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「重茂漁協」復興へ! 「わかめ」と「焼うに」の取組みで支援!

三陸沿岸の養殖わかめは、先の大震災で壊滅的な打撃を被りました。国内のわかめ生産量の8割を占めていた三陸わかめが失われたため、原料価格は2倍以上に高騰しています。そのなかで、被災を免れた冷凍庫に保管されていた大切なわかめを、「生活クラブに食べてほしい」との重茂漁業協同組合(以下・重茂漁協)の申し出を受け、生活クラブは支援企画に取組むことになりました。また、重茂漁協では夏から秋にかけては、さば、秋鮭など定置網漁の再開が準備されています。復興に向けた保管場所の確保も課題になっており、わかめと焼きうにを取組むことは、残された施設の有効利用にもつながります。(2011年6月21日掲載)

漁船、養殖施設ともに壊滅的打撃

  岩手県宮古市南部の太平洋岸、本州最東端に位置する重茂半島は、今回の大震災・大津波で壊滅的な被害を受けました。家屋は約500戸のうち88戸が流出、生産基盤である漁港が損壊したばかりではなく、わかめの刈り取りなどに使うサッパ船(小型漁船)がほとんど流されてしまいました。また、岩手県山田町や釜石市のドッグでメンテナンス中だった定置網漁用の大型漁船も半数を失ってしまいました。幸い、定置網漁が休漁期だったために網は被災を免れましたが、その一方、収穫の最盛期をむかえていたわかめの養殖施設は津波で壊滅的な打撃を被りました。
 また、わかめも原藻等を保管していた冷凍施設も津波にのみ込まれてしまいました。ただ、海岸から数km離れた高台にある冷蔵施設などは被災を免れることができ、ここに保管されていた「わかめ」と「焼うに」について支援企画として取組むことになりました。焼きうには27週から、50円の支援金付き復興支援わかめは29週からの取組みです。
 わかめについては国産品が不足しているため価格が高騰、このため重茂漁協にも大手スーパーのバイヤーが買い付けに来ているといいます。しかし、重茂漁協は「生活クラブ向け」としてこれを断っています。また、袋詰め作業には生活クラブ岩手の組合員が参加、互いに支え合う関係は日増しに深まってきています。

「みんなが助け合わないと」

 ところで、漁業が地域経済の根幹をなしている三陸沿岸では、国が具体的な支援策を示さないなかで再建の青写真すら描けない状況に置かれ、多くの人が漁業をあきらめようとしています。しかし、重茂漁協は「漁業からの離脱者を出さないために、1日も早く漁を再開する」として、様々な対策を講じてきました。その第一歩が漁協資金で中古船などを購入すること。さらにそれらを漁協組合員が交代で利用し、収益を公平に分けることを決めたことでした。被災した三陸一帯では、漁港や生産施設が復旧するまで出稼ぎに出るという話が当たり前といわれるなかで、「みんなが助け合わないとこの苦難は乗り切れない」とする、協同の力を具体的に示しました。
 被災から約1ヵ月後の4月9日には緊急組合員全員協議会を開き、伊藤組合長がこうした漁船や養殖施設の共同利用案を説明、集まった約400人の組合員は拍手で賛同しました。共同利用案は、被害を免れたわかめの養殖などに使う小型漁船の共同利用や、修理可能な漁船と新たに購入する漁船を組合所有とし、最終的に組合員全員に漁船が行き渡るようにする。組合員には一切、借金をさせない―などです。ちなみに6月10日現在、中古船や修復して確保した小型の漁船は約150隻。新造船については「いつくるのか先が見えない状況」(重茂漁協の北田敦夫さん)だといいますが、5月21日には天然わかめ漁が始まりました。

「進水式は一緒に」

9時間を要した漁船の移送作業 復興を確かなものにするためには、陸に打ち上げられた定置網漁などに用いる大型漁船の救出も急がれました。そのために重茂漁協は日本に8台しかない500トンのクレーン車をいち早く確保。4月18日から5日間の日程で移動作業を行いました。そのうちの1艘が「根滝丸」です。漁協が所有するなかで一番大きく、「重茂味まつり」ではたくさんの人を乗せて重茂半島を案内する重茂の象徴的存在です。この移送作業は流された先からドッグに運び込まれるまででしたが、要した時間は9時間。その様子を定置網漁の乗組員や漁協職員とともに見守った生活クラブ岩手理事長の熊谷由紀子さんに、ある漁協職員はこう声をかけました。「進水式のときには一緒に乗りましょう、おいしい魚を届けますからね」

【復興支援】わかめ(50円の支援金付き)
     700円(税込735円)300g
 通常の取組み企画は1等級のみですが、今回の取組みは漁協の冷凍庫に保管されていた原藻を最大限に利用するために1等・2等級混みとなります。また原藻は10年産と震災直前までに収穫された11年産。


焼うに
     1,620円(税込1,701円)80g
 あわびの貝殻にキタムラサクウニの身7~8個分を盛り上げ、蒸し焼きにしました。被災を免れた冷凍庫に保管されていた焼うには約2万3500個。これらに取組むことは、漁再開後に水揚げされる魚介類の保管場所を確保することになり、復興ステップを次に進めることにつながります。