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非遺伝子組み換え(NON-GM)飼料の継続栽培を訴える!!

非遺伝子組み換え(NON-GM)飼料の継続栽培を訴える!!

 米国のバイオエタノールブーム等で高騰した穀物価格。その影響もあって米国では遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ、大豆の作付けが増えています。日本の畜産飼料は米国に大きく依存しているため、多くが遺伝子組み換え飼料を餌に使っているのが実情です。生活クラブは、畜産飼料まで非遺伝子組み換え(NON-GM)を実現していますが、その安定供給は大きな課題になってきています。そこで、生活クラブ連合会は、提携生産者らとともに9月15日から20日にかけて米国の飼料穀物事情を調査しました。(2008年11月11日掲載) 

NON-GMOの安定供給のために種子メーカーと提携

全農グレイン(株)の穀物貯蔵エレベーター

米国における飼料穀物の調査はほぼ毎年、実施されていますが、今年はGMOの作付け比率の急増という、これまでにない状況下での視察になりました。このため、行程の後半は、トウモロコシ生産者や種子メーカーとの意見交換、NON-GMOの圃場視察に多くの時間が割かれました。
  行程の前半は、穀物の輸出基地になっているニューオリンズにある穀物集荷・販売会社の全農グレイン(株)、飼料・肥料の輸出総代理店の米国全農組貿(株)などを訪問しました。両社は、生活クラブのNON-GMトウモロコシなどを長年取り扱い、後述する穀物集荷・販売会社の「CGB」とともに「米国全農グループ」を構成しています。
  全農グレイン(株)、米国全農組貿(株)では、2008年産の作柄やバイオエタノールブームの現況、また、NON-GMOへの取組みについて具体的な説明がありました。米国内で実際にNON-GMOの集荷を担っているのはCGBで、同社は種子メーカーと提携するとともに貯蔵エレベーターを2ヵ所買収して集荷エリアを拡大、生産のキャパシティーを増やす取組みを始めています。
  遺伝子組み換えか否かを問わず、農家は種子をメーカーから買い入れているため、仮にNON-GMOの種子が途絶えると、その栽培は事実上不可能になります。種子メーカーとの提携は、安定供給に不可欠なことは言うまでもありません。CGBの説明によると、パートナー関係にある種子メーカーは現在3社。農家がCGBから支給されたクーポンを3社に持ち込むと、NON-GMOの種子を入手でき、収穫後にCGBが買い取るという仕組みをつくっています。この他、CGB社は、種子会社の調査費用や在庫保管費用の助成、NON-GMOの作付け面積が多い地域からの集荷などを通して、安定供給のための基盤づくりを進めています。

トウモロコシの選別作業

ただ、CGBとの協議では、今後について次のような懸念が指摘されました。
  「米国でのトウモロコシ全体のGM比率は80%ですが、2009年以降の見通しは厳しい。NON-GMOを安定的に確保できるかについては当社の集荷エリアの動向がカギになります。が、現在の価格プレミアムではインセンティブが働きません。このままでは集荷エリアでのGM作付け率が増えるのではないかという懸念があります」。また、日本におけるNON-GMOの需要が減少していることも課題の一つとして上げられました。
  これに対して調査団は、11月下旬に来日する韓国の生協にもNON-GMO運動への理解を求めるための情報交換をする予定でいること。さらに、生活クラブなどが大手ビールメーカーに出した公開質問状に対して、各メーカーとも「今後もコーンスターチはNON-GMO」との意向を示していることなどを説明し、「生活クラブはこれからも運動を通してNON-GMOの拡大を進めていく」と表明しました。

米国ではGMO化がさらに進むとの予測

生産者3組4人(左)とCGB担当者

生産者3組4人との意見交換では、何を作付けするかの基準は収益性にあり、NON-GMOを作付けするか否かは「プレミアム価格次第」であること。また、農家をGMOの作付けに向かわせている背景の一つとして、「NON-GMOよりGMOは単収が多いから」という説明がありました。
  調査団は、GMOに反対する理由として、遺伝子を組み換えた食品を食べることへの不安や環境への悪影響、さらには、種子が企業に一元化されることで生産者や消費者には選択の余地がなくなることなどをあげ、NON-GMOの作付けを継続するように要請しました。また、生産者の圃場でも、「生活クラブは家畜の飼料もNON-GMO。これからも作り続けて欲しい」と訴えました。

ホステラー社長

調査の終盤に訪れた種子メーカー、プレイリー・ハイブリッドカンパニーは、100%NON-GMOを目標に掲げているところ。その理由をホステラー社長は、「遺伝子組み換え作物は害があり、健康的ではないからです。飼料としてもNON-GMOの方が安全です」と実に明快でした。
  今回の調査で明らかになったことは、今後、米国ではGMO化がさらに進むと予測されていることです。一方、日本国内では、これまでNON-GMO運動に取組んできた生協関係のなかで、畜産物の価格への影響から、飼料をGMOに切り換えるところがあるなど需要が減少しています。
  調査団に参加した生活クラブ連合会開発部の田辺樹実部長は、これらの点を踏まえて今後の取組みの方向性についてこう語ります。
  「この間、NON-GMOの存続が危ないとの認識が風評として出ていましたが、今回の視察でも、すぐに破綻するということではないことが確認できました。ただ、生産者のGMO志向には変化が見られないので、米国産地への継続した働きかけや生産者の組織化に向けた準備、定期的な情報交換が必要になってきます。また、日本における遺伝子組み換え作物・食品の表示制度の欠陥を正す運動をはじめ、生活クラブ内でのNON-GMO取組みの継続と外部との連携や共同事業の継続など、可能な対応を積極的に進めていく必要があります」