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国内農地の10%に広げていきたい!!

国内農地の10%に広げていきたい!!

 3月14日、宮崎県綾町で「第4回GMOフリーゾーン全国交流集会in綾町」(主催:遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン)が開かれ、全国でGMOフリーゾーン運動を進めている生産者、生協、消費者団体などから約500人が参加しました。生活クラブからもGM食品問題協議会のメンバーらが参加し、GMOフリーゾーン拡大への大きな力となりました。(2009年4月10日掲載)

「『ノーGMO』を町議会全会一致で採択する」と綾町町長

綾町町長の前田譲さん

「GMOフリーゾーン」とは、遺伝子組み換え作物(GMO)が存在しない地域のことを指します。生産者自らの意志でその栽培だけではなく、流通や取り扱いも拒否します。1999年にイタリアで提唱され、日本では2005年に滋賀県高島市の生産者グループが「GMOフリーゾーン宣言」を行って以来、その動きは全国に広がってきました。
  生活クラブの提携生産者では、山形県遊佐町全域で3,080haを宣言したJA庄内みどり遊佐地区農政対策推進協議会をはじめ北海道、栃木県、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県などの多くの生産者が宣言しています。  
  今回の集会が宮崎県の綾町で開かれるきっかけは、昨年の第3回全国交流集会が開かれた北海道の鵜川を訪れたグリーンコープ生協の組合員たちが、「九州にもGMOフリーゾーンを広げていこう」と決意したことでした。
  第4回全国交流集会は、実行委員会委員長で地元有機農業生産者の小田道夫さんの開会挨拶の後、全国初の「自然生態系農業の推進に関する条例」を制定した町として知られる綾町の前田譲町長が「条例改正に向けてノーGMOを町議会全会一致で採択する」と力強く挨拶しました。その後、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表の天笠啓祐さんの基調講演がありました。

安全性問題、交雑問題等で新たな報告が

天笠啓祐さん

天笠さんはまず、GM(遺伝子組み換え)作物・食品をめぐる最近の動きについて報告しました。安全性の問題では、イタリアとオーストラリアで行われた米国・モンサント社のGMトウモロコシの二つの動物実験で異常が認められたといいます。一つは、昨年11月にイタリア食品研究所のエレーナ・メンゲリらが行ったもので、マウスに餌として与えたところ、NONーGMO(非遺伝子組み換え作物)を与えた対象群に比べて幼いマウスと高齢のマウスで免疫系に異常が起きたというものです。その結果についてメンゲリらは「同じ年齢の人間への影響が懸念される」と指摘しています。もう一つは、オーストリア保健省が昨年11月に発表したもので、政府の後援を得て、ウィーン大学のユルゲン・ツェンテク教授らが行ったマウスでの動物実験です。実験は餌として長期摂取した場合の影響を調べたもので、繁殖を繰り返した3~4世代後の子孫で、対象群に比べて数の減少が見られたばかりではなく、生まれた子どもも体重が軽くひ弱だったというものです。
  「このように、段々とGMOの安全性への懸念が顕在化しています。また、ヨーロッパでは、GMトウモロコシの栽培で使われているモンサント社の除草剤、ラウンドアップの安全性も大きな問題になりつつあります。この除草剤には4つの製法がありますが、つくり方によっては毒性が高まることが分かったからです。さらに、GM作物の大きな問題点の一つである交雑についても新たな事実が明らかにされています。北海道における3年間の交雑実験の結果、非組み換えとの交雑は600mの距離でも起こることが分かりました。農水省の指針はわずかに30mです。この実験では、交雑を防ぐための花粉飛散防止ネットも役に立たないことが判明しています」(天笠さん)
  天笠さんが、GMOの問題点としてもう一つ指摘したのは、モンサント社に世界中の種子が支配されていく現状です。韓国ではすでに6つの大手種子企業すべてが買収され、日本の種子企業にも手を伸ばしているといいます。また、オバマ政権のビルサック農務長官は、「モンサントの友人」と言われるほどのGMO推進派で、政権が替わってもGMOに規制をかけることは考えられないと指摘し、こう締めくくりました。
  「GMOをこれ以上拡大させないためにもっとも効果があるのはGMOフリーゾーンです。目標であった国内農地約500万haの1%は昨年、達成しました。09年2月末で約5万4千haに達しています。次は10%に広げていきたい。フリーゾーンで大切なのは各地域の農業・食文化を守っていくことです。そのためには個人、グループ、地域を含め、地方自治体などできるだけ小さな単位でのフリーゾーン宣言の積み重ねが重要になります」

第5回大会の開催地にJA庄内みどりが立候補

船橋奈穂美さん

 基調講演の後は、全国から参加した消費者のリレーメッセージがありました。グリーンコープ南九州地方(かごしま・みやざき)、生活クラブ連合会、大地を守る会、生活協同組合コープ自然派徳島、生協連合会きらり、グリーンコープ共同体の代表がそれぞれ、フリーゾーン取組みへの思いを述べました。
  グリーンコープ南九州地方は昨年12月、鹿児島市議会に遺伝子組み換えナタネ自生・交雑の防止に関する陳情書を提出、「これが付託委員会で審議されることが決定しました。これに続いて志布志市議会に同じ陳情書を提出します」(川原ひろみかごしま理事長、杉尾紀美子みやざき理事長)。また、グリーンコープ共同体の久米田薫さん(くまもと理事長)は、1万8835人に「GMOフリーゾーン宣言」のシールを送ったことを報告するとともに、参加者に「YES WE CАN!」と訴えかけました。 また、生活クラブ連合会からは、生活クラブ北海道の船橋奈穂美理事長が、「3年前、北海道でGM作物の栽培を規制する条例をつくりましたが、3年を経て新たな事実が分かってきました。北海道で3年かけて行われた交雑実験の結果、交雑は防げないということです。推進派はこの問題を避けていますが、今後もGMいらないと力強く宣言していきたい。皆さん、頑張って行きましょう」と発言しました。
  その後、綾町有機農業開発センター所長の松田典久さんから、綾町の自然生態系農業の歴史と取組みについての紹介、地元の皆さんによる出し物「よさこいソーラン節」があり、これに続いて日本消費者連盟の纐纈(こうけつ)美千代さんが、フリーゾーン運動の現状報告をしました。今年の特徴は九州で大きく広がったこと。また、長野でも生活クラブの生産者の協力でフリーゾーンが誕生しました。

交流会では、生活クラブ栃木の丸山理事長(左)と静岡の赤堀理事長が栃木で制作したフリーゾーン・ミニ看板を紹介しました。

続いて、フリーゾーン宣言生産者のリレー報告がありました。JA綾町、同町の綾菜会、北海道のJA鵜川、タイヘイ(株)、フリーゾーン第一号の滋賀県の針江げんき米、JA庄内みどり、九州の水の子会です。
  このなかで、NON―GMの大豆で醤油をつくっている生活クラブの提携生産者タイヘイ(株)の伊橋弘二さんは、「大豆を生産する立場、加工する立場、消費する立場の3つが軸にならないとフリーゾーンは広がりません。山梨県では、学校給食で非組み換えの醤油を使うようにと運動していて確実に広がっています。皆さん、一緒に頑張りましょう」と報告しました。また、JA庄内みどりの阿部浩企画部長(遊佐共同開発米部会)は、山形県遊佐町では町全体がフリーゾーン宣言をしていることを報告するとともに、「アカデミー賞を受賞した『おくりびと』は遊佐町が撮影の舞台になりました。皆さんにも美しい遊佐町をみていただきたいと思い、第5回のGMOフリーゾーン全国交流集会の開催地に立候補させていただきます」と宣言、会場から大きな拍手が巻き起こりました。
  最後に米国、インド、オーストラリア、スウェーデン、ドイツから綾町に向けられた連帯と応援のメッセージがビデオで紹介され、大会宣言を採択して集会は締めくくられました。