生活クラブ活動情報

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産地とのつながりを深める―東しゃこたん漁協および加工業者との「水産産地交流会」を実施

6月29日~7月1日、北海道古平町および小樽市で、生活クラブ連合消費委員と連合会職員が参加しての「水産産地交流会」を実施しました。水産産地の現状を学んで課題を共有・検討し、持続的な生産と消費を実現する仕組みづくりや、産地との提携強化につなげていくことが主な目的です。
主な訪問先は、旧古平漁協時代からの提携先である「東しゃこたん漁協」、水産加工会社の「(株)NSニッセイ」と「(株)よ吉野」。また、古平町の障がい者支援施設「古平福祉会れい明の里」の視察、札幌市の「酪農と乳の資料館」の視察も行いました。

加工に化学調味料や合成添加物を一切使わないこだわり工場

(株)NSニッセイは、1988年に設立された小樽市の水産加工会社。化学調味料や合成添加物を一切使わない加工にこだわっている点が、他の加工業者とは一線を画します。工場内では合成洗剤も不使用で、機器の洗浄や社内の手洗いなどもすべて石けんで行う徹底ぶりです。化学調味料に頼らないうまみを考えた末、オリジナルの「魚醤」を自社開発し調味料として使っているのも特徴のひとつです。
今回の視察では、同社の「熟成新巻鮭」の加工プロセスの説明を受けると共に、「昆布巻」の加工体験もさせていただきました。昆布の繊維の方向や巻き方など、コツが要る作業でしたが、丁寧な指導でなんとか完成に。新規予定品のプレゼンや今後の展望についての意見交換も行われ、有意義な交流となりました。

国産の原料卵を食品添加物なしで加工する価値ある「釣りたらこ」

(株)よ吉野は、消費材の「釣りたらこ」「たらこ(北海道産)」「たらこ(ばらこ)」の製造元で、北海道内でも有数のたらこ加工会社です。生活クラブの「釣りたらこ」と他社向けたらこの両方の製造を視察しましたが、延縄漁法で釣り上げた高鮮度の国産スケソウダラ卵を使用し食品添加物は一切使わず加工する「釣りたらこ」と、安価なアラスカ産・カナダ産の原料卵を着色料・保存料・身締め剤等の食品添加物を使用する市販向けのたらこの違いは、目で見てはっきりわかるほどでした。生活クラブの「釣りたらこ」は、シンプルなだけによい原料でなければならないのですが、減船と他の魚介類の水揚げを優先する船が多く「釣りもの」のスケソウダラの漁獲量が減っているため原料確保に苦労しているとのことでした。

課題の多い現場でさまざまなチャレンジを続ける漁協

東しゃこたん漁協は、生活クラブとは1978年からの提携関係にあります。生産の実態に即して消費する取り組みのひとつ、鮮魚ボックスの草分け「古平パック」を一緒に開発した生産者です。現在は、「古平パック」のほか、「ほっけフィレ(甘塩味)」や「古平のいくら醤油漬け」・「北の魚介セット」等を製造しています。
加工場が浜から近く、水揚げから加工までの速さが強みとなっているものの、安定的な水産資源の確保が課題のひとつで、放流などさまざまな取り組みも行っていますが、なかなか安定した漁獲量の確保には至らないとのことでした。
当日はうに小屋でうにの卵を取り出す作業を体験。殻を割り卵のみを取り出す手作業の大変さを実感しました。また漁協運営の市場でセリも視察しました。

地域の障がい者支援施設や北海道酪農の資料館も視察

古平町の障がい者支援施設「協働の家」は、生活クラブ組合員の資金カンパを元に設立されました。今では設立当初より大幅に増設して充実した環境となり、地域になくてはならない施設となっている様子です。現在の形になるまでの関係者の苦労を思いながら、生活クラブにとって古平町は水産業以外でもつながりの強い地域であることを再確認しました。
雪印メグミルクの「酪農と乳の資料館」では、雪印の創業以来の資料や機械展示等を通し、酪農の歴史への理解を深めました。

生活クラブ北海道20周年を記念してつくった「フィービラの森」

2002年に生活クラブ北海道が20周年記念事業として、古平の海を守る場、環境活動実践の場、自然に親しみ楽しむ場として、作ったのが「フィービラの森」です。毎年、植林活動をおこない、下草刈りなどの手入れも組合員でおこなっています。
「森づくり」をつうじて、古平の海を育む取り組みを地域全体で行っている様子がわかりました。
 

産地交流会を通して水産業の課題を共有、今後の継続的な取組へ

今回、産地の漁業の現状や課題を共有し、幅広い交流や意見交換ができたのは大変意味がありました。古平や小樽は古くはニシン漁で栄えた漁師町でしたが、現在は高齢化など、さまざまな要因により生産の低迷が続いています。このような中で、水産資源をムダなく活用し、加工事業を伸ばして販路を拡大する生活クラブの活動は、地域の漁業を守り、地域全体への貢献につながると確信できました。

【2016年8月8日掲載】