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「食品表示制度の抜本制度改正を求める」国会請願署名を提出!!

「食品表示制度の抜本改正を求める」国会請願署名を提出!!

 生活クラブが他団体とともに昨年7月から進めてきた1.加工食品の原料のトレーサビリティと原料原産地の表示を義務化すること。1.全ての遺伝子組み換え食品・飼料の表示を義務化すること。1.クローン家畜由来食品の表示を義務化すること―を請願項目とする「食料の自給力向上と、食の安全・安心の回復に向けて、食品表示制度の抜本改正を求める」署名活動は、今年3月26日現在で325,125筆(生活クラブ分は236,197筆)に上りました。この国会請願署名提出と食品表示問題を考える学習会が3月26日、参議院議員会館で開かれました(主催:遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン)。キャンペーンはこの学習会の前に、食品表示の抜本改正を民主党副幹事長と福島みずほ消費者担当大臣に面談して申し入れを行い、生活クラブからも参加しました。また29日には、消費者庁主催の「原料原産地表示に関する意見交換会」で生活クラブの見解を発表しました。(2010年4月21日掲載) 

食料輸入を拡大するために歪められてきた

現行の食品表示制度の問題点を指摘する天笠啓祐さん

 加工食品原料の産地偽装事件や中国産冷凍ギョーザの毒物混入事件などを受けて、多くの消費者は食の安全と安心のために国産食品を望み、すべての加工食品への原料原産地表示の義務化を求めています。また、安全性への疑問が指摘されている遺伝子組み換え(GM)食品や、クローン家畜由来食品への全面的な表示義務化も求めています。
  学習会で遺伝子組み換え食品いらないキャンぺーン代表の天笠啓祐さんは、食品表示は本来、安全な食品を求めることができ、それを知って選ぶことができる制度でなければならないとしてうえで、現行の表示は「食料輸入を拡大するために歪められてきた」と指摘し、こう説明しました。
  「たとえばマグロ。単品の刺身なら生鮮食品として原産地表示が義務化されていますが、刺身の盛り合わせだと加工食品になり原産地表示の必要がない。これはおかしい。また、遺伝子組み換え食品も食用油や醤油など大半の食品が表示の対象外のため、日本人は世界でもっとも組み換え食品を食べているにもかかわらず、その実感がないのです。またクローン家畜については、クローン牛の過半数が異常を持っていると言っていい。これを食品にするのはおかしな話です。受精卵クローン牛については任意表示で流通しています。体細胞クローンについては農水省が流通を自粛していますが、アメリカの体細胞クローン牛の子孫が輸入される可能性がある。しかし、表示義務がないために私たちは選択することができないのです」

今後、衆参両院の当該委員会で審査が

紹介議員の大河原雅子さん(右)に署名簿を提出する参加者

 天笠さんはさらに、GM食品について昨年5月19日、米国環境医学会が流通の一時停止を求める見解を発表したことを紹介しました。その見解は以下の通りです。
  〈米国環境医学会は本日、GM食品に関するポジション・ペーパーを発表した。それは「GM食品が深刻な健康被害をもたらす」ため、そのモラトリアム(一時停止)を求めたものである。いくつかの動物実験が「GM食品と健康被害との間に、偶然を超えた関連性を示しており」「GM食品は、毒性学的、アレルギーや免疫機能、妊娠や出産に関する健康、代謝、生理学的、そして遺伝学的な健康分野で、深刻な健康への脅威の原因となる」と結論づけることができる〉
  その上で米国環境医学会は、GM食品の一時停止と即時の長期安全試験の実施と全面表示の実行などを求めています。
「いくつかの動物実験」とは何か。その一部を紹介します。

  • 1998年にロシア医科学アカデミー栄養学研究所が行った実験では、GMポテトをラットに与えたところ、臓器の組織に損傷が生じていることが分かった。この結果は8年間隠されてきたが、ロシアのグリーンピースと消費者団体による長い法廷闘争によって2007年にようやく公開された。
  • 2003年にカナダのグエフル大学の研究者が行った動物実験で、組み換えトウモロコシを摂取した鶏が42日間の飼育で死亡率が2倍になり、成長もバラバラになるという結果になった。 この他、米国ではGMトウモロコシを餌に用いた豚の繁殖率が激減することや、ドイツではGMトウモロコシを飼料にした牛の死亡例などが報告されています。また、GM綿を運ぶ労働者の皮膚が黒く変色したりするなど、ヒトへの悪影響も報告されています。

  これらを踏まえて天笠さんは、日本のGM食品の表示を、家畜飼料も含めて「EU並みに全面表示とすべき」として、こう訴えました。
  「日本の食品表示制度は消費者の知り、選ぶ権利を奪われてきた歴史ともいえます。私たちの請願項目を求めることは、奪われた消費者の知り、選ぶ権利と、同じように奪われてきた食の安全と安心を取り戻すことであり、結果として自給力向上にもつながっていきます」
  署名提出にあたり、紹介議員の大河原雅子さんは「GM食品の表示は事業者にとって都合のいい表示でした。消費者庁が発足してより民主的な省庁横断的な表示部会ができ、変わりつつあります。また、食品安全委員会は消費者目線と離れていますが、これも新たな仕組みづくりを一歩ずつ進めています。32万筆の思いを実現できるように取り組んでいきます」とメッセージを発しました。
  今後、署名は衆参両院で議長から当該委員会に付託され、審査されます。委員会で採択された場合は、本会議に提出されます。生活クラブでは「採択に向けて農水省、厚労省や関連議員へのロビイング活動を進めていきたい」としています。

JA全農と全中は生活クラブとほぼ同様の主張

 署名提出に先立つ3月1日には、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンや日本消費者連盟、大地を守る会とともに、民主党へ食品表示制度の抜本改正を求める正式な申し入れを行いました。また、3月29日には、消費者庁が主催した「原料原産地表示に関する意見交換会」で、生活クラブ連合会を代表して吉田文枝さん(連合会理事、埼玉理事長)が、以下の意見を発表しました。
  〈食の安全・安心と食料自給力の向上の両立のために、食品表示制度の抜本改正が不可欠です。消費者が「知る権利」に基づき、選択的な購買行動を通じて自給力向上につながる国産の作物・食品を食べ支え続けていくことができる仕組みがあれば、消費者が日々の消費行動を通じて自給力向上の取組みに主体的・自覚的に参加できるようになり、自給力向上を支える何よりの力になります。その実現に向けて、消費者が食品の産地や作り方(安全)を理解・納得(安心)して選択購入できるように、政権与党がマニフェストでかかげた通り、加工食品原料のトレーサビリティと原料原産地表示の義務化の早期実現を求めます。対象食品は単品ごとに拡大するのではなく加工食品全体とし、主原料構成比基準もより厳しく見直すべきです。
  「食品の表示に関する共同会議」の報告書(09年8月)では、原産国の「大くくり」表示案が提示されましたが、始めに「大くくり」ありきではなく、まずは原産国列記表示を原則とすべきです。その上で、頻繁な産地変更が想定される原材料がある場合や表示スペースに物理的制約がある場合、中小事業者への救済などの例外措置として「大くくり」を原料別に認めるルールの設定が必要です。
  ちなみに、私たち生活クラブ連合会では、「JAS法を上回る内容の東京都消費生活条例にもとづく告知のレベルを基本としつつ、すべての加工食品に対象を広げてこれを適用し、包材に表示されるすべての第一次産品原材料の原料原産地を表示する」旨の自主指針を決定し、実行しています。併せて、GM食品の表示義務拡大を求めます。加工食品原料のトレーサビリティと原料原産地表示の義務化が実現できれば、その物理的条件は整うはずです。対象品目を単品ごとに拡大するのではなく、全ての食品・飼料に拡大し、EU並みの厳しい表示制度を実現すべきです〉
  なお、意見交換会では日本生協連も意見を発表しましたが、加工食品の原料原産地表示拡大について日本油脂協会などとともに前向きでなく、一方、JA全農と全中は連名で意見を提出、生活クラブとほぼ同様の主張をしていました。