生活クラブ活動情報

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韓国の組合員の情熱とこころを感じる刺激的な旅でした。

韓国の組合員の情熱とこころを感じる刺激的な旅でした。

  組合員が自ら考え、決定し、協同しながら運動と事業を継続させることによって、生きやすい地域社会をつくる……。協同組合の思想は、日本も韓国も共通です。生活クラブの組合員と職員が韓国の協同組合を訪ね、交流する「日韓協同組合交流ツアー」が10月19日~23日に行われました。
*上記写真は、「豊年大祭開幕式」の様子。田んぼの動物や虫になって2回跪き、礼拝をする。

「原州協同組合運動協議会」が受入れ団体に

住民生協組合員との交流会

  生活クラブと韓国の協同組合の交流が始まったのは、1983年3月。韓国・半月(パンウォル)信用協同組合(以下、信協)の李健雨(イゴンウ)理事長らが生協をつくりたいと生活クラブ連合会を訪問したのがきっかけです。「当時の韓国には生協がほとんどなく、日本の生協に学びながら生協運動を展開していった」と、生活クラブ連合会組織運営室の糀陽子は語ります。
  その後も、韓国の信協理事が各地の生活クラブで研修を受け生協運動について学ぶ研修生制度、日韓協同組合運動協議会の開催など、韓国の協同組合と生活クラブとの交流は続きました。また、1991年から2005年までは毎年、韓国信協中央会を受入れ団体に、組合員や役職員が韓国各地の協同組合を訪ねる「日韓交流組合員スタディツアー」を行いました。
  この「日韓交流組合員スタディツアー」は、今年「日韓協同組合交流ツアー」と名を変え、2007年の受入れ団体は、韓国信協中央会から原州協同組合運動協議会(パルグム信協、原州ハンサルリム生協、原州生協・原州医療生協など12団体で構成)に変わりました。
  それは、韓国信協中央会が、これまでの日韓交流をさらに実りあるものにするために、生協運動発祥の地であると同時に、信協運動を展開して貧困な農・鉱山村甦生の道を探ってきた「原州」を、私たちの受入れ団体として推薦したのがきっかけで、原州協同組合運動協議会を受入れ団体とする「2007年日韓協同組合交流ツアー」実施を決めました。また、生活協同組合に限定せず、地域に根づき、地域の経済的自立・自治に貢献する「協同組合」と交流したいという考えから、名称を「日韓協同組合交流ツアー」としました。
  10月19日から23日までの5日間、組合員と役職員が江原道原州(ウォンジュ)市とソウル市近郊の城南市、ソウル市を訪問。原州協同組合運動協議会、住民生協、ドゥレ生協連合会の組合員と交流しました。

印象に残った「キムチ漬け体験」

キムチ漬けを体験する参加者

   「原州」の協同組合運動の根底をなす、自然環境保存に眼を向ける「生命運動」は、「すべてのものと調和して生きる運動」であり、必然的に“親環境”、日本で言う“有機”農業運動につながっていきました。お米と野菜は無農薬、果物は減農薬で栽培し、田んぼや畑にいる動物や小さな虫、微生物に至るまで大切にするという思想が貫かれています。
  「日本の生協は、都市に住む女性が中心となって安全かつ環境に配慮した食物を求める運動がほとんどですが、『原州生協』は、生産者が主体となって自分たちのつくった作物を食べる消費者グループを組織していきました。生産者も消費者も同じ組合員で、互いにお金を出し合って生協を運営しているのです」(前出・糀陽子)。
  原州市では、韓国で初めてGMフリーゾーン(遺伝子組み換え作物の栽培を禁止する地域)を宣言した畑を見学。その後、原州生協理事長の畑で、引き抜いたばかりのキムチ用の大根を丸かじり。生協の理事長が生産者というのは、原州生協ならではです。

原州市テアン里のGMフリーゾーン

今回の交流ツアーの団長を務めた生活クラブ埼玉理事長の吉田文枝さんは、原州医療生協の組合員と一緒にキムチ漬け体験をしたことが印象に残っているそうです。「韓国の食事は穀物を大切にしている。たっぷりの野菜と一緒にごはんをたくさん食べる伝統的な食生活が今なお息づいている」とも感じたと言い、「“親環境”でつくられた野菜でごはんを美味しく食べる生活スタイルは、生活クラブのお米や消費材を大切に食べ、それを仲間に伝えていくという、自分たちの活動に生かせる」と、たいへん参考になったようです。

ワーカーズの働き方に熱い期待

  ソウル市近郊の城南市では住民生協組合員と、ソウル市ではドゥレ生協連合会組合員と交流会を開き、互いに活動発表を行いました。  住民生協との交流会では、生活クラブ埼玉の轟(とどろき)涼さんが生活クラブの自主監査活動について、23区南生活クラブ常勤理事の渡辺繁美さんが、生活クラブ東京の生き物環境調査や、東京の川辺と水の調査、松葉ダイオキシン調査などの社会活動について報告しました。
  住民生協は、学校給食に“親環境”農産物を扱うよう条例制定運動を始めたことや、城南支部の組合員活動を紹介。それぞれの活動について意見交換を行いました。
  交流ツアー最終日のドゥレ生協連合会との交流は、生活クラブからはまず、湘南生活クラブ理事長の木下青子さんがグリーンシステムによるCO2削減推進運動を紹介しました。次にWNJ(ワーカーズ・コレクティブネットワークジャパン)運営委員の宮野洋子さんがワーカーズ・コレクティブの歴史や働き方、課題について発表したところ、組織のつくり方や運営方法などについてとても熱心な質問を浴びせられました。ドゥレ生協連合会でもちょうど今、ワーカーズ・コレクティブが発足しつつあるということで、「ワーカーズ・コレクティブを新しい働きかたとして韓国に根づかせていきたい。そのために生活クラブの活動に少しでも学びたいという姿勢がひしひしと伝わってきた」(前出・吉田さん)とのことです。
  「同じ協同組合の仲間として韓国の方々と交流できたことは、たいへん刺激的でした。生活クラブの活動は韓国の生協よりも少し前に進んでいるかもしれませんが、組合員活動への情熱や心は、逆に韓国の方に教えてもらったような気がします。私たちにとって生活クラブとは? 生協とは? これを問い直す、とてもよい機会になりました」と、吉田さん。「今後は組合員活動を通して、韓国で感じた熱気を仲間に伝えていきたい」とも話します。  
  なお、この日韓協同組合交流ツアーの記録集は、2008年2月単協配布の予定です。