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「第7回GMОフリーゾーン全国交流集会inやまぐち」開催

〈未来へつなげよう!遺伝子組み換えのない「環境・農業・食べもの」〉をテーマに掲げた第7回のGMOフリーゾーン全国交流集会が3月3日、山口県で開かれました。全国から消費者、生産者ら約450人が参加。「世界の市民の取り組みと連携して、GMOフリーゾーンを拡大し、世界中からGM作物・食品がなくなる日まで、この運動を続けることを宣言します」との大会宣言を全員で採択しました。(2012年3月19日掲載)

GM作物の作付け増えるも、世界に広がるGMOフリーゾーン

消費者や生産者のアピールに熱心に聞き入る参加者今回の実行委員長は、生活クラブと鶏肉などで提携する(株)秋川牧園社長の秋川正さんが務めました。開会の挨拶で秋川さんは原発事故に触れつつ、原発と遺伝子組み換えについて、「地球温暖化もあるし、食料危機がやってくるからどちらも必要なのではないか」という共通の受け止め方があったと指摘し、こう訴えました。
「しかし、よく話を聞いてみると、遺伝子組み換え技術は危うい技術であり、自然とは共生できない技術であり、勝手に拡散する遺伝子は原発と同じように制御不可能なものだいうことが分かります。そのことを、今回の原発事故を契機にして私たちは再認識しなければなりません」
 基調講演は、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表の天笠啓祐さんが、「遺伝子組み換えは何をもたらし、どこに向おうとしているのか」と題して行いました。
 世界における遺伝子組み換え(以下、GM)作物の作付け面積は2010年には1億6000万haに拡大、世界の農地の10分の1に及んでいます。米国とブラジル、アルゼンチンの3大生産国で全面積の76%を占めていますが、近年はアジア、なかでも中国がGM大国化の道を歩んでいるといいます。
 作付けが広がっているGM作物ですが、天笠さんによればその一方、世界中で、遺伝子組み換え作物は作付けしないと宣言するGMOフリーゾーンの動きが広まっています。ヨーロッパではドイツ、フランス、ブルガリアなど7カ国がGM作物の栽培を禁止した他、ギリシャやポーランド、ハンガリーなどの全地方政府がフリーゾーンを宣言、スロベニアやロシア、ラトビアも事実上のフリー国家だといいます。また、「アメリカ大陸でも米国のバーモント州、カリフォルニア州でGM作物フリー自治体が拡大しているし、カナダでもフリーゾーン宣言した自治体がある。さらに、南米のペルーやエクアドルはGMOフリー国家宣言をしました」(天笠さん)というように、GMOは世界中の市民から批判を受けているのです。
日本でもGMOフリーゾーンは拡大し、集会では、「増えたのは宮城県と山口県。宮城県ではJA加美よつばが全会一致で決めたことが大幅増の理由。山口県は、秋川牧園などの働きかけで登録者が一気に増えた」との報告がありました。その総面積は今年2月17日現在、78,366haにまで広がっています。

GMパパイアが国内で輸入解禁 違法なGM食品添加物も流通

ところで、日本国内でこれまでに流通していたGM作物は大豆、トウモロコシ、綿、ナタネの4種類でしたが、昨年末、ハワイ産GMパパイアの輸入が解禁されました。現在、会員制のスーパー・コストコでのみ(2012年3月末現在)販売しているとのことですが、天笠さんは「耐ウイルス病の性質があるがアレルギーを引き起こす危険があり、それが日本で承認されるまでに12年間も要した最大の理由」と警鐘を鳴らすとともに、「“遺伝子組み換えパパイア”の表示を店頭で見つけたら、『置かないよう』に要求して欲しい」と参加者に呼びかけました。
 GMパパイアの輸入が解禁された同じ頃、日本では安全性審査を経ていない違法なGM食品添加物が流通していたことが相次いで明らかになりました。具体的には<1.かつお節としいたけの風味を生み出す食品添加物>と<2.着色料や栄養強化と、製パン改良を目的にした食品添加物>ですが、厚生労働省が回収したのは製パン改良剤のみ。1、については安全性審査の手続きを開始して承認を急ぐという「国が違法を認める対応をした」(天笠さん)といいます。
 基調講演で天笠さんはこの他、GM作物が生物多様性を破壊していることや農家が経済的損失を被っている実例、さらには食品としての安全性が脅かされている調査例などを紹介するとともに、野田政権が前のめりになっているTPPの影響についてこう指摘しました。
「自由貿易は農業を破壊し食の安全性を脅かしてきました。TPPは商品の流通をスムースにするためのもの。食品の安全性評価や環境影響評価、厳しい食品表示の撤廃や緩和の圧力が強まるため、GM作物の輸入が拡大する恐れがあります」

「豊かな社会は組み換え食品の先にはない!」

 全国交流集会では毎年、GMOフリーゾーン運動などに取組む消費者、生産者がリレー形式で活動内容を報告することが通例となっています。今年も消費者からはグリーンコープ、生活クラブ、コープ自然派が、生産者では秋川牧園、日本果実工業をはじめとする7生産者がメッセージを発しました。
 生活クラブGM食品問題協議会の委員で、生活クラブ埼玉の中村みゆきさんは、加工食品の生産者を含む提携生産者にフリーゾーンの登録をあらためて呼びかけた結果、生活クラブ関係全体の面積は昨年より1万ha以上に増えて約5万8,000haに達したと報告。また、単協ごとに個性ある活動で面積を増やしていることを紹介し、こうアピールしました。「埼玉では、毎月の情報誌にGMOフリーゾーン宣言用紙を掲載して呼びかけています。ひとりでも多く参加できるように家庭菜園などでもOK。面積を広げていくことが目標ですが、小さくても一人ひとりの意識を広げていくことはもっと大事だと考えています」

 日本果実工業の藤井晋さんは、食料自給率の向上と地域の生産者と消費者との繋ぎ役として、今後も地産・地消加工品の提案を推し進めるとしたうえで、「近い将来、GMOフリーゾーン宣言された登録地でできた農産物を加工した製品の取組みができることを願いたい」と決意を表明しました。

 また、秋川牧園の甲斐利光さんは「口に入るものは間違ってはならない」として、「私たちは遺伝子組み換え作物は作りません。家畜たちにも食べさせたくありません。遺伝子組み換え作物の先に豊かな社会はないと思います」と力強く締めくくりました。