生活クラブ活動情報

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「乳児院 はぐくみの杜 赤ちゃんの家」がオープン 生活クラブ風の村(千葉)

生活クラブの活動から生まれた子どもたちのための施設

千葉県君津市にある「生活クラブ風の村 はぐくみの杜(もり)君津」は、2歳から18歳までの子どもたちが暮らす児童養護施設です。生活クラブ千葉の活動から生まれた「生活クラブ風の村(社会福祉法人生活クラブ)」が2013年に開設しました。

豊かな自然に包まれた敷地内に、木のぬくもりが感じられる家が6棟あり、1戸に6、7名の子どもたちと職員が生活しています。アットホームな雰囲気で「当たり前の生活の営みを、丁寧に、そして淡々と積み重ねること」と「大人の関係性で子どもを育む」をモットーにしています。

今年の5月1日、同じ敷地内に「赤ちゃんの家」が新しく開設されました。おおむね0歳から2歳の赤ちゃんが15人まで暮らせる乳児院です。他の家と同じく、木をふんだんに使ったあたたかみのあふれる「おうち」で、赤ちゃんの健やかな成長を守りたいという想いで運営されています。

「赤ちゃんの家」開設の経緯と運営の特徴を、施設長の高橋克己さんに聞きました。

「赤ちゃんの家」の開設 安全を最優先に、家庭的な養育をめざします

さまざま理由で、保護者の養育を受けられない乳幼児を養育する施設が乳児院です。

0歳から2歳くらいの子どもの成長は目覚ましいものがあり、身体的にもとても柔らかな状態ですから、乳児院には、命を守り、育てる機能が最優先されます。乳児院で育った子どもたちは長期の保護が必要な場合などになると児童養護施設に移るケースが多いです。

児童養護施設である「はぐくみの杜 君津」でも、乳児院から職員の方に抱かれてやってくる赤ちゃんを引き取ることがあります。それまでの愛着関係にあった子どもと大人の別れは本当につらいものです。

私たちは「大丈夫、大丈夫」と声をかけながら、無理やり引き離し、もう一度新しい愛着関係を築く「育て直し」をします。乳児院の職員が愛情を持って育てれば育てるほど、悲しい結果になります。それは子どもにとって大きなマイナスです。同じ敷地内に乳児から一貫して生活できる施設があれば、施設分離をしない養育ができます。その思いを話し合い、「赤ちゃんの家」を作ることができました。

木をふんだんに使った7軒目の「家」は、自然光が差し込み、ハイハイする床は柔らかなコルクのフローリングです。事故防止のためコンセントは高い位置につけ、食事をつくるところが見えるように台所の引戸には大きなガラスを入れるなど、赤ちゃんの行動や目線に配慮した作りです。

施設長、保育士、看護師、栄養士、調理員、ソーシャルワーカーなど総勢25名のスタッフで、現在2人の赤ちゃんを受け入れています(6月20日)。まだ開設して日も浅く、スタッフは研修に励んでいる毎日です。

子どもの養育は、淡々と当たり前の暮らしを積み重ねる「家庭力」に勝るものはありません。一人、二人、三人の赤ちゃんがいる家庭はありますが、15人もの赤ちゃんがいる家庭はありません。集団ですから、入浴は沐浴ユニットで行ないますし、一度にたくさんの赤ちゃんが泣けば手が足りなくなるなど、家庭とは違う場面があります。

さらに、身体的に厳しい状況の乳児を受け入れることもありますから、衛生管理や怪我などのないよう安心・安全が優先されます。できるだけ家庭的な雰囲気の中で育てたいと思ってもできないことも多々あります。しかし「だからできない」とあきらめないで、いかに家庭的な要素を取り入れることができるかがこれからの課題だと思っています。

【2017年7月6日掲載】