生活クラブ活動情報

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「ザーサイ」の故郷・中国重慶市で生産地、加工工場を検証し、安全性を確認しました。

  今年1月末に発覚した中国産餃子へのメタミドホス混入事件によって、中国産食品に対する社会不安が広がっています。生活クラブでは昨年から中国産の消費材の安全性を確認、検証しています。2月18~20日には、ザーサイの産地である中国・重慶市?陵(フーリン)区の農場、加工工場を確認してきました。

無農薬で栽培されているザーサイ

収穫されたザーサイ

 生活クラブの「ザーサイ」がつくられているのは、華南の内陸部に位置する重慶市フーリン区。重慶から東に車で約2時間、長江支流の烏江流域にある標高800mの農村地帯で、ザーサイの一大産地として知られています。中華料理の長い歴史のなかでザーサイが登場するのは意外にも20世紀に入ってから。その発祥の地がフーリンと言われています。
  ザーサイはアブラナ科で、根に近いふくらんだ茎の部分を食用にします。種を蒔くのは9月上旬で、育った苗を10月中旬に植え付け、翌年2月上旬に収穫します。今年は50年ぶりに中国南部を襲った大雪の影響で、収穫のピークが10日ほど遅れ、フーリン区全体で約40%の減収が予想されています。
  「生活クラブのザーサイは、無農薬でつくられています。なぜだと思いますか? 農薬を使う必要がないからです」。こう話すのは、現地の商社との渉外業務を担当する輸入商社の東栄商行の王鋭輝社長。秋から冬にかけてのザーサイの栽培シーズンは、気温が15℃~4℃と低く、害虫が発生しにくいためです。生活クラブでも昨年の8月と今年の3月にザーサイの製品の残留農薬検査を行っていますが、540種類の農薬すべてにおいて検出はありませんでした。また、今回、持ち帰った原料のザーサイも3月に検査を実施しましたが、同様に検出はありませんでした。

原料はすべて契約農家で栽培

ザーサイを竹製のワイヤーに吊るして乾燥

 収穫したザーサイは葉っぱと根っこの部分を落とし、ふくらんだ茎の部分のみを加工工場の「重慶?陵楽味食品有限公司」に運びます。集荷したザーサイは電線状に張り巡らされた竹製のワイヤーに吊るし、10日から2週間ほど乾燥させます。  
  楽味食品で取り扱うザーサイは、契約農家344軒で栽培された「永安小葉」という1品種のみ。年間約1万tの収量があり、農家からの原料受け入れ価格は1tにつき800元です。日本円にして12000円ほど。農家が継続的に生産できるよう、一般よりも高めの価格設定にしているそうです。
  楽味食品ではフーリン区のザーサイ指導員による指導のもと、種の管理や肥料の使用方法を定め、各農家の名簿や栽培記録を管理しています。生活クラブ連合会開発部加工食品課の木下雅晴は、これらの書類を片手に、畑の区分の整合性や、農家への作業方法の聞き取りなどを行いました。
  「農家の人たちは少しでも多くのザーサイを収穫しようと、どんなに小さな土地でも開墾してザーサイを植える。機械が使えないのですべて手作業です。春夏は飼料用トウモロコシやさつまいもを栽培し、連作障害はないそうです。肥料については、農作物の残渣を発酵させた完熟堆肥を主に使うほかは、化学合成肥料(窒素・リン酸・カリ)を、苗植え時に1回と尿素を2回使用していることを確認しました」(木下)

昔ながらの製法で漬け込み

今回の視察では、収穫が遅れたために工場の職員がザーサイの乾燥作業に追われており、工場は稼働していませんでした。そのため、製品の製造工程のチェックはできませんでしたが、楽味食品では品質保証の国際規格であるISO9002、食品の衛生管理手法であるHACCP(ハサップ)を取得していることから、製造マニュアルや衛生管理マニュアル、製造日報、包装記録、清掃記録、入室時の衛生点検記録などの書類が揃っており、生産ラインに問題がないことを確認しました。

ザーサイを醗酵させる甕(かめ)

  楽味食品のザーサイは、収穫後に塩池で塩漬けし、水洗いのあと香辛料と一緒に甕(かめ)で約1年かけ発酵させるという、昔ながらの製法でつくられています。「今は発酵と熟成に時間をかけず、1カ月くらいで製品化してしまう業者がほとんど。フーリン区で1000軒あるザーサイ製造業者のなかで、これだけの手間と時間をかけてザーサイをつくっているのは、楽味食品くらいではないか」と、「ザーサイ」の提携生産者である 藤原食品の藤原拡人社長は話します。  視察を終えた木下は、「“これからもお互いに安心してザーサイをつくり続け、また食べ続けられる関係を継続していこう”と約束しました」と話しています。

今後の課題も確認

 今回の視察で、生活クラブのザーサイの原料の安全性、製造工程には問題がないことがわかりましたが、まだ課題が残っています。ザーサイを漬け込む塩や香辛料、ザーサイの種子に関しては、産地が広範囲にまたがることから、生産や流通履歴の細かい確認がとれていません。これらは中国政府の許可なしに国外に持ち出すことができないため、生活クラブ内で検査することができませんでした。楽味食品が中国政府に確認してから対応することにしました。  
  肥料については、生活クラブの基準では化学合成肥料の不使用を推奨しています。生産農家が肥料として使っている「ザーサイ専用肥料(化学合成肥料)」と尿素については、製品規格の情報開示を依頼。また、大雪による減収で2008年産ザーサイの原料が不足することが考えられ、契約農家以外の農家から原料を調達する場合には、区分管理を徹底することもあわせて要請しました。