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2008年05月22日:日本農業新聞

飼料米 利用と研究(下) ─鶏卵─

安心感で要望も/機能性がアップ

資源循環で栽培した飼料米を給与する農場(千葉県旭市で)

 千葉県旭市の 旭愛農生産組合は生協などと協力して、1998年から飼料米を給与して採卵鶏を飼育している。鶏ふんの水田還元を目的とした耕畜連携の地域循環型農業を実践するために、全国でも早い段階から飼料米の利用を進めてきた。
 今は飼料米の給与量はごくわずかになっているが、これは卵の販売価格に飼料米のコストを上乗せすることを、消費者との問で合意しながら進めてきたためだ。市内の水田では今年は飼料米を増産。市は養鶏での活用を期待する。
 旭市の水田面積は約3370ヘクタールで、県内有数の米どころ。2008年産の飼料米栽培面積は、約41ヘクタールを見込む。市農水産課の林清明主幹は「市内には大規模な畜産農家で飼料米に興味を持っているところもある。取り組みの広がりが地域農業の活性化につながれば」と話す。
 旭愛農生産組合が飼料米利用に取り組んだきっかけは、市や生協などでつくる市の環境保全・循環型農業モデル事業での活動からだった。現在は約10万羽の鶏に、飼料の0.4%の米を与えている。年間使う30トンの米は、食用米を60キロ当たり1万3000円で購入して鶏に給与する。
 「04年に中止しようとの議論もあったが、消費者側からわずかでも継続してほしいという声があった」と、同組合の大松秀雄組合長。米の給与に消費者からの理解があった。
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 青森県農林総合研究センター畜産試験場は07年度、飼料米を採卵鶏に給与する試験に取り組んだ。飼料米を与えた鶏が産んだ卵がどうなるのか、品質や成分の成績をまとめた。
 採卵鶏の配合飼料では通常、トウモロコシが60%を占めている。このトウモロコシを10%単位で飼料米と置き換えて飼育した。配合飼料全体の栄養成分は、粗たんばく質が17%、エネルギーが2860キロカロリーになるように調製。飼料米の配合割合別に、合計7つの試験区を設けて比較試験をした。   
 産卵率や卵重などは差が無かったが、卵黄色は飼料米の割合が増えるごとに薄くなった。配合割合が30%までは、見た目にはっきりとした変化は無いが、40%以上を米に代替すると、白っぽくなり始めた。卵の脂肪酸組成を調べると、飼料米の割合が高いほど、健康に良いとされる方向に変わることも分かった。
 同試験場の小原孝博研究管理員は「飼料米50%以上になるとリノール酸などが減り、ドコサヘキサエン酸などとのバランスが良くなるので、健康に良いとされる脂肪酸割合になる。卵黄色での差別化と合わせて高付加価値販売が見込める」と話す。