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福島・新地町での介護職員初任者研修、27名が資格取得し修了!

 
 

生活クラブ連合会が他団体とともに被災者支援のために設立した「公益財団法人 共生地域創造財団」(以下・財団)は、6月14日から介護職の入門資格である「介護職員初任者研修」を、福島県の新地町でスタートさせました。このほど9月10日に全ての研修日程を終了、27名が「介護職員初任者」の資格を取得しました。(10月4日掲載)

ベッドメイキングの実習 財団はこれまで、生活クラブふくしまが新地町の仮設住宅などで行なってきた活動の後方支援に当たってきましたが、仮設住宅の住民は今後、復興支援住宅への移転などで地域に分かれての生活となります。今回の研修は、新たなコミュニティづくりの支援と高齢者対策、また、就労支援の一環として企画されました。受講生はテキスト代のみ実費負担とし、研修にかかる費用は財団予算から拠出しました。
 研修の開講にあたっては、神奈川県の生活クラブ運動グループ福祉事業連合から、研修講師の派遣、日程や研修事業の県認可に際しての手続きなど、多くの協力やアドバイスを頂くことにより実現することができました。昨年11月、新地町内の仮設住宅(約550戸)に対する社会福祉協議会の聞き取りでは、15名ほど受講希望の方がいましたが、今年4月にあらためて意向を伺った際にはすでに新しく仕事を始めた方もおり、受講希望が10名程度に減少。急きょ、近隣の市町村の仮設住宅(のべ5,000戸)にチラシを配布し、生活クラブ相馬準備支部組合員にも呼びかけたところ、新たに18名の受講希望があり、28名で研修を開始しました(残念ながら1名は自己都合により中退)。生活クラブふくしまの相馬準備支部組合員も2名受講しました。
 研修会場については、新地町内で研修日程ののべ10日以上借りることのできる適当な施設がなく困っていましたが、これまで生活クラブふくしま主催の青空市でご縁のあった「小川公園仮設住宅」の集会室を、自治会のご厚意でお借りすることができました。ベッド等を使用する演習授業については、新地町の保健センターをお借りしました。

緊張の中でスタートした研修

ベッドからポータブルトイレへの移乗の演習 6月14日が研修の開講日。受講生の皆さんは不安気な面持ちで、研修をスタートしました。友人同士や、親子(母娘)で受講の方もいましたが、多くの方は知り合いのない中での慣れない授業。「学校を卒業してから何十年振りだろう」という方も多くいましたが、のべ17名の講師の真剣な講義、通信教育での自宅学習の課題提出など、介護の勉強の合間、授業の休憩時間に、少しずつ受講生同士で仲良くなっていきました。7月中旬以降に開催した「演習授業」では、受講生同士で「介護者」「要介護者」に分かれてベッドから車イスへの移乗等の実習をする過程でコミュニケーションが進み、真剣な中にも、声を掛けあったり笑い合ったりと、仲間意識も高まっていきました。
 7月下旬からの約1ヶ月弱の期間は授業はなく、「施設実習」の期間でした。新地町および隣接する相馬市、南相馬市の特別養護老人ホーム、デイサービスセンターのべ9事業者の協力を得ることができました。特別養護老人ホームで1日、デイサービスセンターで1日、のべ2日間、施設での体験実習です。事前に「自分は施設実習で何を学んでくるか」との自己テーマを持って実習に臨むように、と講師の方からのお話もありましたが、「あっという間に終わってしまった」という方も多く、緊張のままの実習だったようです。それでも、施設で働いている方の姿、仕事の手際の良さや施設利用者への対応の様子を見て、介護の現場を短いながらもしっかり感じてこられたようでした。

同じ受講生仲間に励まされ、助けられ…

 研修の最後は、筆記による「修了試験」でした。2013年度からスタートした「介護職員初任者」の資格取得には、昨年度までの同等資格「ホームヘルパー2級」と違って最後に修了試験が加わり、6割以上の正解でなければ不合格、修了とはならないという厳しいものとなっています。8月29日に修了試験を実施し、27名中25名が合格点、2名はあと少しで及ばず不合格となりましたが、後日9月10日に補講および再試験を実施し、合格することができました。
 8月30日の閉講式では、修了証を授与し、各受講生より一言ずつ挨拶がありました。多く聞かれたのが「途中でしんどくなり辞めようと思ったこともあったが、同じ受講生仲間に励まされ、助けられ、最後まで続けることができ、修了することができた」との声でした。感無量で言葉にならない方もいましたが、最後の記念写真では、素晴らしい笑顔で写ることができました。

就労、そして仕事起こしを今後も支援

 受講生への研修終了後のアンケートでは、介護関係への就労がすでに決まった方が2名(訪問介護、特養)、早期に就労したい方が2名、検討中の方が11名、現在の仕事(介護関係以外)を継続する方が2名、就労しないと思う(家族の介護他の理由で)という方が4名となっています。
 財団としては、就労を検討中の方々に、今後引き続き可能な範囲で求人についての情報提供・就労支援を行なっていきます。
 また、自分たちでの仕事起こしの契機ともなるよう、WNJ(ワーカーズ・コレクティブ ネットワーク ジャパン)の協力で、8月30日の授業で「ワーカーズ・コレクティブ(神奈川ぐっぴい)」の紹介や、「自分の住む街に必要なもの、どんなお店があったらよいか」等のワークショップを行い、グループ別に討議・発表を行いました。
今後、修了生の中から介護に関連するワーカーズ結成の気運があれば、WNJとも連携しながら支援をしていきます。
 研修は終了しましたが、受講生(今では修了生)のアンケートでは多くの方が、「この研修で新しい仲間ができてよかった。また何かの機会にぜひ皆で会いたい」と答えていました。今後は研修ではなく「同窓会」になりますが、新しくつながった「縁」で、支え合える関係づくりにもつながっていければと思います。