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2008年04月30日:農業協同組合新聞

JA庄内みどり、新たな水田農業の展開へ挑戦

報告:JA庄内みどり組合長・阿部茂昭

 「今年は新たな水田農業の展開に向けた挑戦の年だと考えている。
  現在の米の販売高は約118億円で平成6年の合併時にくらベ83億円もの減となっている状況だ。購買もそれに応じて落ち込んでいる。この15年間、いかに低米価だったかを物語っている。
  米の集荷数量は75万俵で集荷率は95%程度となっている。米の販売戦略の基本的な考え方は、安全・安心、信頼を基本に減農薬米、減化学肥料栽培と、直接販売を強化して顔の見える販売に取り組んでいきたいということだ。
  直販事業は、平成8年から始めた。組合員から顔の見える販売をという要望に応え、しかも組合員が1俵あたり100円の販売促進費を負担するから、という姿勢があったからだ。JAにがんばって売ってくれということだった。 これまで代金回収などのトラブルはなく、ほとんどは前払い制度で行っている。
  この背景には旧遊佐農協時代から30年あまりにわたっている生活クラブ生協との交流があった。これは直接販売ではなく全農経由だが10万俵の米を販売しているだけでなく、野菜取引の安定した拡大にもつながっている。

飼料用米プロジェクト参画支援

 20年産は例年になく取引先からの販売要望が多い。地域の集落営農とつながりをつけていきたい、それをJAが仲立ちしてくれないかという声が多くなっている。産地指定と直販、それから生活クラブ生協への販売を合わせれは例年の集荷量の8割ほどで販売先がすでに決まりつつある状況だ。 中心品種は「はえぬき」でほとんどが業務用。産地としては家庭用販売にも力を入れたいと考えているが、ひとめぼれの品質、食味が安定したものになって評価も高まっており、これに品種誘導をしていきたい。 低コスト農業の実践として直播にも取り組み、ここにきて鳥害のないⅤ溝による直播が急速に広がって今は100haほどになった。収量も移植による米づくりと変わらない。高齢化の進展もふまえこれをどう普及させていくか課題としている。
  飼料用米の取り組みが昨年から注目されているが、これは生活クラブ生協と酒田に本社のある平田牧場とそれからJAの3者による取り組みとして始まった。 いうまでもなくこれは食料自給率の向上、水田の多面的機能の維持、食の安全・安心に応えるものだ。
  今回の3者による取り組みは平成16年からで最初は8ha、収量は平均400kg程度だった。それが20年産では300haまで拡大する見込みだ。600名の農家が参加し1900トンぐらいになる。世界的な穀物相場高騰を反映していると思う。本来であれば主食用生産をしたいが今の穀物状況を考えれば飼料用米をつくりながら水田の多面的機能を維持していきたいと考えている。

 ただ、収支はかなり厳しい。収量は800kgにはなるはずだが、飼料用の買取価格からすると10aあたり3万円程度。ここに産地づくり交付金と県独自の助成を合わせて合計でようやく7~8万円になる。ある程度の政策支援がないと継続できない事業で予算の裏付けがなければまったく合わない。
  今後は600haほどに拡大してほしいと要望がある。一方、大豆の作付け面積が1800haほどあるが、収量は平均140kg程度。その要因は連作障害で、これを飼料用米とのブロックローテーションで作付けていけば大豆の収量増にもつながる。
  米からの脱却を進めなければならない。ただ、地域の条件からすると麦生産は無理で大豆も限界がある。また、地球温暖化や国際的な穀物状況を考えると、全国的に適地適作を考えるべきではないか。米価が低迷しているなか、米づくりについては県間調整も視野に入れなければ自給率の向上にもつながらないのではないか。これも前向きに考えることが必要ではないか。