生活クラブ活動情報

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健康で安心な卵を食べ続けよう!

「ごとうさくら」のひよこ

 安全なエサを食べ、健康に育った鶏が産む生活クラブの卵。卵かけごはんや目玉焼きなど、シンプルな食べ方をすればするほど、おいしさと質のよさを味わえます。そんな卵をこれからも届け続けるために、全国の提携生産者がいっしょに「国産鶏種の堅持」「エサの問題」に取り組むことになりました。

曽祖父母から国内で改良された日本育ちの採卵鶏

「もみじ」のひよこ

 桜色で美しいカラを持つ「ごとうさくら」、卵黄・卵白がプリッと盛り上がり瑞々しい「ごとうもみじ」。生活クラブが誇るこの2種の卵は、曽祖父母の代までさかのぼっても日本生まれの日本育ち。夏は蒸し暑く、冬は寒い日本の気候風土になじみ、抗生物質やワクチンを大量に与える必要がなく、明るくて風通しがよい開放的な鶏舎で育てられます。
  鶏の種鶏(しゅけい)の親世代を原種といい、原種の性質が産む卵の見た目や味を大きく左右します。今、日本で飼育されている採卵鶏の原種は、なんと90%以上が外国鶏。特にドイツのローマン社が輸出している白玉系のジュリア、赤玉系のボリスブラウンが約8割を占め、日本の鶏卵市場をほぼ独占しているといえるほどです。「ごとう」の国産の種鶏(親鶏)は日本全体でたったの6~7%。1962年に鶏のヒナの貿易が自由化されてから、親鶏、原種、そしてその親世代までも輸入に頼るようになり、自前で鶏を交配して育てるような企業は少なくなってしまいました。そんななか、国産の鶏種を守り続けたのが「さくら」「もみじ」をつくる後藤孵卵場なのです。
  「“さくら”も“もみじ”も、原種の親まで私たちが育種しています。原種の93%を外国に依存していますから、私たちがこの原々種を失えば採卵鶏は永遠に海外に依存せざるを得なくなります」と、後藤孵卵場の望月完二さん。  2004年に日本中を震撼させた鳥インフルエンザ。発生した場合は感染を防ぐために鶏は移動させられず、処分するしかありません。外国種鶏は輸出がストップ。日本で卵が手に入らなくなるおそれもありました。

安全でおいしい鶏卵を守るために、全国の生産者が手を結ぶ

光が差し込み、風通しの良い環境の養鶏場

 バイオエタノール政策によりアメリカではトウモロコシの価格が急騰し、さらにトウモロコシの73%、大豆の91%がGM(遺伝子組み換え)作付けになり、今、多くの畜産業者にとって飼料の確保は頭の痛い問題です。生活クラブでは今年の3月から全農と「畜産飼料対策協議会」を発足させ、輸入飼料のGM対策や、国内の飼料自給に向けて本格的な協議を開始しました。
  「先日、生活クラブや飼料を輸入する全農の職員と一緒に、アルゼンチン、アメリカ、中国に視察に行き、NON-GMOのトウモロコシを栽培してくれる生産者をどうにか見つけました。しかし、大豆はアメリカで91%、アルゼンチンではほぼ100%がGM作付けのため、NON-GMOの大豆粕を手に入れるのは不可能に近い。もはや、中国に働きかけるしかないのです」と話すのは、鶏卵の生産者・鹿川グリーンファームの丸尾敏晴さん。鹿川グリーンファームで扱う配合飼料のうち、トウモロコシの占める割合は約50%、大豆粕は約18%にのぼります。
  生活クラブでは牛肉、豚肉、鶏肉、そして鶏卵に至るまで、飼料のすべてをNON-GMOかつPHF(ポストハーベストフリー)にこだわっていますが、今や黄信号がともっています。「NON-GMOの飼料の確保は、すでに生活クラブだけの問題ではありません。他生協や消費者グループなど、日本の消費者がまとまって求めていかないと輸入の交渉すら難しい状況」と丸尾さんは危機感を募らせます。
  飼料の自給率を高めるため、生活クラブでは飼料用米の栽培稲発酵粗飼料に取り組み始めました。鶏卵ではエサの配合を変え、米や草など粗飼料の割合を増やす研究も始まっています。また、肉がおいしいうちに鶏肉として出荷する「卵肉兼用」も研究。NON-GMO、PHFのエサで健康的に育つ鶏は肉としてもおいしく、現に生活クラブの「親鶏ひき肉」や「親鶏つくね」は大人気。これからも安心な価値の高い飼料を使っていくことを前提とした価格設定が必要になってきます。
  このように鶏卵を取り巻く情勢が変化するなか、昨年11月に、生活クラブでは今後も「国産鶏種」「NON-GMOかつPHFの飼料」へのこだわりは捨てず、安全性を追求していくことを改めて確認しました。鶏卵の生産者は単協ごとに異なるため、飼料の割合や価格の設定など細かいルールは単協に任されていました。今年度より、提携生産者のうち8農場が飼料の供給元等さまざまな情報を共有し、足並みをそろえて活動していくことになりました。また、今後も国産鶏種を守っていくために、生活クラブ(消費者・提携生産者)、家畜改良センター(畜産技術の開発、原種鶏の保持)、全農(卵・飼料担当)、後藤孵卵場(育種・繁殖)の4者が協力し、「(仮)国産鶏育成協議会」を設立する計画です。

食事に、おやつに、卵の豊かさを見直そう

卵籠盛り

 一方、組合員の鶏卵利用率は年々低下の一途をたどっています。2001年度は世帯当たり毎月平均3.1kgの利用がありましたが、2006年度には2.3kgに。利用金額は月額987円から767円と、毎年4~5%低下しています。一般市場でも同様の傾向が見られ、家庭での鶏卵消費量は年々減っています。しかし、鶏卵の生産量自体は過去10年間全国的にも横ばいであることから、菓子類や加工食品、総菜、外食産業が家庭での鶏卵利用に取って代わっていることがわかります。
  そのうえ、「鶏卵の利用量が週によってばらつくことが、生産者の経営を圧迫している側面もある」と、生活クラブ開発部鶏卵担当の八巻賢二は話します。卵が余った週には他に販売するしかなく、NON-GMO、PHFの飼料では採算が取れない生産者もいるそうです。
  今や、安全で健康な卵を食べ続けるには、生産者の努力だけでは難しいのが現状です。それには、組合員が鶏卵をおいしく食べることがいちばん。卵は良質なたんぱく源であり、ビタミンAやミネラル、それに人間の体内で合成することのできない必須アミノ酸も豊富です。プリンやケーキは外で買うのではなく子どもたちと一緒に手づくりする、卵かけごはんで卵の豊かな味わいをそのままいただく…。卵という鶏たちからのかけがえのない恵みを、もう一度見直してみませんか。

*鹿川グリーンファーム(東京、神奈川、埼玉、茨城、栃木、群馬、福祉クラブ)、旭愛農(千葉)、会田共同養鶏組合(長野)、幾見養鶏(静岡)、黒富士農場(山梨、千里山生協、アルファコープおおさか、生協エルコープ、ウイルコープなら)、美濃愛農(愛知)、野地養鶏場(山形・福島)、常盤村養鶏農協(岩手、青森)。