生活クラブ活動情報

 活動情報一覧へ

【遺伝子組み換えコラムvol.3】種子と遺伝子組み換え作物

生活クラブは1997年以来、遺伝子組み換え作物(Genetically Modified Organisms=GMO)を取り扱わないことを基本にし、すべての消費材の原材料から家畜の飼料まで見直し、遺伝子組み換え作物を使わないよう対策を行ってきました。
そもそも遺伝子組み換え作物とはどんなものなのか、どんな問題があるのか、なぜ対策が必要なのかなど、このコラムではシリーズで一つひとつ解説していきます。


今回は、遺伝子組み換え作物の種子のこと、そして生活クラブの遺伝子組み換え対策について解説します。

第3回 種子と遺伝子組み換え作物

一握りの企業が販売する遺伝子組み換えの種子

世界各国の遺伝子組み換え作物の作付面積は年を追うごとに増加しています。例えば日本へ多くのトウモロコシや大豆を輸出する米国。2016年の遺伝子組み換え作物の栽培面積の割合は、トウモロコシで92 %、大豆で94 %(※)にもなっています。
栽培面積が年々拡大する遺伝子組み換え作物ですが、その種子は、ほんの一握りの多国籍企業から供給されています。ここ数年、種子会社はさらに買収・合併等を繰り返し、より巨大化が進んでいます。また、遺伝子組み換え作物の種子はこれらの企業が特許を取っていることがほとんどです。
 
食の根幹をなす種子を、ひと握りの企業に依存するような状況になっています。米国からトウモロコシを多量に輸入している日本にとって、無関係とはいえない状況です。


※農林水産省「我が国への作物別主要輸出国と最大輸出国における栽培状況の推移」より
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/zyoukyou/attach/pdf/index-13.pdf

遺伝子組み換えでないトウモロコシの輸入に取り組む

現在、日本ではトウモロコシなど、飼料用の穀物を輸入に依存しています。飼料には遺伝子組み換えかどうかの表示の義務がなく、食卓にのぼる肉や卵が、どんな飼料で育てられたものか、消費者が調べるすべがない状況です。

生活クラブでは、1998年から飼料用に遺伝子組み換えでない(NON-GM)トウモロコシの輸入を開始しました。その後2009年から米国の種子会社と生産者、集荷会社であるCGB、穀物輸入商社である全農グレインと協力し、種子の開発から栽培、集荷、輸出(輸入)までNON-GMトウモロコシを分別管理して輸入するプログラムを作り、米国のNON-GMトウモロコシ生産者らと作る・食べる約束をしました。さらに、NON-GMトウモロコシの継続的な確保を図るため、このプログラムに参加する種子会社らへ長期的(5年間)なNON-GM種子の生産と開発を要請し、作り続ける・食べ続ける約束を行いました。以後、5年毎に契約を更新してきました。

 

遺伝子組み換えしていない種子が届くまで

毎年、生活クラブの組合員や生活クラブと畜肉類を提携する生産者等が米国を訪れ、現地の種子会社、生産者ら、このプログラムの当事者が顔を合わせて食べ続ける・作り続けることを確認してきました。2019年は5年毎に行ってきた種子生産の契約更新タイミングにあたります。その準備に向けて今年2018年10月に米国に赴き、種子会社、生産者、穀物集荷会社と、2023~2027年までの契約について協議を開始します。

2018年現在、日本のNON-GMトウモロコシの需要は減少傾向にあります。その主な原因は、日本のビールメーカーが発泡酒やいわゆる第3のビールの原料のコーンスターチや糖類に、NON-GMトウモロコシを使用するのをやめたことがあります。このような状況下だからこそ、日本の消費者自らが米国の生産者らへ直接、「継続して食べる」という意思表示を行うことがますます重要になってきています。

輸入トウモロコシに依存しない体制づくり

NON-GMトウモロコシを輸入しなければならないそもそもの原因は、飼料の原料を輸入に依存していることにあります。遺伝子組み換え作物を使わなくてすむようにするには、NON-GMトウモロコシを輸入するだけでなく、飼料原料の自給にも取り組む必要があります。そのため、生活クラブと提携している(株)平田牧場(豚肉の生産者)、JA庄内みどり遊佐町共同開発米部会(米の生産者)らと1996年から取り組んだのが「飼料用米」。生産調整により休耕していた田んぼにお米を作付けし、できたお米をトウモロコシに一部置き換えて豚の飼料として与える。そして、その豚肉を生活クラブで食べていくという取組みです。

この取組みによって、輸入トウモロコシの給餌量が抑えられただけでなく、休耕田の有効活用につながり、さらに地域内資源の循環を生み出すことができました。現在、飼料用米の取組みは豚だけでなく、肉用鶏・採卵鶏・肉牛・搾乳牛などにも広がっています。

飼料用米ほ場(左)と飼料用米の入った配合飼料(右)

【2018年10月3日掲載】