生活クラブ活動情報

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アメリカで「NON-GM種子」の開発継続を確認

 
 

生活クラブでは「遺伝子組み換え作物、食品は基本的に扱わない」との方針のもと、飼料を含めて遺伝子組み換えではない(NON-GM)トウモロコシをJA全農グループと提携してアメリカから輸入しています。2008年からは毎年組合員が訪米し、現地での点検や生産者との交流を続けています。8月27日~9月3日には、組合員ら視察団が大手種子会社のパイオニア社や現地生産者などを訪れ、同社と全農、CGB社(現地集荷物流会社)、生活クラブ連合会間で取り決めたパートナー・プラス・シード・プログラム(種子提携プログラム)の現状や、今年の干ばつによる影響、NON-GMトウモロコシを分別管理する仕組みである「IPハンドリング」の運用状況について確認しました。(2012年12月17日掲載)

NON-GM種子を継続して供給

NON-GM種子の開発についてパイオニア社から説明を受けました 種子提携プログラムは、2010年度から2014年度までの5年間、パイオニア社が需要に基づいた種子開発依頼を受けてNON-GMトウモロコシ種子の開発・供給を行うとする契約です。視察初日に訪問したパイオニア社では、NON-GM種子の供給を重要な事業に位置づけているとの説明を受けました。また、種子の準備には2年かかるため、消費者である生活クラブが事前に必要量を発注することで生産者へ早めの情報提供が可能になり、作付け・種子生産計画の見通しを立てられるなどの効果があらわれているといいます。種子開発の効率化を進めるため、NON-GM種子品種を現在の43種から25種まで絞り込む計画も示されました。視察団がNON-GMを引き続き消費していくことを伝えると、同社は利用がある限り開発・供給を継続する意向を表明し、あらためて2014年度まで契約どおり種子供給を行うことを約束しました。
 視察団メンバーのひとりである連合消費委員の松浦佐智子さんは言います。
 「私たちが食べる豚や牛、鶏のえさになるNON-GMトウモロコシの栽培をアメリカの農家に依頼し、いま確保できています。生活クラブの組合員がこの飼料で育てた肉や畜肉加工品を『食べます』と約束していることがNON-GMトウモロコシを種子から予約する仕組みを支えています。これからも消費材をしっかり利用してNON-GMの運動を進めていくことが必要だと思いました」
 今回の視察では、NON-GMトウモロコシを栽培する3軒の農家と交流し、作付け状況や干ばつの影響などを聞きました。NON-GMの種子用トウモロコシや大豆も生産しているイリノイ州ヘネピン近郊のジョン・キャプリンさんは、「私はGMトウモロコシを作付けする必要はないと考えています。みなさんが欲しいと言ってくれる限り、NON-GMトウモロコシを将来にわたって作っていきます」と述べ、今後はNON-GMトウモロコシの作付けを増やしていく考えを示しました。キャプリンさんの畑を見た連合消費委員の戸田桃子さんは、「干ばつのため実の入っていないトウモロコシがたくさんありましたが、立ち枯れ状態ではなかったのでほっとしました」と感想を語っています。

NON-GMトウモロコシを収穫する機械とミッション参加者(左写真)、生産者のジョン・キャプリンさん

干ばつで減収になる見通し

イリノイ州ヘネピンにあるCGB社の大型保管サイロと、農家から納品されたトウモロコシの検査を視察しました 現地生産者からNON-GMトウモロコシを集荷する全農グループのCGB社の施設も訪問しました。ハリケーンが発生したため、NON-GMトウモロコシを日本へ積み出す全農グレイン(株)の穀物エレベーター(ニューオリンズ州)におけるIPハンドリングの現地点検は行えませんでしたが、イリノイ州のヘネピンとネイプルズにあるCGB社2施設において、NON-GMとGMを分別管理する取組みやトウモロコシの収量・品質・物流の状況を確認しました。視察した集荷施設では、入荷トラックごとに厳重な検査を行ってGM作物と分別しています。松浦さんは「今年はカビ毒のアフラトキシンの発生が心配されていて、NON-GM検査と同時に例年実施しているカビの検査は緊張した面持ちで行われていました」と振り返ります。
 CGB社によると、今年の干ばつは収量の減少のほか、集荷や物流輸送のコスト増などの影響を及ぼしています。トウモロコシの輸送経路である河川の水位が低下し、はしけ(貨物を運ぶ平底の船舶)の積載量制限などによって物流に遅れが生じているそうです。
 連合消費委員の工藤朋子さんは視察を終えて、次のように強調します。
「今後、干ばつ耐性のあるGM種子の需要が高まる可能性もあります。しかし、NON-GMの取組みは、企業の種子支配から食料を自分たちの手に取り戻そうとすることです。私たち消費者が利用し続ける約束をすることで、種子会社のパイオニア社、米国農家、集荷業者の全農グループが3者契約を結び、安定供給を可能にしてくれています。このつながりをさらに強いものにし、GMトウモロコシを広げないためにも、消費する私たちがきちんと学習して利用する仲間を増やしていく必要があります」