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「福島第一原発廃炉作業見学」報告会を開催 各地の組合員が放射能汚染問題への理解を深めました

各地の生活クラブから組合員リーダーが集まり、新しい仲間づくりや消費材の利用を拡げる活動成果・課題の共有をはかる「組織活動推進会議」。消費材の優位性を伝えて利用を拡げるためには、生活クラブが取り組んできた放射能汚染対策の意義を確認し、さらにこの問題への理解を深めることも大事な課題の一つです。

2017年6月15日の会議終了後、放射能対策への理解を深める機会として、生活クラブ連合会品質管理部の槌田博さんがこの2月に参加した「東京電力福島第一原発廃炉作業見学」の報告会を行ないました。

事故の重大さと困難な廃炉作業

槌田さんから、廃炉作業を実際に見てのレポートや関連データなどをまとめた資料が配られ、スライド映像も交えながら福島第一原発の様子が報告されました。

【福島第一原子力発電所1~4号機の被害状況 2011年3月19日】

出典:https://www4.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/outline/2_11-j.html

まず、見学当日の足取りや福島第一原発の位置関係の確認、1~4号機の現状の説明などがありました。

1~4号機については、核燃料取り出し済みの4号機以外、1、2、3号機を合わせると1,573体もの核燃料がいまだに取り残されているうえ、多くが溶け落ちた状態です。格納容器内の放射線量も極度に高く、1号機は最大毎時12シーベルト(30分間いたら致死量に達するほどの線量)、2号機は最大毎時650シーベルト(1分足らずで致死量に達するほどの線量)が推計され、廃炉への道のりは困難極まりない状況であることが報告されました。

構内には汚染水を保管する巨大なタンクが並び、汚染水処理に使ったフィルターや作業員の使い捨ての防護服もすべて放射性廃棄物となって増える一方である状況が説明されました。福島第一原発についての詳細な報道が減っている今、実際の見学者から直接に様子を聞くことで、あらためて事故の重大さを感じることができました。

*写真:汚染水保管用タンク

居住制限・帰宅困難区域の映像を上映

福島第一原発の構内は、見学者による写真撮影が禁止されています。この見学に向かう際、バスが通過した原発周辺の居住制限区域(当時)と帰還困難区域で、槌田さんが自ら車窓越しに撮影した動画を上映しました。

帰還困難区域をバスが進むと、店や家々の入り口にバリケードが張られ、廃墟となっている様子が映し出されます。また、沿道の田畑や空き地には、除染した土を詰めた大量の袋が一時置きされている様子も写っています。映像音声には、バス内の見学者が持っている空間線量計の「ピーッピーッ」という強い警報音も収録されており、見えない放射能の怖さを感じさせました。居住制限区域や帰還困難区域のほんの一部を通過した15分間の映像でしたが、原発事故で失われたものの大きさを実感させられました。

左写真:バリケードで覆われた家々、右写真:沿道に置かれた除染した土

活発な質疑で放射能汚染問題への理解を深める

1時間ほどの報告と上映のあと、会場では活発な質疑応答が交わされました。質問には、各建屋の放射線量の違いについて、ALPS(アルプス)と呼ばれる放射性物質除去装置の稼働の状況について、燃料デブリに関する東電の説明についてなどがありました。さらに6月の茨城県大洗町の原子力機構での作業員被ばく事故についての質問もあり、放射能汚染についての組合員の関心の高さがうかがえました。中には、自分も福島第一原発の見学に参加したことがあるという組合員もいて、そのことを思い出しながらこの日の報告を聞いて胸が痛んだという感想も聞かれました。

原発のない社会をめざし現状を共有し運動を続ける

まとめとして、実際に見学して感じた廃炉作業の困難さ、この原発事故の負の遺産を遠い子孫にまで強いることの不条理さについて槌田さんから熱のこもったお話がありました。このような困難を人類に強いる発電方法からは脱却して、原発のない社会をめざすことが生活クラブの目標だということを、あらためて全員が確認できた意義深い学習会でした。

生活クラブは、食や環境に関する学習会や情報共有を地道に行なうことで、組合員のひとりひとりが「サステイナブル(持続可能)な生き方」の意味を考え、各地で生活クラブの取り組みへの共感をさらに拡げていくことをめざします。

※写真の一部は廃炉作業見学会で東京電力から提供されたものです。

福島第一原発の廃炉作業見学については、「放射能検査なるほどコラム Vol.11 福島第一原発の廃炉作業を見学してきました」のページで詳しい報告を掲載しています。あわせてご覧ください。
▲「バックナンバーを見る」⇒「放射能検査なるほどコラム Vol.11 福島第一原発の廃炉作業を見学してきました」をクリックしてください。

【2017年7月3日掲載】

《掲載後修正》
本文中の数値に誤りがあることがわかりました。下記のように修正しました。

小見出し「事故の重大さと困難な廃炉作業」の本文

誤=「格納容器内の放射線量も極度に高く、1号機は最大毎時12シーベルト(1時間半いたら半数が死に至るほどの線量)」
正=「格納容器内の放射線量も極度に高く、1号機は最大毎時12シーベルト(30分間いたら致死量に達するほどの線量)」

【2017年7月13日追記】