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阻止ネット・フォーラム「脱原発へ向かう政治を地域から!」を開催

 
 

4月24日に参議院議員会館講堂で、阻止ネット・フォーラム「脱原発へ向かう政治を地域から!」が開催され、東北から九州まで、全国から120名が参加しました。この集会は、生活クラブ連合会も参加している阻止ネット(「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク)が主催したもので、7月に行なわれる予定の参議院議員選挙に向けて、地域で脱原発への動きをつくっていくためのスタートが切られました。(2013年6月10日掲載)

原発は不良債権。不良債権処理は待ったなしの状況

 この日のフォーラムは、第一部の講演会と第二部のワークショップから構成されていました。講演会のテーマも理論編と実践編で構成され、すぐにでも地域で脱原発のための活動を実践したくなるような仕組みが工夫されていました。まず理論編の講師は慶應義塾大学経済学部教授の金子勝さん。「脱原発で築く地域社会と経済」というテーマで、「原発は不良債権」という切り口から、原発の「待ったなし」の状況を解説しました。「政府は『三本の矢』など中身の乏しいキャッチフレーズで株価を上げる政策を繰り返している」と金子さんは指摘。「株価が上がれば、大手企業は持っている株の時価評価が上がって決算がよくなります。不良債権があったり、本業がうまくいっていなくても、隠れてしまう。それが繰り返されて『失われた20年』が起きました。原発は不良債権。電力会社は不良債権を隠して、原発を動かそうとしている。極めて危険な状況」と金子さんは鋭く批判し、「不良債権処理の行程表を作るべき」と訴えました。

エネルギーを地域で自給する

 続いて実践編の講師は、小田原の鈴廣かまぼこ(株)の副社長、鈴木悌介さん。鈴木さんは「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」の代表を務めています。昨年3月に設立されたこの団体の会員は、ほとんどが地域で頑張っている中小企業の経営者で、現在約480名。「経済人として、単なる反対運動をではなく、新しい現実をつくる活動を実践。新しい現実とは、再生可能エネルギーを中心としたエネルギーの地域自給のしくみづくり、そしてエネルギーを賢く使う省エネ」とその目的と活動を紹介。また、鈴木さんの地元小田原での取り組みも紹介。地域の企業、市民、信用金庫から資金を集め、エネルギー自給に取り組む「ほうとくエネルギー(株)」が立ち上がり、まずはメガソーラーからスタート。今後は小水力発電など地域ならではの取り組みを計画中とのこと。この経験から「地域での顔の見える関係が重要」と鈴木さんは言います。

脱原発基本法をつくろう!

 弁護士で脱原発法制定全国ネットワーク事務局次長の只野靖さんは、浜岡原発などの原発差し止め訴訟に長く取り組んできましたが、「全部の原発が裁判で止まるとは思えない。最終的には国の立法を変えるしかない」と力説します。なぜ国の立法を変えなければならないか。「行政は立法にもとづいて行政を実施しますが、原子力基本法第一条はまだ残っていて、目的に原子力発電の研究・開発・利用の推進がうたわれています。原子力損害の賠償に関する法律にも、原子力事業の健全な発達に資することを目的とすると書かれているのが現状です。これを変えないと国の原子力政策は変わらない。その転換を求めるのが『脱原発基本法』です」と只野さんは訴えました。3月11日には、発送電分離、新たな原子力発電所の建設を行なわないことなどを盛り込んだこの法案が、参議院に提出されました。
 7月に予定されている参議院議員選挙に向けて、生活クラブなど阻止ネットに参加する団体は、脱原発法制定全国ネットワークの活動と連携し、立候補予定者に対して「脱原発基本法」への賛同を求める活動を展開していきます。

対話から生まれる脱原発への共感

 阻止ネット・フォーラムの第二部では、脱原発に共感する人を地域で増やしていくための試みとして「脱原発カフェ」が開催されました。「ワールド・カフェ」を参考としたワークショップで、対話によって参加者の発想やアイデアを高めていくスタイルです。対話のために次の3つのお題が用意されました。

  • 今回の学習会で学んだことについて、疑問や意見、感動したことについて対話してください
  • 脱原発した社会は、どのような社会になると思いますか?
  • あなたは、この脱原発カフェを地元で開催することになります。どんな脱原発カフェを開催したいですか?

 脱原発カフェが終わると、会場から「とても楽しかった」という声が多く聞かれました。生活クラブでは、このフォーラムを録画したDVDを会員単協に配布し、地域での脱原発カフェ開催を呼びかけています。「愛知では、DVDのうち、只野さんの講演部分を見て、脱原発カフェを開催しました。次は金子さんの講演部分を見てカフェをやってみたい」(生活クラブ愛知・寺島明美さん)。「エスコープ大阪では、6月末に脱原発カフェの開催を予定していて、すでに講師を決めて依頼しています。このDVDがあれば、今後は講師を呼ばなくても脱原発カフェができそうですね」(エスコープ大阪・近藤厚子さん)。
 
 阻止ネット・フォーラムの映像は、阻止ネットのウエブサイトにも順次掲載予定です。脱原発基本法に賛同した参議院議員の情報などについてもウエブサイトで情報提供していきます。選挙で原発を争点にし、投票率を高めていくための活動が、これから各地域で展開されます。