ビオサポだより 味噌づくりの現場で聞く「味噌事情」

第121回

味噌づくりの現場で聞く「味噌事情」


L’s選定消費材の「国産十割こうじみそ」をはじめ、「天然醸造100%こうじみそ」「信州田舎みそ」といった生活クラブでおなじみの消費材を供給している、(株)マルモ青木味噌醤油醸造場。長野県長野市にある会社をビオサポメンバーが訪問し、その味噌づくりについてお話を伺ってきました。

国産を中心に信頼できる原材料を厳選しています

味噌づくりはとてもシンプルなもので、原材料も米と大豆と塩だけ。シンプルだからこそ、確かな原料を使うことがとても大切だといいます。材料に使う米は99%国産のもので、加工用米を庄内、ながの、上伊那などから、有機JAS米を加美よつばなどから調達しています。国内の加工用米は、減反の補助金対象の米となっており、これを原料として使うことは、国内農家が米を作り続けるための手助けにもなっているそうです。味噌は和食の基本であり、国内の農業や従事者あってこそ原料確保が成り立つという考えがそこにはあるんですね。大豆は、北海道産の大豆のほか、中国の自前の農場で生産する有機大豆を使っています。塩は主に、海水を原料とした長崎の並塩を使用。こう聞いただけでも、原料のひとつひとつをこだわって選び抜いていることが伝わってきます。

市販品の中には「酵母菌」の活きていないものも

こうした厳選した原料を、活きた「酵素(米麹由来)による分解」と「酵母による発酵」で熟成させるのが、本来の味噌。ところが、市販品の味噌の中には、酵母の過発酵によるパッケージの膨張や破裂を防ぐため、加熱処理などによって酵母菌を殺菌してしまっているものも多いんだそうです。(>_<) そういった味噌は本来の旨みを醸し出すことはありません。また、市販でよく見かける「だし入り」の味噌も、酵素がだし成分を分解してしまわないよう加熱処理が前提なのだとか。マルモ青木味噌がつくっているような、微生物の働きを生かした味噌本来の機能と旨みを持つ製品は減少しつつあるとのこと。私たちが生活クラブの消費材で日頃親しんでいる味噌のおいしさは、実は貴重なものなのですね。

生活クラブと共に培った考え方を今も大切に

提携産地で原材料を確保するという考え方や、トレーサビリティ(食品の生産、加工、流通などの情報を追跡できる状態にすること)も、生活クラブと二人三脚でやってきたからこそ確立したそうです。マルモ青木味噌の年間生産量は、現在約3,500トン。生活クラブとの提携が始まった72~73年ごろは年間300トンほどで、そのうち8~9割が生活クラブ向けでした。近年では一般市場への出荷も増えて、生活クラブ向けの生産量は直近の1年間で約430トン、全体の12%ほどということです。国産原料や味噌本来の製法にこだわるという、生活クラブと共に培ってきた考え方を、今はどんどん一般市場へと広げているといえそうです。

機械化された工程でも最後は人の手が必要

マルモ青木味噌は、1000社ほどの業界の中では20番目ぐらいの規模。マルモ青木味噌のように、酵素・酵母を生かした昔ながらの味噌づくりをしていて、しかもそれを機械化しているところは少ないのだとか。機械化されていることによって、多くの人の手に届く生産量を確保できるわけですが、それでも工程の最後は、人の手をかけなければならないそう。味噌の声を聞き、味噌と対話しながら、丁寧に世話をする、そういったプロセスが欠かせないそうです。

今回、(株)マルモ青木味噌醤油醸造場を訪れ、味噌が生まれるまでのプロセスを見せていただき、お話を伺いました。そのあとだと、青空に映える「信州㋲みそ」の文字の入った建物も、こちらの思い入れのせいか、見え方が違うような気がしました。近代的な設備と伝統的な製法で、仕込から製造管理までをこだわりを持ってつくりだされる味噌。そのおいしさを、普段から献立に取り入れ、もっともっと活用していきたいですね。