生活クラブ活動情報

 活動情報一覧へ

アメリカからNON-GMトウモロコシ生産者が来日――遺伝子組み換え作物・食品にまつわる最新情勢の報告会を開催

生活クラブ生協は、消費材から遺伝子組み換え作物・食品を可能な限り排除する取り組みを進めています。牛・豚・鶏の飼料となるトウモロコシも非遺伝子組み換え(NON-GM)を指定しています。飼料用NON-GMトウモロコシの輸入には、JA全農と提携し、全農の関連会社のアメリカ・CGB社が農家からの集荷などを担っています。7月12日、CGB社のみなさんが生活クラブ連合会を訪問、アメリカでの遺伝子組み換え作物(GMO)表示法など、最新情勢の報告会が開催されました。

連邦上院議会でGMO表示法が可決

藤田ほのみさん昨年現地を訪問した生活クラブ連合会理事の藤田ほのみさんは、「アメリカではGMO表示法の論議が活発だと聞いています。アメリカのGMO表示制度の動向は、日本の表示制度や日本でNON-GMOを利用し続けることと密接につながっているので非常に関心を持っています」と挨拶。続いてCGB社の市場開発部長、エリック・クレシン氏は「共和党、民主党の両党によるGMO義務表示法案が、7月7日の連邦上院議会で可決されたところです」と、最新情報を報告しました。
この法案は2016年6月に提案されたもので、食品へのGMO表示を義務づける一方、GMOの使用情報がわかるウエブサイトにリンクしたバーコードやQRコードが表示されていれば可とする内容で、いわば間接的な表示制度といえるものです。

エリック・クレシン氏法律の制定までには下院での議決、大統領による承認が必要ですが、成立すればバーモント州などで独自に制定されたGMO表示法はすべて無効となります。
参加者から「アメリカでは民間の認証団体がわかりやすいNON-GMOの認証マークをつくっているが、それも規制されてしまうのでしょうか」と質問がありました。
エリック・クレシン氏は「NON-GMOの認証マークをつくる際には、あらかじめ農務省の許可を取っているのでマークが禁止になることは今のところないと思います。この法案が制定された場合は、農務省が詳細なGMO表示基準を設定する予定です」と述べました。

GMO表示の食品を見る組合員(写真左)。あるチョコレート菓子には「一部は遺伝子組み換え技術によって生産」と記載されています。

NON-GMトウモロコシ栽培農家へきめ細かい対応

デーヴィット・カスケヴィッチ氏CGB社の穀物マネージャー、デーヴィット・カスケヴィッチ氏からは、2016年度産トウモロコシの作柄状況の報告がありました。
「4月の作付時から6月の受粉時まで、気温や降水量など気候にたいへん恵まれました。ただ収穫までは2~3ヵ月あるので今後の天候や生育には注意が必要ですが、いまのところ虫害もなく、理想的な状況で生育しています」

今年は順調に生育しているアメリカのトウモロコシですが、2015年のNON-GMトウモロコシの作付面積はわずかに8%でした。連邦議会でGMO表示法が審議されているようにアメリカではGMOへの国民の関心が高まっており、NON-GMトウモロコシの需要が増え価格が上がる可能性が指摘されています。

そのような状況のなかでCGB社はNON-GMトウモロコシを集荷するためにさまざまな企画を実施していますが、新たに栽培農家一人ひとりのニーズに合わせた対応を始めたとエリック・クレシン氏は話します。
「従来は農家を集めてCGB社のNON-GMトウモロコシ集荷の説明会を開催していました。現在は個々の農家に合わせた栽培アドバイスや契約などきめ細かい対応を行ない、農家がほしい情報も携帯端末で受け取れるようにしました。また農業や農機具の展示会でも、CGB社のNON-GMトウモロコシの集荷事業をアピールしています」
 

NON-GMトウモロコシを得るには、食べる人を増やすことが重要

トレック・マレー氏情勢報告会では、CGB社が提携する種子会社のひとつのベックス社から事業紹介がありました。マネージャーのトレック・マレー氏は「イリノイ州やアイオワ州など5州に試験用の畑をもち、NON-GMトウモロコシの種子などを開発しています。試験用の畑はCGB社の集荷地域とほぼ同じ州にあります。ですから私たちは、CGB社が契約する農家に対し、各地域に合ったNON-GMトウモロコシの種子を提供できます」と述べました。

福岡良行専務理事アメリカのGMOに関する最新情勢の報告に対し、生活クラブ連合会の福岡良行専務理事は「生活クラブはNON-GMトウモロコシで育てられた牛や豚、鶏を利用していますが、それはCGB社をはじめとしたみなさんの努力があればこそだと思っています。生活クラブは2015年度に約1万人の組合員が増えました。これからもNON-GMトウモロコシを必要とする組合員は増えていきますので、お互いの友情と信頼関係を深めてNON-GMトウモロコシの事業をすすめていきましょう」
NON-GMトウモロコシはいまや貴重な作物であり、望めば手に入るというものではありません。生活クラブとして組合員が利用する量を約束して、初めて得ることができるものといえます。
情勢報告会に出席した理事は、NON-GMトウモロコシを今後も確保するためには食べる人、組合員を増やすことが重要なことをあらためて確認しました。

生活クラブとの提携を長らく支え、今年からアドバイザーとなったCGB社のジェームス・ステッツラインさん(右)からはビデオレターが届きました。
 

GMO = Genetically Modified Organism 遺伝子組み換え作物
GM = Genetically Modified 遺伝子組み換え

 

【2016年7月29日掲載】