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【生活クラブ消費材10原則コラムVol.4】「ガバナンス(自治)」を大切にします

“健康で安心して暮らせる社会”の実現のために、組合員と生産者が共に守り目指していく「生活クラブの消費材10原則」。この「消費材10原則」の考え方や、消費材にどのように活かされているかについて紹介するシリーズ。最終回の今回は、「ガバナンス(自治)」に関わる原則についてご紹介します。

積極的な情報の開示で「わかって食べる」を大事に

1968年、牛乳の共同購入からスタートした生活クラブ。当時、市販の牛乳はつくり方も価格の中味も消費者には開示されていなかったことに対し、「情報をきちんとわかって食べたい」と主婦たちが異議を唱え、自前の牛乳工場を作るに至りました。それから半世紀経つ今も、食べ物について誰がどのように作ってどこから運ばれたものなのかを知り「わかって食べる」ことは生活クラブの基本。情報の開示はすべてに関わる大切な原則です。

農産物の栽培履歴を細かく公開しています

生活クラブでは農産物の取組みにあたって、生産者が栽培履歴を開示することが必須となっています。栽培履歴の開示とは具体的には、農薬使用予定・実績リスト、肥料使用予定・実績リスト、生産者カードなどの公開のこと。例えば農薬の使用予定・実績リストでいえば、生産者は、すべての使用予定農薬の品名・有効成分等の詳細情報の開示と使用予定回数を品名ごとに記載し、使用実績も1年間が終わったタイミングで記載して、生活クラブに提出しています(肥料使用予定・実績リストも同様)。生産者にとっては手間のかかるステップではありますが、開示を行うことで組合員は栽培方法をわかって農産物を選ぶことができ、安心で安全な栽培方法に意欲的な生産者を評価することにもつながります。そして生産者は、組合員の共同購入を背景に持続可能な農業を行うことができます。

生活クラブの「アースメイド野菜」はこちらから>>

放射能検査結果の公表は食の安全を考える判断材料に

放射能検査結果の公表とデータベース化も、情報の開示の特徴的な取組みのひとつ。生活クラブでは従来から放射能検査(主に1986年のチェルノブイリ原発事故由来の放射能汚染の測定)を行ってきましたが、2011年の東京電力福島第一原発の事故以降は、生活クラブ独自の放射能検査がより重要性を増してきました。国内での深刻な放射能漏れ事故という経験のない事態に対して、与えられた情報だけでは信頼性に欠けるため、食品への影響を自ら測定して公開し、食べるための判断材料を揃えることが大事になってきたのです。検査結果はすべて公表され、データベース化されています。また、生産者自身も消費材の原材料や製品についての検査を独自に行っています。それらの結果を公表し放射能汚染の実態をきちんと把握することで、組合員と生産者が協力して対策を打ち出すことにもつながっています。

生活クラブ「最新の放射能検査結果」はこちらから>>

 

「わかって食べる」ための情報開示を徹底

また、生活クラブでは生産者が生産原価の開示も行っています。一般のメーカーではまずないことですが、生活クラブの提携生産者は、消費材の生産方法・容器・包材・保管方法や運送のコストなども含め、生産のための情報を公開しています。そのうえで生産者と組合員が話し合い、生産原価にしたがって価格を決定しています。これは、お互いが持続可能な生産と消費をめざすためのしくみのひとつです。その他にも、加工食品の原材料をカタログとインターネット注文のeくらぶのサイトに掲載する取組みも。カタログへの原材料の表示は紙面スペースの制約などもあり難しい課題でしたが、「原材料を知ったうえで注文したい」という要望に応え、組合員がより安心して消費材を選べるようになっています。

▲生活クラブの「食べるカタログ」(左)。インターネット注文「eくらぶ」は各品物の「詳細表示」から原材料やアレルゲンなどの情報を確認することができます。(右)

消費材について独自の基準を定め自ら点検を行います

消費材について生産者と組合員で独自の基準を定め、その基準にどのように取り組んでいるかを組合員自身が確認しているのも、生活クラブのガバナンス(自治)の実践のひとつです。

消費材の分野別に詳細な自主基準を定めています

自主基準は、消費材をつくる際の品質のものさし。何か新しい消費材をつくるときには、「原材料の産地はどこか」「遺伝子組み換え作物は使っていないか」「製造や衛生管理の取組みはどうか」など、消費材によって70~130もの項目を自主基準に照らしてチェックします。自主基準をクリアしないと消費材はデビューできません。自主基準には、農業(野菜・果樹・水稲・きのこ)、漁業、畜産、加工食品、生活用品、容器包装の6分野と放射能があり、組合員と生産者の代表が一緒に討議して決めるのが大きな特徴です。

生活クラブの「自主基準」について>>

生産者と組合員の直接対話で消費材をより良くする「消費材Step Up点検

消費材はデビューして完成ではありません。たくさんの組合員が参加する生活クラブならではのユニークな活動「消費材Step Up点検(旧 おおぜいの自主監査)」によって、たえず消費材の品質を高める取組みが続きます。

「消費材Step Up点検」では、組合員自らが生産現場を訪問し、製造環境や製造工程を確認して生活クラブの自主基準への達成度をチェックします。生産者は組合員の要望に応じて、生産に関わる情報を開示します。

合員はただチェックするだけでなく、生産者が直面している課題などについても聞き取りをして、確認できたことや意見を報告書にまとめて生産者に伝えます。

「消費材Step Up点検」という、自主基準を軸にした緊張感のある関係は、消費材のレベルアップによい効果をもたらしています。生産者にとって製造面の見直しや新たな発見につながるのはもちろんですが、組合員にとっても、現場を訪れることで消費材の優れた点や生産者のこだわりなどをより深く理解できます。ここで知ったことをおおぜいの組合員や知人・友人に伝えることで、さらなる消費材の利用につながり、生産を支えることになるのです。

自主的なガバナンスのもと健康で安心して暮らせる社会をめざす

組合員一人ひとりが主体的に考えて行動することが、生活クラブのすべての活動のベースです。自分たちの健康、安全、そして未来にかかわる食や環境のことを、人任せにせず自分たちで選んで決めていく。この自主的なガバナンス(自治)の考えのもと、すべての基礎となる環境の保全に努め、持続可能な経済社会を構築し、“健康で安心して暮らせる社会”の実現をめざします。


今回紹介したのは、
第9原則 積極的に情報を開示します
第10原則 独自基準を定め、自主的な管理をすすめます
という2つの原則でした。


生活クラブの消費材10原則
(経済・社会に関する原則)
第1原則 安全性を追求します
第2原則 遺伝子操作された原材料は受け入れません
第3原則 国内の自給力を高めます
第4原則 公正で責任ある原材料の調達をめざします
第5原則 素材本来の味を大切にします
(環境に関する原則)
第6原則 有害化学物質を削減します
第7原則 3Rを推進し、さらなる資源循環をすすめます
第8原則 温室効果ガスの排出削減をすすめます
(自治に関する原則)
第9原則 積極的に情報を開示します
第10原則 独自基準を定め、自主的な管理をすすめます

「消費材10原則」の詳しい解説はこちらのページへ

【2018年9月25日掲載】


生活クラブ消費材10原則コラム

vol.1 安全性と素材本来の味を大切にします(2018.7.30)
vol.2 国内の自給力を高めると共に公正な調達に努めます(2018.8.20)
vol.3 生命の基礎となる「環境」を守ります(2018.9.3)
vol.4 「ガバナンス(自治)」を大切にします(2018.9.25)