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アメリカ・NON-GMトウモロコシの産地で生産者と交流 NON-GMを使い続ける意志をあらためて表明

生活クラブ生協連合会は、今年も組合員7名を含む代表団をアメリカに派遣しNON-GMトウモロコシの産地を視察しました(2015年10月17~25日)。今回の訪問でも、アメリカの生産者・集荷業者・種子メーカーに対して、NON-GMトウモロコシをこれからも使い続ける生活クラブ生協の意思を改めて表明しました。また、集荷施設などの視察では、NON-GMトウモロコシが適切に区分管理されていることを確認しました。

GM = Genetically Modified 遺伝子組み換え
GMO = Genetically Modified Organism 遺伝子組み換え作物
NON-GM = 遺伝子組み換えでない

(2015年11月27日掲載)

望んでも簡単に手に入れることができないNON-GMトウモロコシ

生活クラブ生協は、直接の食品原料だけではなく、肉や卵の畜産飼料にもGM作物を使わないことを原則とし、飼料の主原料であるトウモロコシについて、NON-GMのものを指定してアメリカから輸入しています。
2014年度のアメリカ訪問では、NON-GMトウモロコシの輸入で提携する全農グループと集荷会社であるCGB社、種子会社のパイオニア社との3者による「NON-GMトウモロコシの長期種子供給協定」調印式に立ち会い、NON-GMトウモロコシを2022年まで確保することが可能となりました。

しかし、アメリカのNON-GMトウモロコシ栽培面積は、全てのトウモロコシ総栽培面積の7%にまで減少しています(2015年)。代表団の一員である生活クラブ千葉・副理事長の福住洋美さんは「収穫されるNON-GMトウモロコシのうち、NON-GMとして流通しているのはわずか1.5%に過ぎません。残りは農家の段階でGMトウモロコシと混ぜて出荷されているのです」と述べます。もはやNON-GMトウモロコシは、望んでも簡単に手に入るものではありません。NON-GMトウモロコシを生産・流通する人々に、私たちが使い続ける量を明らかにすることではじめて確保できるものなのです。

7年もかかる種子開発には「食べる約束」が重要

生活クラブ神奈川・副理事長の藤田ほのみさん代表団はNON-GMトウモロコシを使い続ける意思を伝えるために、種子メーカーであるパイオニア社を訪問しました。生活クラブ神奈川・副理事長の藤田ほのみさんは「アメリカでは1エーカー当たりのトウモロコシ収穫量(単収)が、30年間で1.5倍に伸びています。農家にNON-GM種子を選んでもらうためには、生産性の高いNON-GM種子の開発が重要になっています」と話します。

種子の開発といっても、1つの品種を生み出すには約7年の歳月がかかります。それだけに持続的な種子の開発・生産には計画性が求められ、パイオニア社の責任者は「日本の需要を示してくれることは非常にありがたい」と述べています。

藤田さんは「将来にわたって安定的にNON-GMトウモロコシを確保するには、私たちの『食べる約束』を示すことが重要です。『食べる約束』とはNON-GMトウモロコシで生産された畜産物を選んで食べることに他なりま生活クラブ埼玉・理事の窪 和子さんと栽培農家のジェフ・スペンサーさんせん。遺伝子組み換え作物由来の食品を食べたくないという思いは、NON-GMを使った食品を食べ続けることでしか実現できないのです。まずはNON-GMトウモロコシで生産された牛乳・鶏卵・肉類を選ぶ生活クラブ組合員を増やして、私たちの思いをアメリカの生産者に伝えていきたい」と話します。
一行はPHF/NON-GMトウモロコシをイリノイ州で栽培する2軒の農家を訪問しました。PHF/NON-GMトウモロコシを栽培する理由をたずねたところ、いずれも「加算金が魅力」と明かします。大規模農業をするには莫大な経費がかかります。生活クラブ埼玉・理事の窪和子さんは「農業経営が成り立って初めてNON-GMOが維持できるのだと思いました」と述べています。

PHF = Post Harvest Free 収穫後農薬不使用。
Post Harvest = 収穫後の穀物や果実等に、防カビ・防虫などの目的で農薬を使用すること。

GMO検査や区分管理の方法を確認

生活クラブ埼玉・理事長の清水 泉さんとCGB社のスタッフ農家が栽培したPHF/NON-GMトウモロコシは、集荷業者であるCGB社に納品されます。CGB社は全農グループのひとつで、約2,000人の農家からPHF/NON-GMトウモロコシを集めています。またCGB社は、GMトウモロコシが混入しないよう栽培や収穫時の管理を農家に指導するとともに、集荷施設から輸出港までPHF/NON-GMトウモロコシを区分管理するなど「流通の要」の役割を担っています。

農家から集荷施設への入荷時にGMO簡易検査が行なわれますが、視察の際にこの検査でGM混入率2.9%のトウモロコシが納品されました。しかしCGB社が基準とする3%以下で、日本の基準も「意図せざる混入率5%以下」なのでNON-GM基準を満たしました。

栽培農家から納入されたトウモロコシのGMO簡易検査の模様を視察PHF/NON-GMトウモロコシをサイロに入れる前にはベルトコンベヤーを必ず空回しして、残留の恐れがあるGMトウモロコシの混入を防ぎます。また、はしけに積み込む際には、第三者機関によるGM検査と残留農薬の検査をします。この結果は輸出施設に着くまでに判明します。

「農家から輸出施設に着くまで、PHF/NON-GMトウモロコシはGMトウモロコシの混入を防ぐ対策が徹底して行なわれていました」と、生活クラブ埼玉・理事長の清水 泉さんは報告しています。

日本へ輸出するための船積みは全農グレイン社が担います。PHF/NON-GMトウモロコシがはしけなどで到着すると、計量とサンプル採取が行なわれます。そして荷揚げから保管まで、混入がないようにコンピューター管理され、サンプルが分析機関に送られてGMO混入の有無や残留農薬が検査されます。GMO検査はCGB社から数えて3度目の検査です。

刈り終えたNON-GMトウモロコシ畑で栽培農家とともに生活クラブ長野・理事の岡澤三保子さんは「全農グレイン社では、サイロに人が入って床を掃除するなどGMトウモロコシが混じらないようにしています。日本の受け入れ基準である『意図せざる混入率5%以下』を守る区分管理がされていることを、目と耳で確認することができました」と語ります。

以上のように、アメリカに派遣された代表団は、NON-GMトウモロコシの生産から流通にかかわる各方面の関係者に対し、あらためてNON-GMトウモロコシを使い続ける私たちの意思をあらわすとともに、区分管理が適切に行なわれていることを確認しました。

生活クラブは、NON-GMトウモロコシで育てた畜産物を、よりおおぜいの組合員で「食べて支える」ことによって、安定的・長期的なNON-GMトウモロコシの確保をすすめます。