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生活クラブ連合会第19回通常総会を開催

生活クラブ連合会第19回通常総会を開催  「さらに食糧自給力を高め、持続可能な生産と消費を実現する」方針を決定!

 6月30日、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(以下、生活クラブ連合会)は都内のホテルで2008年度第19回通常総会を開催しました。総会では国内自給と産地形成の強化など2007年度の連合会活動報告を承認したほか、2008年度はさらに食糧の自給力を高め、共同購入運動を広めることによって持続可能な生産と消費を実現する方針を決定しました。(2008年7月15日掲載)

「食糧危機の今こそ、米、畜産、食用油の生産を支えよう」

挨拶をする加藤会長

 「今、世界的な食料高騰問題や中国産ギョウザ事件に代表される食品リスクなど、時代は風雲急を告げている。特に食糧の国内自給率が40%を下回るという数字は、放っておけない」。加藤好一生活クラブ連合会会長の挨拶で始まった生活クラブ連合会2008年度第19回通常総会。会場となったホテルラングウッドには、全国の単協から組合員の代表として268人の代議員(うち委任状33名)、多数の傍聴者、来賓が集まり、2007年度の活動報告と2008年度の活動方針について確認し、意見交換を行いました。
  加藤会長は挨拶のなかで、生活クラブで2008年度特に重点的に取り組む施策として、予約登録米の維持を全ての取組みの基本に据え、その上で飼料用米を含めた米の多用途化を徹底する、アメリカのトウモロコシ、大豆に依存した畜産のあり方を見直す、今や風前の灯になっている国産の食用油を生産し続けられるよう、組合員の利用結集と政府への働きかけを行う、という3つの目標を掲げ、総会での議論が具体的な成果に結実するよう呼びかけました。

拡大力強化キャンペーンで約1万4千人の組合員増に

 続いて議事に移り、生活クラブ連合会の渡部孝之常務理事が(1)2007年度連合会活動報告の承認について、(2)2007年度連合会決算報告および剰余金処分の承認について、報告を行いました。
  2007年度は、主要品目のうち「牛乳」でキャンペーン活動を行ったが年間目標の前年比100%には達せず97.2%にとどまったこと、米では予約登録活動を中心に利用結集を進め、毎週取組みになったことで前年比102%と効果が上がったこと、鶏卵では国産の採卵鶏であるゴトウ種の育成と普及、また、週によって取組み数にばらつきがあることで生産者の経営を圧迫しないよう、週次バランスの改善に取組んできたこと、畜産分野では日本短角牛(肉牛)、ブラウンスイス種(乳牛)の実験導入や国産鶏種「はりま」の取組み強化、飼料用米とこめ育ち豚の生産拡大に力を入れてきたと報告しました。
  2007年3?12月に行った拡大力強化キャンペーンでは、目標の組合員純増1万人を上回る10,709人増を達成(4月からの07年度1年間では13,717人増)、特に30代を中心とした若い世代向けの広報活動では、申込みカタログ「ライブリー」で30代おすすめ消費材をアピールして利用に結びついたことや、ロゴマークやグッズを多用したキャンペーンなどで成果を得たことを強調しました。
  ほかにも、『「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク』を立ち上げて多様な活動を進めたこと、関西で活動していた「WILLネット」加盟4生協(大阪の千里山、アルファコープおおさか、京都のエル・コープ、奈良のウィル・コープなら)の4単協が生活クラブ連合会に加入したこと、兵庫県・大阪府にまたがる「生活協同組合連合会きらり」の生活クラブ加入に向けた協議を開始したことを報告しました。
  会場からは、「拡大力強化キャンペーンでは、30代おすすめ品やこまけいこさんのかわいらしいロゴマークが若い母親世代に好評だった。この成果を、今後はもう少し若い世代や食育の分野に応用していったらどうか」といった意見が出されました。

「国内自給力を高める共同購入運動をもう一度見直すべき」

08年度方針を提案する、福岡専務

 午後は連合会の福岡良行専務理事が(3)2008年度連合会活動方針の決定について、(4)2008年度連合会予算、役員報酬限度額、借入金限度額の決定について、(5)日生協コープ共済生活協同組合連合会(仮称)への加入、および加入に伴う出資金拠出について、報告を行いました。
  福岡専務は今の日本の食をめぐる状況を「いまだかつてない厳しさ」と評し、食糧の需給バランスが崩壊しつつあることを認識し、国内自給の必要性を明確にする、そして、GMO(遺伝子組み換え作物)の広がりに危機感を持ちNON-GMO活動の最先端を走り続けることを生活クラブ全体で確認し、みんなでまとまって戦略的に活動していかなければ持続的な生産と消費は維持できないとの危機感を表明しました。特に今こそ「おおぜいの力を結集して“食糧主権”の考えを明確にする必要性がある」と訴え、国内自給力を高める共同購入運動をもう一度見直すべきだと力を込めました。
  具体的には、今の食糧を取り巻く状況を「時代の構造的大転換期」ととらえ、特に以下の活動に力を入れていくと力を込めました。まず、生活クラブが生産者とともに取組んできた飼料用米の活動が国を動かすレベルになり、今後も国に対して具体的な戦略を提案していくなど活動をゆるめることなく推し進めていくこと。次に、日本政府がGM作物の実用化を目指したり、オーストラリアのビクトリア州、サウスウェールズ州でGM作物栽培の一時停止措置が解除されたことで、今、まさにNON-GMO活動の正念場で、運動を社会的に拡大する必要があること、さらにはNON-GMOの畜産飼料の輸入が極めて困難な状況のなかで、生活クラブのNON-GMO飼料に対する意志決定が今後の日本の食品業界に大きな影響を与えるとの認識から、「生活クラブはNON-GMOをやめない」と明言することが極めて重要であるとしました。そして、飼料高騰の影響で廃業が相次ぐ畜産農家を守るために、今後も生産者が安定的に生産を維持できる価格を保証する「生産原価保証方式」を維持していく、との方針を述べました。
  また、2007年の生協法改正によって生協が共済事業を兼業することに規制が行われることについて反対の姿勢を明確にしつつ、生活クラブ独自の共済事業「(仮称)生活クラブ共済事業連合会」を設立する方針を掲げました。
  これらの報告を受け、代議員からは活発な質疑や意見が寄せられました。エコフィードに関する具体的な活動に関する質問には、「国内自給を高める一環として食品残渣の利用を検討している。具体的には豆腐かすや味噌かすの利用ができないかどうか、実態調査を進めている」(福岡専務)、生活クラブ共済事業連合会の立ち上げのメリットを聞きたいという意見には、「自分たちで活動方針やお金の使い方を決定でき、さらには、将来的には会員単協の福祉事業との連携やワーカーズ共済の開発など、生活クラブらしい共済事業の可能性もある」(福岡専務)など、真剣な議論が行われました。
また、議案については下表の通りすべて、承認・可決されました。

第19回通常総会議案と審議結果

案件 採決 採決結果
第1号議案:2007年度連合活動報告の承認について 承認 反対0、賛成258
第2号議案:2007年度連合会決算報告及び剰余金処分の承認について 承認 反対0、賛成259
第3号議案:2008年度連合会活動方針の決定について 可決 反対0、賛成272
第4号議案:2008年度連合会予算、役員報酬限度額、借入金最高限度額の決定について 可決 反対0、賛成273
第5号議案:日生協コープ共済生活協同組合連合会(仮称)への加入、および加入に伴う出資金拠出について 可決 反対0、賛成273
第6号議案:役員の選出について 全員を選出 満場一致
第7号議案:議案決議効力発生の件 可決 満場一致

■祝辞

総会にあたって多くの方々から祝辞をいただきました。その中から、カナダのイアン・マクファーソンさん(ブリティッシュ・コロンビア協同組合研究所所長)、韓国のイジェウクさん(生活協同組合全国連合会事務総長)の祝辞をご紹介します。

イアン・マクファーソンさんからの祝辞 ◆

  生活クラブ連合会第19回年次総会開催、おめでとうございます。
  生活クラブは世界でも最も興味深くかつ先進的な協同組合であり、注目すべき日本の生活協同組合運動にあって重要な協同組合です。生活クラブは、過去の数々の受賞に裏打ちされたように、常にすばらしい独自性と自立性を示し、組合員に最高品質の食を提供できるように尽力してきました。世界の他の国々で流行となる遙か以前に、生活クラブは確固たる決意を持って最良の食を調達し、環境を保護し、生産し働く人々を公正に扱ってきました。これらの行為は、日本の伝統的なライフスタイルと食文化を維持し健康的な生活に深い関心を寄せることから生まれ、当然のことながら世界中で認知され、生活クラブを、人々がよりよい生活を営むオルタナティブな道を模索している国際的リーダーたらしめたのです。
  私は、ブリティッシュ・コロンビア協同組合研究所長として、過去数年にわたり、みなさまの経験から学び、みなさまとの交流によってその主張を理解する機会を与えられたことをひじょうにうれしく思います。特に、先頃みなさまを訪問し、いわゆる世界秩序において協同組合が果たしている、またこれから果たしていけるであろう役割について意見交換する機会を持てたことを感謝いたします。さらにいつものことながら、生活クラブのみなさま、特にリーダーの方々が、国際社会の趨勢が、いかに食糧生産、地域コミュニティそして環境悪化に影響を与えているか、率先して考えていることに感銘を受けました。
  また、生活クラブが、物質的な側面と知的な側面の双方から社会に支援の手を差し伸べている姿勢に現れているように、責任ある行動を提唱するだけでなく実行していらっしゃることに深く敬意を表します。生活クラブが、環境に配慮し人々を搾取しない方法で生産された最良の食糧を前向きに追求している決意はよく知られています。生活クラブは、最高水準である協同組合やその他(先日訪問させていただいた醤油生産者のような)責任ある生産者や団体からの供給を求めてやみません。さらに、コミュニティへ支援の手を差し伸べていることでいえば、コミュニティがさまざまな方法をもって多様な課題に取り組めるよう、働く人たちが運営する団体をつくりだし、高齢者介護施設や子どもの保育施設など、人々が福祉サービスを運営することを支援するなどを実践しています。先日訪問した際にこれらの活動の実践を見学できたことは、私の大きな喜びです。
  生活クラブは、国際協同組合連盟の協同組合第7原則である、協同組合が持続可能なコミュニティへどのように貢献できるかを具現している好例です。
  また、先日の訪問した折りには、韓国の協同組合運動の同志と交流する栄誉にも恵まれました。これは、生活クラブが「手を携えている」もう一つの好例と言えましょう。こうして他国で同じような価値や関心を抱いている団体を支援しておられます。更にそれにとどまらず、協同組合が歴史的な違いを乗り越え、嵐が吹きすさぶことの多いこの世界において、より偉大な平和の手段となりうることを実証しているのです。事実、平和を実現する最良の方法は、減少し続け残り少なくなる自然資源を奪い合うことや、他者への支配を拡大しようとすることではなく、互恵関係のもとに力を合わせる価値を示していく「人から人への」関係によるものでありましょう。
何にもまして、私は生活クラブがその事業をどのように組織していくかを、大きな課題として表明していることに敬意を表したいのです。生活クラブとその組合員組織がコミュニティの人々にたいして、リーダーシップのレベルのみならず、人々が自分たちの暮らしをどのように営むのか、またどのように他者への配慮に価値を置くのか考えるよう促していることにも、賞賛の念を禁じ得ません。これは私たちみんなが学ぶことのできるモデルです。
みなさまが実りある議論をされることを願い、そしてどのような討議がなされたのか聞かせていただくのを楽しみにしております。
イアン・マクファーソン(ブリティッシュ・コロンビア協同組合研究所 所長)

◆イジェウクさんからの祝辞◆

イジェウクさん

韓国の生活協同組合全国連合会 事務総長、イジェウクです。
生活クラブ連合会 第19回総会を、心よりお祝い申し上げま す。参加された皆さん、おめでとうございます。
  今年、私たち(生活クラブ連合会と生協全国連合会)両団体は、交流を始めることにしました。これから私たち二団体は、姉妹のように助けあい協力し、両国の生協運動の発展に大きく寄与できることと信じます。さらに、両連合会の交流だけでなく、会員生協間の活発な交流を通して、相互理解をいっそう深めていくつもりです。
今、韓国政府は、米国と、米国産牛肉の全面輸入協定を結ぼうとしています。そうなれば、BSEの危険性が非常に大きい米国産牛肉が輸入されることになります。おおぜいの市民が自発的にろうそく集会を開いて、米国産牛肉輸入反対運動を行っています。
  この運動は中高生から始まりました。6月10日には、ソウル市庁前に70万人の市民が集まり、輸入協定のやり直しを要求しました。生協組合員も毎日参加しています。
  私たち生協組合員は、食品と生活の安全、健康を維持するために、先に立って戦っています。私たちが米国産牛肉の危険に晒されることがないよう、声援してください。
  今年から私たち両団体は、一年に1回ずつ両国を交代で訪問しながら交流することにしました。今年は私ども生協全国連合会が貴連合会を訪問いたします。その時またお会いしましょう。
  最後に、総会のご成功を心よりお祈りいたします。