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【丹精國鶏コラムVol.1】国産鶏種への挑戦、そして「丹精國鶏」へ

現在、国内で食べられている鶏のうち外国鶏種は98%を占め、国産鶏種はわずか2%にすぎません。生活クラブは持続可能な生産を目指し、鶏種からの国内自給という大きな目標を掲げて国産鶏種「丹精國鶏」を取組んでいます。
ここでは、これから3回にわたって、おいしさと安心でも高い評価を受けている生活クラブ生協の鶏肉「丹精國鶏」についてご紹介していきます。第1回は、「国産鶏種への挑戦、そして丹精國鶏へ」です。
 

輸入に頼ってきた日本の養鶏

戦後の日本では庭先で鶏を飼い、卵を採った後は肉を食べる「卵肉兼用」が主流でした。1960年代以降、肉専用の「肉用鶏」の輸入自由化をきっかけに、卵をとるための品種「採卵鶏」と肉を食べるための品種「肉用鶏」に分けて育てるようになりました。外国で育種改良された鶏を輸入し日本で育てるという仕組みが広まります。

世界の肉用鶏はたった3種の外国鶏種に

肉用鶏は、より早く大きく育つ鶏へと育種開発競争がすすみ、淘汰されていきました。今では世界中でたった3品種でほとんどが占められています。そんな独占状態では、自分たちの要望に沿った鶏種の開発は望めません。自分たちが食べたい鶏を手に入れるには、自分たちに近い場所で育種改良が行なわれる必要があると考えました。

 

国産鶏種「はりま」事業がスタート

生活クラブでは、当初採卵鶏や卵肉兼用種を肉として食べる実験取組を行なってきましたが、その結果やはり肉用鶏種(ブロイラー)の開発がより望ましいと判断しました。
1988年から株式会社 秋川牧園と、1992年からは群馬農協チキンフーズ株式会社と、肉用鶏の取組みを開始。その後国内自給への貢献と良質な動物性たんぱく質の持続的、安定的な確保をめざして国産鶏種の開発に取り組み始め、1995年10月に数々の種鶏の中から「はりま2号」を選定してさらに育種実験を重ねました。
こうして、国内自給への貢献と持続的、安定的な確保をめざし、組合員が求めるおいしさと安心を備えた国産鶏種「はりま」の事業が2001年からスタートしました。
 

<生活クラブ 鶏肉取組みの歴史>
1983年~ 埼玉、千葉、長野で採卵鶏、卵肉兼用種の実験取組
1987年  肉専用種の開発が望ましいことを確認
1988年~ 秋川牧園との鶏肉取組みを開始
1992年~群馬農協チキンフーズとの鶏肉取組みを開始
1995年  国産肉専用種「はりま」の実験取組開始
2001年 はりま事業取組開始    育種改良・生産技術の向上
2015年 年度鶏肉利用166万羽
2016年 「丹精國鶏」と命名  年度鶏肉利用175万羽 
2017年 値下げ実現  さらなる改良・フィールドテスト
     国産鶏種で国内自給に貢献
 

日常的に食べられる「国産鶏種」をめざして

現在、国内で食べられている鶏のうち外国鶏種は98%を占め、国産鶏種はわずか2%にすぎません。日本の気候風土に根付いた地鶏は、おいしいけれど価格が高く、日常的に食べられるものにはなっていません。生活クラブは、もっと日常的にだれでも食べられるものをめざしています。
※国産鶏種:在来種または在来種の血が50%以上で飼育期間や飼育方法を定めた「地鶏」(「阿波尾鶏」「名古屋コーチン」「比内地鶏」等)と、日本国内で育種開発され3世代以上にわたって日本で飼育された肉用鶏種(「はりま」「たつの」等)があります。

◎国産鶏種と外国鶏種のシェア(2017年1月現在)(出典:家畜改良センター兵庫牧場HPより)

「フィールドテスト」の取組み 生活クラブと生産者で育種改良をスピードアップ

日本では、国内で持続的な生産基盤をつくるために国の事業として育種改良事業が行われていますが、多国籍企業による大規模な改良事業によって外国鶏種との生産成績は大きく開いています。「はりま振興協議会※」では、より生産性の高い鶏を目指してフィールドテストを実施しています。フィールドテストは、国の機関である家畜改良センターと、生活クラブの提携生産者が協力して、「種鶏」や「掛け合わせ」の食用鶏としての能力を高め、より健康で利用しやすい価格を実現していくために実際に飼育する農場で育て点検するために試験飼育を行うことです。消費者に近い生産農場で行うことにより育種改良をスピードアップさせることができます。

※はりま振興協議会構成団体:全農チキンフーズ(株)、群馬農協チキンフーズ(株)、(株)秋川牧園、オンダン農業協同組合、(株)イシイ、全国農業協同組合連合会、生活クラブ連合会。オブザーバーとして(独)家畜改良センター兵庫牧場、東日本くみあい飼料(株)をはじめ、生産から製造、消費に関連する各社が参加

 

食べる力を集めて値下げを実現

生活クラブでは国内で3世代以上にわたる育種によって開発された国産鶏種「はりま」を、より多くの人に国産鶏種の取り組みや意義、その価値を知ってもらうためにブランド名を「丹精國鶏」としました。

これまでの組合員の利用と生産者の育種改良や飼育技術向上が実を結び、2017年11月より、利用しやすい価格になりました。このことは生活クラブだけでなく国内で国産鶏種の利用を広げていくという大きな目標に一歩近づいたことになります。
「丹精國鶏」は、持続的な生産体制を維持するためには、毎年200万羽の利用が必要です。3世代前から日本生まれ・日本育ちの国産鶏種は、鶏が鶏肉として利用できるようになるまでに時間がかかります。

国内自給に貢献できて安心でおいしい。「丹精國鶏」が、日本の中でもっとあたりまえに食べられる鶏になっていくように、より多くの人に利用してもらうことをめざしていきます。

 

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《連載記事はこちら》
【丹精國鶏コラムVol.2】 作り手からのメッセージ~私たちが「丹精國鶏」を生産しています~

【2017年11月6日掲載】