生活クラブ活動情報

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「産地の空き家活用検討合同プロジェクト」のメンバーが「Share金沢」を訪問しました

ビジョンフードの各産地を中心に、主産地協議会の設置とFEC自給ネットワークによる地域づくりについて生産者が主体となって取り組みが始まっています。

生活クラブは具体的に取り組みを進めるため、主産地協議会と関連する行政および生活クラブ連合会(共済連)が連携して「産地の空き家活用検討合同プロジェクト」を設置しました。

産地の空き家活用検討合同プロジェクトでは、おおぜいの組合員のライフスタイルの選択肢を広げることを目的に、生活クラブ組合員の「第2の故郷」としての移住先や地域づくりへの主体的な関わりなど、セカンドライフとしての「暮らし方」の提案を検討しています。

産地における地域づくりの主体者形成にとって課題となる「住居」および「住まい方」について、「空き家」を都市生活者にとって魅力のある地域資源として活用することを目的に、同じ思いを持つ産地が相互にネットワークを形成し、組合員が十分な情報と体験を経て、選択・判断できるための仕組みづくりをめざしています。

産地の空き家活用検討合同プロジェクトのメンバーでもある山形県酒田市と生活クラブは、首都圏在住の移住希望者への情報発信などを行なう業務委託契約を締結しました。高齢世代のセカンドライフや就農・地方での暮らし、Iターンなどに関心のある組合員やその家族が参加できる新しい提案に取り組んでいます。

多世代が暮らし、地域を巻き込んだ「ごちゃまぜのまち」をめざす

「移住する」「地方で暮らす」「新しいコミュニティーを作る」などの課題を具体的に進めるために地域との共生を試み、実践している先進事例の視察を行なっています。1月30日、「産地の空き家活用検討合同プロジェクト」のメンバーが「Share(シェア)金沢」を訪問しました。 *右:シェア金沢ロゴ
 

 

「Share金沢」は、2014年4月にオープンした社会福祉法人佛子園(本部:石川県白山市)が運営する多世代・地域共生の街をめざして作られた複合型福祉施設です。金沢市中心地からバスで20分ほどの郊外にあり、国立病院機構金沢若松病院の跡地約11,000坪(東京ドームの15,000坪と比較してもかなりの広さです)の敷地に、サービス付高齢者住宅・児童養護施設・学生向け住宅などの建物が混在して建てられています。

事務所機能や高齢者デイサービス、訪問看護事業所がある本館には、天然温泉もあり、毎日11時~21時まで大人400円、中人(小学生)150円、小人50円で施設内の人だけでなく、地域住民も入れるようになっています。また、障がいを持つ人も共に働くレストランも併設されています。 

多世代共生のふれあいがある街

サービス付高齢者住宅は現在32戸あり、木の温もりのある木造住宅には1LDK(42平方メートル~)の専有スペースと共有スペースがあります。石川県内だけでなく、長野・千葉・埼玉などからの移住者も暮らしています。住民はエリア内にある生活用品を扱う店をグループで運営し、陳列や販売の仕事をしたり、レストランなどで働くこともできます。高齢者が人と交流する機会になり、生きがいにもなっています。

児童入所施設では障がいをもつ子どもたちが暮らしています。障がいの特性、生活年齢、地域生活に向けた準備の必要性などに応じてスタッフが対応し、少人数で家庭的な雰囲気で、一人ひとりにきめ細やかなケアがされています。

一般学生向け住宅6戸とのアトリエ付き美大生向け住宅2戸があり、安い家賃で提供されています。ただし、入居条件として月30時間のボランティアが義務付けられていて、子どもの見守りやお年寄りの話し相手やレストランでの業務など、若者がコミュニティーになじみ、多世代共生のふれあいを作りだしています。

さらに、街づくりに参加したいという意志ある人が運営するクリーニング、クッキングスクール、マッサージなどのお店もあります。集会や催し物の開催や運営など、暮らしに関わることを住民参加で決めていく住民自治も大きな特徴です。

建物の間をぬってゆったりと歩ける道は自然豊かで、敷地内には農園やアルパカ農場もあります。地域からの要請に応えて今年度から開設した学童保育も外遊びを中心に子どもたちが放課後の時間をすごす場になっています。そこここから、子どもたちの声が聞こえ、今では少なくなったまちの中で遊ぶ子どもの姿が見られました。

写真:住民が運営する売店、学童保育

地域の中で機能する福祉施設

「Share金沢」の施設長、奥村俊哉さんは、キーワードは「ごちゃまぜのまち」だと説明します。施設内で暮らす人たちが年齢、性別、経歴、障がいなどの違いを越え、関わり合って暮らしています。街づくりに人とのつながりを作りだす仕掛けが散りばめられています。さらに、多くの福祉施設は地域とは隔離された状況になって、お互いが無関心になっているのが現状ですが、Share金沢では、施設にあるカフェや温泉施設を近隣住民が身近な娯楽施設として利用し、居場所機能も担って、地域住民に貢献する存在になっています。

視察の参加者からは、「新しいコミュニティーの作りだすヒントがある」「障がい者や若者とともにつくるまちのコンセプトは活かせる」などの声が聞かれました。

*写真:奥村施設長

【2017年3月10日掲載】