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アメリカ以外にもアルゼンチン、中国へ産地を拡大!!

アメリカ以外にもアルゼンチン、中国へ産地を拡大!!

  食の安全と自給を追求する立場から、生活クラブが遺伝子組み換え作物(GMO)に反対する姿勢を明確にしたのは1997年。10年経った今、世界の穀 物市場の情勢は大きく変化しています。アメリカのバイオエタノール政策によってトウモロコシの価格が急騰、また遺伝子組み換えトウモロコシとの収量差が大 きくなったことから、畜産飼料用のNON-GM(非遺伝子組み換え)トウモロコシの確保が厳しい状況に陥っているのです。生活クラブでは飼料の自給率を高 める活動に加え、アメリカ以外の産地からもNON-GMOの飼料を確保するための一歩を踏み出しました。

GMトウモロコシの作付けが70%に達したアメリカ

 2005年度52%、06年度61%、07年度73%、そして08年度以降はは90%へ─。アメリカのGMトウモロコシの作付け率が、こ こ数年で急速に伸びています。背景にあるのは、アメリカ政府がガソリンの代替燃料としてバイオエタノールを奨励する政策を打ち出したこと。これによって原 料であるトウモロコシの価格が急騰し、多くの生産者が単位面積当たりの収穫量が多いGMトウモロコシの作付けに流れているのです。
一方で、日本が輸入しているNON-GMトウモロコシのほとんどはアメリカからで、食品用途が約400万トン(うち50万トンがビール用コーンスター チ)、飼料用が約80万トン。生活クラブの提携先である全農が扱う飼料用のNON-GMトウモロコシは34万トンで、そのうち推定8万トンが生活クラブ向 けのものです。全農がこの春、販売先に行った意向調査では、今後もNON-GMトウモロコシを継続して取り組む意志を明確にしたのは生活クラブを含めた約 10万トン分で、NON-GMOをやめると答えたのが2?3万トン、残りの3分の2はまだ態度を明確にしていないということです。

6月に生活クラブを訪れたCGB社の役員(中央がジェームズ氏)

NON-GMトウモロコシの販売会社であるアメリカの全農グループ・CGB社の役員らが今年6月に来日した際、マネージャーのジェームス・スティツライ ン氏は「日本の消費者はこの先も本当にNON-GMトウモロコシを必要としてくれるのか」と、不安な表情で尋ねたといいます。米国で来年度作付けされる種 子に関してはすでに90%がGMトウモロコシで、2009年度のNON-GMトウモロコシの種子を確保するためには、生産者に対して補償価格を設定する確 約が必要だとジェームズ氏は言います。
「生活クラブがいくらNON-GMOを堅持すると言っても、もはや生活クラブだけの問題ではありません。飼料用に限らず食用のトウモロコシを使う事業者 とも歩調を合わせていかなければ、アメリカの生産者に一定量のNON-GMトウモロコシをつくり続けてもらうのは難しい」と、生活クラブ連合会開発部畜産 課長の赤堀和彦は話します。

アルゼンチンと中国をアメリカの補完産地に

アルゼンチンのトウモロコシ畑

 NON-GMトウモロコシが手に入らなくなるリスクを回避しようと、今年5月、生活クラブと全農、生産者の代表者らでアメリカとアルゼン チンへ畜産飼料の視察に行きました。アルゼンチンでは年間約80?90万トンのNON-GMトウモロコシを主としてヨーロッパへ輸出しており、日本への輸 出は現在2万トン、そのうち1万トンは全農が取り扱っています。
アルゼンチンでもアメリカ同様、バイオ燃料を推進する政策がとられていますが、使われている燃料はトウモロコシではなく大豆油のバイオディーゼルです。大豆に関してはもはや99%がGMOですが、トウモロコシのGM作付け率はまだ70%。

アルゼンチン農業団体との打ち合わせ

今後、日本でNON-GMトウモロコシの需要があるのならばぜひつくっていきたいと、アルゼンチン最大の農協・ACA(アルゼンチン農協連合会)が意思表 明をしています。現状では日本向けのトウモロコシのIPハンドリング(きちんと区別されて保管、流通しているかの証明)は行われていませんが、今年度から 全農がACAの協力のもとNON-GMOの区分管理態勢を確認し、来年度からの輸入に向けての準備を始めます。8月末にアルゼンチンから輸入された NON-GMトウモロコシは、鶏卵生産者である鹿川グリーンファームが飼料として実験的に取り組むことを検討しています。
また、大豆カスに関してはアメリカ以外に、GMOを作付けしていない中国へ産地を広げる取り組みがすでに始まっています。生活クラブの豚肉の生産者であ る平田牧場では、年間約1万トンの大豆カスを中国から輸入。それ以外の生産者は全農が輸入するアメリカ産のNON-GM大豆カスを使っています。アメリカ では除草剤耐性のあるGMOを必要としない大豆生産者がわずかながら残っているため、GM作付け率が現在の90%から極端に上がることはないと見られてい ます。
中国での課題は、産地を絞りこんで区分管理の徹底をはかることと、栽培体系を確認していくこと。しかし、全農畜産生産部穀物課の川崎浩之さんによると、 「区分管理や通年供給できる物流のシステムが課題ですが、何よりトウモロコシや大豆カスの品質は、どうやってもアメリカにはかなわないのが正直なところ。 アルゼンチンや中国はあくまでもアメリカの補完産地」ということです。今後も安定的にNON-GMOの飼料を確保していくには、アメリカの生産者に対する 価格的な保証を行い、いかにNON-GMの作物をつくり続けてもらうかがポイント。食べる側が価格の面で支えていく覚悟がどうしても必要なのです。

大切なのは、食の自給率を高めること

 遺伝子操作したものが生態系に与える長期的な影響が確認されないまま、世界中で作付けが進んでいるGM作物。最近、フランスの研究チー ムがまとめた報告によると、アメリカのモンサント社が生産しているGMトウモロコシを食べたラットの内臓機能に有意な影響が出たとされ、その毒性の是非に ついての議論が続いています。
日本でもすでにGMなたねの自生が確認されるなど、確実にGM作物による“汚染”が広がっています。「何より怖いのは、自分たちの食べるものの種子が企業にコントロールされ、食の安全を支配されることです。それを防ぐには、少しでも国内の自給率を高めていかなければなりません」と、赤堀は強調します。
現在、生活クラブの提携産地では、飼料の国内自給率を高める運動を進めています。庄内では平田牧場と遊佐町の共同開発米部会が協力して、豚の配合飼料にトウモロコシの替わりに10%米を混ぜた「こめ育ち豚」に取り組むほか、千葉県では稲を発酵させた粗飼料(ホールクロップサイレージ)を乳牛に与えるなど、地域ぐるみで稲作農家と畜産農家が手を結ぶ「耕畜連携」が始まり、その活動は全国的にも注目を浴びています。

■飼料の非遺伝子組み換え(NON-GM)トウモロコシ、大豆カスは、どこから?

豚肉 トウモロコシ

アメリカ アメリカ + 

中国 中国

大豆カス

アメリカ アメリカ + 

中国 中国

鶏肉 トウモロコシ

アメリカ アメリカ +  

アルゼンチン 今後アルゼンチンを検討

大豆カス

アメリカ アメリカ + 

ブラジル ブラジル

牛乳 トウモロコシ

アメリカ アメリカ +  

アルゼンチン 今後アルゼンチンを検討

大豆カス

アメリカ アメリカ

鶏卵 トウモロコシ

アメリカ アメリカ +  

アルゼンチン 今後アルゼンチンを検討

大豆カス

アメリカ アメリカ

牛肉 トウモロコシ

アメリカ アメリカ

大豆カス

アメリカ アメリカ + 

中国 中国