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生活クラブ生協連合会─国産ナタネを守りたい!

 生活クラブ国産なたね協議会では内閣総理大臣と農林水産大臣に宛てた「団体署名」への参加を呼びかけています。いま、政府への働きかけを強め、助成金制度の存続を求めなければ、国産ナタネは姿を消し、私たちはかすかに灯った「食」の自給への希望を失うことになるでしょう。(2008年6月17日掲載)

助成金の打ち切りで、「国産ナタネ」が姿を消す!?

 「国産ナタネ」が完全に姿を消す――。 そんな危機的な状況が迫ってきました。政府の「高品質なたね産地確立対策事業」が今年9月収穫分(2008年度産)を最後に打ち切られ、農家への助成金が廃止されようとしています。
  国産ナタネの販売価格は1俵(60kg)が12,000円。うち6,667円が助成金で、これを除いた農家の手取りは5,333円です。ところが、なたね1俵の生産には7,804円の費用が必要。このまま助成金が廃止されれば、農家にとっては1俵ごとに2,471円の“持ち出し”になります。25haのナタネ畑を耕す農家の場合、1年で400万円もの収入減になるといいますから、とても尋常なことではありません。
  こうした農家の窮地を救うには、だれかが助成金に相当する額を負担しなければなりません。つまり、国産ナタネを原料とする製品価格が倍以上になることもありうるわけです。

「国産ブレンドなたね油」で、日本一広いナタネ畑が!

ナタネ

 生活クラブ生協連合会では1992年に青森県のJA横浜町と提携。国産品種の「キザキノナタネ」の契約栽培を進め、2000年からは北海道のJAたきかわとも同様の取組みを続けてきました。この国産品種から搾った油を10%配合したのが生活クラブの「国産ブレンドなたね油」。これを組合員が予約共同購入することで、ナタネの持続的な生産を応援してきたのです。
  この結果、横浜町では馬鈴薯の畑で2年に1回はナタネを育てるという輪作が進み、JAたきかわ管内では5年に1回はナタネを育てながら、その間に小麦、大豆を栽培する農家が増えています。いまや二つの産地のナタネの収穫量(07年度)は合計で581t。全国の生産量(900t)の約65%を占め、JAたきかわ管内の滝川市には日本一の面積を誇るナタネ畑が広がりました。

ナタネの自給率は、わずか「0.04%」

 それでもナタネの自給率はわずか「0.04%」。年間220万tが輸入される外国産には価格でも太刀打ちできません。しかし、オーストラリアの大干ばつや欧米を中心とした旺盛なバイオ燃料(BDF)需要により、その国際相場は高騰を続けています。しかも、遺伝子を組み換えられていない(NON‐GM)ナタネの入手には、分別生産と分別流通のための高額な費用負担が求められるようになるかも知れません。
  世界的なナタネの生産国であるカナダでは、すでに遺伝子組み換え(GM)ナタネの生産が本格化しており、NON‐GMナタネの分別は困難な状況にあります。このため、生活クラブ連合会ではGMナタネの栽培を禁止している西オーストラリア産を輸入してきましたが、オーストラリア東部の2州でもGMナタネの生産が認められる状況になりました。現在、西オーストラリア州ではGMなたねの商業栽培は認められていませんが、将来どうなるか予断を許さない状況です。このままでは“生命操作”された作物を口にせざるを得なくなります。

「国産なたね協議会」を設立 少しでも《自給力》を高めたい

国産なたねブレンド油角缶

 こうした状況にありながら、日本の政府は国産ナタネの栽培を支えてきた助成金制度を廃止しようとしています。1957年の25万8000haをピークに2006年には800haにまで減少したナタネ畑ですが、2001年度産を対象にした助成金制度がスタートしたことにより、ほぼ同水準を保ってきました。この制度は2005年で終了しましたが、生活クラブ連合会は政府に継続を要請。農林水産大臣に《国産なたねの生産支援》を求める要望書を提出するなどの活動を展開しました。
  これにより2006年度から3年間、「高品質なたね産地確立対策事業」が実施され、農家に助成金が支払われています。この年、生活クラブ連合会はナタネの産地であるJA横浜町とJAたきかわをはじめ、その流通を担うJA全農、「国産ブレンドなたね油」を製造する(株)米澤製油、それを原料とする食品を生産する(株)全農食品にも参加を呼びかけ、「生活クラブ国産なたね協議会」を設立しました。少しでも国産ナタネの生産量を高め、「食」の国内自給という《大きな安心》を追求する活動のはじまりです。

助成金がなくなれば自給率「0」の危機

 国産なたね協議会では2009年度以降も助成金制度を延長することを政府に求めてきましたが、「これ以上の予算措置は採れない。特定の生産者や製造者、利用者からなる個別団体の取り扱うナタネ油に交付金の支給は難しい」との回答を得るにとどまっています。
  このままではナタネの自給率はゼロになってしまうかもしれません。産地からは「必要とする人がいてくれるかぎり、育て続けたい。でも、助成金がなくては経営がもたない」、「離農者が続出し、荒れた畑が増える!」といった悲鳴や怒りの声があがっています。こうした危機的な状況を回避するため、国産なたね協議会は内閣総理大臣と農林水産大臣に宛てた「団体署名」への参加を呼びかけています。いま、政府への働きかけを強め、助成金制度の存続を求めなければ、国産ナタネは姿を消し、私たちはかすかに灯った「食」の自給への希望を失うことになるでしょう。団体署名へのご協力をお願いします。

● どんな団体でも団体署名にご参加いただけます。
● 署名用紙は、コチラ(PDFファイル)からダウンロードしてください。
● 署名いただきましたら、6月27日までに、生活クラブ連合会・開発部(担当:守屋 03-5285-1887)にご郵送ください。

<この記事についての関連情報>
◆2007年6月28日掲載「国産なたね産地、北海道滝川市へ西オーストラリア州が訪問」はコチラから
◆2008年4月30日掲載「ナタネ栽培 岐路に」はコチラから