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野菜・果物の「安全・健康・環境」を高めていこう!

野菜・果物の「安全・健康・環境」を高めていこう!

  生活クラブの野菜・果物の生産者がともに農薬の削減や栽培方法の技術向上を目指し、「生活クラブ農産物提携産地連絡協議会(通称:青果の会)」が発足したのは2006年1月でした。今年11月2日には生産者が集って「生活クラブ青果の会」フォーラムを開催しました。野菜・果物での「安全・健康・環境」をより高めていこうと全国の生産者が集いました。

農薬・化学肥料の削減目指し、全国の生産者が集結

会場の様子

 「生活クラブの野菜・果物は、有機栽培に近いレベルのものから、ほぼ普通栽培と言えるものまで、大きな幅があります。全国の生産者がともに学び合って、生活クラブの青果のレベルを底上げしていきましょう」
  「生活クラブ青果の会」副代表の相馬一廣さん(月山パイロットファーム)のあいさつで始まった「青果の会フォーラム」。

矢坂雅充氏

フォーラムでは東京大学大学院経済学研究科准教授の矢坂雅充氏による基調講演「生産と消費を結ぶ新しい提携」や、生産者の農薬削減に向けた決意表明などが行われました。 小田原の下曽我みかん生産者グループの長谷川功さんは「私の産地では、生活クラブとの30年以上の提携によって農薬削減が完成しつつあります。これからは地域農業のなかでいかに有機農法を行っていくか、という時代になる」と力強く話しました。    

「生活クラブの野菜・果物とは何か」

 小松菜、水菜、大根、りんご、みかん……。生活クラブの野菜・果物は、2007年1月にスタートした新物流システムによってJA全農青果センターに集まり、「連合会取り扱い青果物」として、首都圏単協と全国11単協の組合員の元へ届けられています。また、東北や北海道の一部単協、デポーでは独自に地場野菜の生産者と提携し、組合員に供給しています。
  生活クラブが連合会として農産物を取り扱うようになったのは1998年と、その歴史は浅く、JA全農との共同事業として発展させてきました。それまでは全国の単協が個々に生産者と提携関係を結んで地場野菜を購入していました。品目によっては一般市場から購入しなければならなかったものもあり、農薬や化学肥料、除草剤等の使用、栽培履歴のレベルはまちまちでした。
  今や、鹿児島のばれいしょから北は北海道のニンジン・メロンまで、生活クラブの青果の産地は全国にまたがっています。産地によって気候が違うのはもちろん、農法や農薬の使い方、成分も異なります。しかも、「特別栽培」などの低農薬・低化学肥料の作物も、都道府県によって栽培基準が異なるため、全国の生産者が同じ基準で農作物をつくるのは非常に難しいとされてきました。生活クラブの「自主基準」の達成度合も、産地によってまちまちなのが現状です。
「“生活クラブの野菜・果物とは何か”をもう一度突き詰めて考えようと、生産者の呼びかけで始まったのが、青果の会なのです」と、生活クラブ連合会開発部農産課の田村徹は話します。

3段階の自主基準があります

相馬一廣さん

  生活クラブの3原則は「安全・健康・環境」で、その原則を守るために消費材の「自主基準」を定め、「自主管理・監査制度」のもと、自分たちの食べる(使う)消費材を組合員自らが確認しています。
  青果物の栽培基準は生活クラブの自主基準書に細かく定められ、農薬や化学肥料、生産時に使用する資材、栽培記録の方法など、様々な約束事があります。土づくりに力を入れて農薬や化学肥料をなるべく使用せず、適地適作や輪作を重視して美味しさを追求。持続可能な農業を行うことで、食料自給率の向上を目指しています。
  生活クラブの自主基準では、青果を含めた消費材が最低限守るべき「標準規格」のほか、低(無)農薬、低(無)化学肥料栽培を実現するなどより環境や安全性の到達レベルが高い「推奨レベル」、そして様々な事情で農薬等を使わざるを得ない状況だが早急に改善が求められる「要改善規格」の3つを定めています。
  その内の「要改善規格(農薬)」は、主に毒性の強い農薬を指します。青果の会では、この農薬の削減を具体的に推し進めるために、(1)自主基準の「要改善規格」をこれから3年かけてゼロにすること、(2)生産者同志で技術研修すること、(3)組合員を積極的に産地に招き、交流会や組合員による「おおぜいの自主監査」で組合員の求める青果をともにつくっていくことを目標に定めています。相馬さんは、「いずれはすべての生産者が自主基準の“推奨レベル”に到達して持続可能な農業ができるよう、みんなで研鑽を積みたい」と語ります。  

産地ごとにレベルを上げていく

  また、生活クラブでは農業の安全基準を生活クラブと生産者だけが理解すればよい、とは考えず、安全な農業を一般の市場全体にも波及させようと、全農や地域の生産部会、生産者のリーダー層に呼びかけ、地域ぐるみで農薬削減に取り組んでいます。
  これは、地域の篤農家など個別の生産者の農産物を産地直送する事業では成し得ないことで、志を共にする生産者と提携関係を結んできたからこそできることです。
  今後3年間で、生産者は生活クラブ自主基準のレベルアップを目指し、農薬削減に向けて努力を重ねていきます。また、この取り組みが地域に広がることで、日本の農業がより安全で、持続可能なものになる可能性を秘めています。