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天津甘栗、むき甘栗の中国産地を視察!

天津甘栗、むき甘栗の中国産地を確認!生産地、加工工場の安全性とトレーサビリティを確認しました。

 現在、生活クラブでは中国産原材料を使った消費材の安全性をひとつひとつ検証中です。キクラゲ、はるさめに続いて、今回は天津甘栗とむき甘栗の現地視察を行いました。これらは中国産の栗でつくられているため、検証の対象になったのです。

 

秋の味覚といえば栗。炊き込みごはんや甘露煮、渋皮煮、モンブランなど、栗を使った料理はたくさんありますが、焼き栗とマロングラッセは日本の栗ではつくれません。日本の栗は外国の栗とは品種が違うため、本場と同じ味が出せないのです。中国やヨーロッパ産の栗は日本の栗よりも小粒で甘みが強く、渋皮がむきやすいなどの特徴があります。
生活クラブで取り組んでいる天津甘栗とむき甘栗はいわゆる焼き栗で、中国栗でつくられています。天津甘栗は栗を石と一緒に釜で焼く中国の「糖炒栗子(トーショーリーズ)」が由来とされており、日本には1910年代に伝わったといわれています。石焼きいもと同じ原理で、石を使って焙焼することにより栗本来の甘みを最大限に引き出す、おいしい食べ方の一つです。
生活クラブの天津甘栗とむき甘栗の提携生産者は藤原食品(株)。1970年の創業から甘栗をつくりつづけてきました。栗だけでなく、中国産のはるさめやザーサイなども扱っており、生活クラブとの付き合いも三十数年を数えます。現地を視察してきた藤原拡人社長に話を聞きました。

生産農家127軒を指定して取引

遷西県揚家峪地方の栗の木

 藤原食品の甘栗の原料となる栗は、中国の河北省遷西(せんざい)県揚家峪(ようかこく)地方で生産されています。万里の長城に近いこの地域は、寒暖の差が大きく、ミネラル豊富な土壌のため、甘くて品質のよい栗ができます。栽培については、農薬や化学合成肥料を使用せず、生活クラブの自主基準はもちろん、有機JASの認証を受けられる水準で行われています。
  藤原社長によると、昔から産地や農家を指定して取引を行ってきており、現在では生産農家127軒の一覧表も完成しています。
「栗はもともと病害に強い木なので、その点は管理が楽なのです。虫がつくのが一番の問題でしょうか」(藤原社長)。虫害を少しでも減らすために、冬の間、幹にこもを巻いて虫をその中に呼び込み、こもごと外して燃やすという方法や、夜間に誘虫灯をつけて虫を集めるなど、昔ながらの策を講じています。

誘虫灯

 

収穫、選別、皮むき、加工まですべて手作業

栗拾い

 収穫は9月下旬~10月初旬に、熟して落ちた実を手で拾う方式。イガを取ってから、腐れや虫食い、小さい実をはじく選別をします。収穫と選別は手作業で、現地の農家や臨時雇いの近隣の住人が行っています。選別が終わると袋詰めされ、倉庫に運ばれて冷蔵されます。「味を落とさないためには温湿度管理が重要で、温度マイナス2℃~0℃、湿度80%以上を保たなければなりません。これによって栗の呼吸を抑制し、休眠状態にします。ここで十分に冷やしておかないと輸送や保管のさいに温度が上がってしまい、味が悪くなります」と藤原社長。 天津甘栗になる栗は、このあと冷蔵コンテナに入れられて天津港を出港し、船で日本に運ばれてきます。入国時の検疫で燻蒸された後、再び倉庫へ。そして藤原食品での加工となるのです。おおよその工程は、(1)水洗いしながらの選別、(2)焙焼、(3)パッケージング、そして出荷という流れになります。

皮むき

むき甘栗の場合は、収穫・選別のあと、中国国内の加工工場ですぐに焼かれます。これは皮をむきやすくするためで、ごく短時間の加熱しかしません。その後、ひとつひとつ手で皮をむいて、急速冷凍します。いったん冷凍することで栗の活性を止め、余分な水分を抜くのです。そして、凍った栗をレトルトのパッケージに入れ、酸化防止のための窒素を充填し、パッケージごとじっくり加熱すると、むき甘栗の完成。その状態で輸出されます。厳密には、むき甘栗の加熱方法は焼き栗とは違うので、天津甘栗とまったく同じ味にはなりませんが、糖分をいっさい加えず、無添加で栗本来の甘さを楽しめるという点は同じです。  

パッケージ

藤原社長によると、むき甘栗は同一工場で一貫生産ができるためトレースしやすく、情報開示もしやすいというメリットがあります。加工がISO20002(中国版HACCP認証)にしたがって行われ、原料点検、行程選別、衛生管理、金属探知機検査、施設管理、製品検査などもしっかりなされていることを確認してきました。

これから年末にかけてが天津甘栗の食べごろ

 生活クラブ連合会・加工食品課長の守屋馨は、「天津甘栗は日中国交正常化の翌年、1973年から取り組みが始まり、長いあいだ組合員に愛され利用されている消費材です。今後も相手国の農業環境を考えながら、日本にない産物を大切に食していく、というスタンスで利用を継続したいと考えています」と話しています。
今、天津甘栗の消費量は全国的に漸減の傾向にあり、中国からの栗の輸入量も減ってきています。皮をむくのが面倒だからでしょうか、若い人の「栗離れ」も進んでいる様子。しかし、栗は栄養価が高く、日本人女性に不足しているという葉酸、カリウム、ビタミンC、食物繊維なども豊富に含む、からだによい食べ物なのです。 藤原社長は、天津甘栗は収穫後2、3カ月冷蔵してから加工したものが一番おいしい、と教えてくれました。これから年末にかけてが、まさに天津甘栗の食べごろ。無農薬、無添加の自然の甘みを、安心して楽しんでください。