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日本各地で「GMナタネ」の自生が見つかっています!

2007年「GMなたね自生調査報告会」開催

  ナタネをはじめ遺伝子組み換えでない作物を入手していくことが食用・飼料用ともに難しくなっている世界情勢については、事に触れてお知らせしています。遺伝子組み換え(GM)ナタネの栽培は国内で行われていませんが、GMナタネの輸入にともなって野外での自生が懸念されています。生活クラブ組合員も大勢参加する「全国GMナタネ自生調査」では、深刻な現状が明らかになりました。栽培規制を求める生活クラブ神奈川の活動も紹介します。

41団体が参加し“GMナタネ汚染”を全国調査

ナタネ検査の様子

  7月7日、2007年GMナタネ自生調査報告会が東京都内でありました。主催は、2005年春から全国の生協や市民グループに呼びかけて、国内での自生実態の把握に務めている「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」(代表・天笠啓祐氏)。今春には全国43都道府県の41団体が参加。また韓国の生協でも、初めて自国での調査を実施し、今回の報告会に参加しました。報告会当日は、調査に参加したグリーンコープ、生活クラブ生協、きらり、アルファコープおおさか、エル・コープがそれぞれの取り組みを報告したほか、独自に自生調査を行った農民連食品分析センターなどがそれぞれ把握した実態を発表しました。
  主催者発表の集計では、調査した検体数は1620にのぼり、そのうちGMO検出の1次検査で陽性と出たものは37検体ありました。それらが見つかったのは、千葉(5)、静岡(4)、大阪(1)、兵庫(2)、熊本(1)、鹿児島(1)、福岡(23)の各府県。飛びぬけて多かった福岡県を調査したグリーンコープは、福岡港に近いエリアを重点的に402カ所調査し、なたね陸揚げ港周辺での“汚染”度がひどいことが改めて明らかになりました。14都道県が参加した生活クラブの調査でも今年、千葉で5、静岡で4、合わせて9検体が一次陽性と出る結果となりました。

検査キットで反応が

検体調査のプロといえる農民連食品分析センターの八田純人さんの報告によると、セイヨウナタネでしかもGMOの自生実態は、実際にははるかに深刻であることが示唆されました。なたねの輸入港である、千葉県中央港、横浜港、清水港、名古屋港、四日市港、神戸港、岡山県宇野港、博多港、鹿児島港周辺に絞り込んで調べたところ、196検体のうちなんと94検体がGMOが検出されたとのこと。発見される場所は、なたねの移送ルートである道路中央や路肩、搾油会社、飼料会社などの付近で、博多港では港湾以外の離れた地区での自生も見つかり、「最も対策が必要な地域」とコメントしていました。
名古屋港と四日市港周辺で2004年から20数回もの自生調査を行っている「遺伝子組み換え食品を考える中部の会」の石川豊久さんは、「セイヨウナタネの自生がもはや点から線、面に広がる前にと、調査活動から『自生GMナタネを抜き取る作業』へと活動を移した」と危機感を述べました。

神奈川では知事マニフェスト、条例化へ動く

松沢神奈川県知事(左)に要望書を手渡す鈴木優子さん(右)

  生活クラブの活動報告をしたのは、生活クラブGM食品問題協議会メンバーで生活クラブ神奈川理事長の鈴木優子さんです。報告内容は、生活クラブグループの「GMナタネ監視活動」と神奈川の「GM栽培規制条例策定活動」について。 生活クラブでは2005年春、連合会に「生活クラブGM食品問題協議会」を設け、GM監視活動の一環としてGMナタネ自生調査に各単協が参加して取り組むこととなり、その結果10都県で組合員による調査を大展開。検体数は第1回の2005年が610、06年は1071、07年が760と、参加単協・検体とも増え、自生調査全体の中でも大きな割合を占めることになりました。 
    「神奈川県内ではGMなたねがたまたま見つかりませんでしたが、ないわけではないと思っています。横浜港周辺で見つからなかったのは、業者の管理が行き届いているからではないかと考えられます」。鈴木さんは神奈川の状況をこう推測するとともに、生活クラブ神奈川の条例制定に向けた活動を紹介しました。その内容は以下のようなものです。 神奈川では、<1>GMOフリーゾーン運動、<2>監視活動、<3>規制条例化の“3点セット”で活動を展開してきました。神奈川の「GMOフリーゾーン宣言!」運動は県内16ヵ所に看板を立てるに至っていますが、県全体へ広げるためには県が栽培規制をする必要があると考え、「GM栽培規制を求める署名活動」を展開。昨年12月には団体署名168を含む9万920筆の要望書を松沢神奈川県知事に直接手渡すことができました。

横浜市内に設置されたGMOフリーゾーン看板

そうしたところ、今年3月に行われた知事選に再出馬した松沢氏がマニフェストの3番目に規制条例の制定を掲げたため、鈴木さんたちは、すぐに要望が取り入れられ、びっくりしたそうです。さらに、再選後の松沢知事は、5月に「遺伝子組み換え農作物の交雑等の防止検討委員会」を設置し、主として県内農協関係者と専門家を委員にして検討を開始、今年度中に答申を出す方向で動き出したのでした。あれよあれよの急進展に、鈴木さんらは「あら、動いちゃった」と驚いたり喜んだり。もちろんこれからが肝心と、間髪おかず今後に向けた活動を始めています。

市民案を提示したい

  鈴木さんたちは、県の素案が提示される前に市民意見を表明しておく必要があると考え、この7月12日にはフォーラムを開催。また県の検討委員会への意見反映やメディア対応、行政・議会への働きかけ、パブリックコメントへの意見集約も行い、最終的には、市民案をまとめて県に提出する、という一連の流れを描いています。一見とんとん拍子でここまで到達したようですが、組合員による3年前からのなたね自生調査の実践、精力的な署名活動といった地に足のついた活動があったからこそ、行政を動かす力になったと言えるのではないでしょうか。
  鈴木さんは、「東京ではガイドラインで、千葉では食の安全条例の細則で、北海道は条例で、それぞれGMO規制をしているので、私たちもほしいよね、と始まった活動です。いい条例をつくってもらうことが今後の課題です」と張り切っています。