生活クラブ活動情報

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家族農業・小規模農業の価値を広めていこう

 
 

国連は今年を「国際家族農業年」と定め、家族農業が飢餓や貧困の撲滅、環境の保全に有効であることを世界に広めようとしています。一方、日本では政財界を中心に「攻めの農業」として大規模化の必要性が強調されています。このような状況のなか生活クラブは「家族・小規模農業の価値シンポジウム」を8月30日に開催し、組合員や生産者ら約140人が集まりました。(2014年9月30日掲載)

大規模農業の目的は利潤

生活クラブ連合会の加藤好一会長 冒頭、生活クラブ連合会の加藤好一会長は193の全国連加盟国が合意した「ミレニアム開発目標を実現するための国際年のひとつにかかわらず、農林水産省のアピールは乏しい。今日は家族農業や小規模農業の価値をあらためて再評価したい」と挨拶。
 佐賀県在住の農民作家の山下惣一さんは基調講演で「家族農業や小規模農業の目的は『暮らし』だが、大規模農業の目的は『利潤』である」と、農業でもめざす方向がまったく異なると語りました。そして「利潤を追求するはずの大規模農業は機械化しないとできないため単作となるが、単作は自然環境の変化に対応しにくく、経済的なリスクがむしろ大きい」と指摘。「家族農業のような小規模農業のほうが多品目を栽培しやすく環境に対応でき、経済的なリスクが小さい」と続けました。

地域の暮らしに密着した持続可能な農業を

生活クラブ東京の植田泉副理事長 パネルディスカッションでは、西日本ファーマーズユニオンの大津清次さんが約40年の実践をふまえ「カネもうけではない農業を続けていくには、自立できることが重要」と話されました。自らが代表取締役を務める無茶茶園(愛媛県)は柑橘類を主に栽培していますが、農産物の生産・出荷だけではなく福祉施設の運営も手がけ、地域が自立する活動をしています。また米の産地であるJA加美よつば(宮城県)は集落営農をすすめています。米の価格が下落するなかで後藤利雄さんは「集落営農の経営をみるだけではなく、農協が地域の暮らし全般を支援できるかがポイント」と述べました。
 そして、パネリストとして登壇した生活クラブ東京の植田泉副理事長が「つくった人とつながり、食べる意味を自覚することが重要。都市農業をできるだけ減らさないように援農に取り組んでいる」と語るように、生活クラブは生産者との結びつきを重視しています。
 今回のシンポジウムを始まりとして、家族農業・小規模農業の価値を評価し、それぞれの立場から、持続可能な農業に向けて力を合わせていくことを確認しました。

農民作家の山下惣一さん(上左写真)、組合員や生産者ら約140人が参加しました