還元したものです。熱を加えてペーストを液状に戻すので、どうしても特有の匂いやとろみがついてしまいます。それに対して生活クラブのトマトジュースは、生の完熟トマトを収穫の翌日にしぼるフレッシュパック法で熱劣化が少なく、トマトそのものの新鮮な味わいを楽しめます。いわば、“もぎたての美味しさを1年中味わえる”ジュース。産地と工場がすぐ近くにあるからこそ実現できるぜいたくな製法なのです。  
  定植に8回目の参加となる佐々木宏子さん(東京・23区南)は、「このジュース、飲んで美味しいのはもちろんですが、有塩のものはそのまま料理にも使えるんですよ」と言います。冷たいままコショウをかけてガスパチョ風に、ブイヨンと一緒にごはんを炊く、野菜と一緒にさっと煮詰めて卵にかけるなど、さまざまな利用法を教えてくれました。「爽やかな酸味は食欲のない朝にもぴったり。飲んで、食べて感動したら、ぜひ周りの仲間にも伝えてほしい」と、佐々木さんは話します。