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【丹精國鶏コラムVol.2】 作り手からのメッセージ~私たちが「丹精國鶏」を生産しています~

 

現在、国内で食べられている鶏のうち外国鶏種は98%を占め、国産鶏種はわずか2%にすぎません。生活クラブは持続可能な生産を目指し、鶏種からの国内自給という大きな目標を掲げて国産鶏種を取組んでいます。

ここでは3回にわたって、おいしさと安心でも高い評価を受けている生活クラブ生協の鶏肉「丹精國鶏」についてご紹介していきます。第2回は「作り手からのメッセージ~私たちが「丹精國鶏」を生産しています~」。生産に関わる皆さんに、作り手としての思いを聞きました。



※生活クラブでは国内で育種改良された国産鶏種「はりま」の価値をさらに広めるため、ブランド名を「丹精國鶏」としました。

 

「丹精國鶏」(国産鶏種「はりま」)が届くまで

 

 

 

 

 

 

 

生活クラブでは、国内で育種改良をおこない、日本の気候風土にあった改良のできる「国産鶏種」を取り組んでいます。

育種改良を行う独立行政法人家畜改良センター兵庫牧場、はりまのヒナの孵卵を担う(株)イシイ、鶏肉生産者が力を合わせて育てています。

 

 

 

 

「丹精國鶏」の生産に関わっている農場の所在地 (2017年11月)

育種や生産を複数産地で行ないリスクを分散しています。

「丹精國鶏」の生産に関わっている農場は複数県にわたっています。伝染病の発生など不測の事態が起こった場合を想定し、国産鶏種を継続的に安定生産できるように複数産地で育種や孵卵、飼育を行なっています。
 

(独)家畜改良センター兵庫牧場(兵庫県)、(株)イシイ(秋田県・大分県)、(株)秋川牧園(山口県・熊本県・島根県・福岡県)、群馬農協チキンフーズ(株)(群馬県)、(株)丸本・オンダン農業協同組合(徳島県)

 

国産鶏種「はりま」=「丹精國鶏」の生産に関わる皆さんからのメッセージ

<家畜改良センター>日本国内での食料の安定供給をめざし、国産鶏種の育種改良を行なっています。

 

「国産鶏種の開発は、日本の食料の安全保障に欠かせません」

 

独立行政法人 家畜改良センター兵庫牧場 
池内 豊さん

 

家畜改良センター兵庫牧場は農林水産省所管の独立行政法人で、国産鶏種の改良をしています。国産鶏種の改良は食の安全保障上も非常に重要と考えています。外国鶏種だけに依存していると不測の事態で鶏の輸入が止まった場合、国内での鶏肉生産がストップする可能性があり、鶏肉価格が高騰する恐れもあります。

海外では近年育種改良をする企業が合併を繰り返して巨大化し、効率的な育種改良に拍車がかかりました。一方兵庫牧場は海外に比べてとても小さな規模で行なっているので、なかなか対抗できません。そこで「日本の気候風土にあった鶏を作ろう」と育種改良が始まり、2001年国産鶏種「はりま」が完成しました。

国産鶏種の改良は、長い時間と労力が必要です。官民一体となって「丹精國鶏」を普及する活動に取り組んでいきたいと思っています。


<株式会社イシイ>国産鶏種「はりま」の交配と孵化を行ない、ヒナを鶏肉生産者へ出荷します。

 

「国産鶏種を絶やしてしまわないように、大切に育てています」

 

株式会社イシイ 
直井 和典さん

 

私たちイシイの役割は、家畜改良センター兵庫牧場で育てられた種鶏(親鶏)を交配して、卵を産ませてヒナをかえし、秋川牧園や群馬農協チキンフーズ、オンダン農協へ出荷することです。

鶏は、生産と消費のバランスに合わせて羽数を調整する必要があります。しかし「はりま」は外国鶏種とは違い、生産数が少なく出荷先も限定されているので、生産と供給に過不足が生じた時、他から補充したり転売したりすることができません。

そのため常に1割から2割、必要数より多くのヒナを生産しています。求められる「はりま」の羽数をきちんと届けられるように、限られた親鶏をきっちり飼育して絶やさないように。私たちはまずそこに気を遣っています。

このように、外国鶏種に比べると難しさはありますが、代替がきかない国産鶏種であることこそが「はりま」の価値でもあります。年間200万羽の生産と消費は、採算がとれる最低ラインです。一羽でも多く食べてもらえるように努力して育てていきたいと思っています。

 

<生産者>「丹精國鶏」の生産から精肉・加工を行なっています。
全農チキンフーズ(株)・群馬農協チキンフーズ(株)、(株)秋川牧園、(株)丸本・オンダン農業協同組合

 

「丹精國鶏のおいしさをいろいろな部位で実感してほしい」
 

群馬農協チキンフーズ株式会社
阿佐美 菊男さん


 

群馬農協チキンフーズでは健康な飼育を心がけています。平飼いの開放型鶏舎で、一般的な鶏より少ない35羽(冬は40羽)で育てています。開放型鶏舎は自然環境からの影響を大きく受けるので、鶏を元気に育てるには、多くの人手がかかります。

エサは遺伝子組み換えでないトウモロコシや大豆粕のほか、国産の飼料用米を20%まぜて与えています。健康な飼育環境に加えて植物性のえさを与えることにより、臭みがなくしっかりとした食べ応えの、うまみのあるお肉になっています。「丹精國鶏」は、自信をもっておすすめできるおいしい鶏肉です。

一羽からとれる肉の比率は決まっています。ムネ・モモ・手羽先・手羽元・手羽中・内蔵。これらの部位を一羽のバランスに合わせて食べていただくことは、ムダのない鶏の生産、価格の適正化につながり、ひいては組合員の皆さんのメリットにもなります。日本で改良された、種の自給ができる大切な「丹精國鶏」を、ぜひ多くの方に食べていただきたいと思います。

 

 

「つくる人と食べる人が、一つのチームになって取り組む事業」

 

株式会社秋川牧園
秋川 正さん


 

私たちは「丹精國鶏」の生産者として、どう育てるかと同じくらい、どう食べてもらえるかが大切だと強く感じています。国産鶏種を守り育てていくという価値を共有できないと持続的な生産は難しいからです。

外国鶏種は、海外の企業が生産性や飼育効率だけで品種改良を進めてしまう傾向にあり、私たちのような小さい生産者の声はなかなか届きません。しかし、国産鶏種「はりま」=「丹精國鶏」はそうではありません。食べる人とつくる人の距離が近いことにより、消費者の要望は生産者や育種改良の現場に届き、逆に育種改良の努力や生産の実情が食べる人に届いて、お互いにとってより良い鶏肉づくりにつながります。

私たち生産者と、(株)イシイ、(独)家畜改良センター兵庫牧場、そして食べる人も合わせて「丹精國鶏」を広めていく、丸ごと一つのチームだと思っています。

「丹精國鶏」を食べてくださる人々の思いを受け止めながら、課題に向かっていける関係を今後も構築していきたいと思います。
 

 


「健康に育てた国産鶏種「はりま」は生産者にとっても大きな魅力」

 


株式会社丸本・オンダン農業協同組合
株式会社丸本 丸本敦さん



国産鶏種「はりま」の取組みのきっかけは、以前からおつき合いのあった生活クラブに声をかけていただいたことからです。オンダン農業協同組合の生産設備は近年の東北地区や九州地区の規模と比較すると小規模なので、「はりま」のように生産量は少なくても特色のある鶏種を手がけることで、他の鶏肉生産と差別化がはかれる点にも魅力を感じました。

「はりま」の飼料には、NON-GM、PHF※2トウモロコシやNON-GM大豆油かすを使用しています。また飼料には、治療薬としての抗生物質も基本的に使用しないと決めています

※疾病による死亡率が著しく、大幅な出荷減が予想される場合、治療薬として抗生物質を使用する可能性はあります。

「丹精國鶏」は、一般的な飼育期間より長く育てることで肉がコシのある食感になるのが特長です。まずはいろいろな部位のおいしさを味わってみてください。オンダン農業協同組合では、今後も組合員のニーズに合った、安心して食べていただける鶏肉づくりをめざしていきます。
(NON-GM:遺伝子組み換えでない。 PHF:ポストハーベストフリー。収穫後農薬を使用しない。)

 


 

食べる力を集めて値下げを実現

これまでの組合員の利用と生産者の育種改良や飼育技術向上が実を結び、2017年11月よりさらに利用しやすい価格に値下げしました。

国内自給に貢献できて安心でおいしい「丹精國鶏」が、日本の中でもっとあたりまえに食べられる鶏になっていくように、より多くの人に利用してもらえるよう努力していきます。
 

プロに教わる!鶏肉の調理法はこちら

 

【次回は最終回、「おいしさのヒミツ」です】

 

《連載記事はこちら》
【丹精國鶏コラムVol.1】国産鶏種への挑戦、そして「丹精國鶏」へ

【丹精國鶏コラムVol.3】おいしさのヒミツ~「丹精國鶏」を丸ごとおいしく~

【2017年11月21日掲載】