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2008年07月20日:生協流通新聞

国産採卵鶏─生産体系が崩壊の危機 穀物値上がり 中小業者に打撃

養鶏業者・生協などが緊急集会 

宣言文を読み上げる生活クラブと<br />鹿川グリーンファームの代表

国産の種鶏から育てた採卵鶏でたまごを生産をする国内の養鶏業者らが、6%のシェアしかない国産鶏の絶滅を危惧し、東京・千代田区のJAホールで「国産採卵鶏を守る緊急集会」を開催した。農林水産省が後援。
 主催した実行委員会は、生活クラブ、パルシステムの各連合会のほか、大地を守る会、国産鶏の育種会社・後藤ふ卵場、国内の養鶏業者など関係団体や企業で構成。
 国内で流通する国産採卵鶏のたまごは「岡崎おうはん」「もみじ」「さくら」の3種類で、中小の養鶏業者が多い。

緊急集会での実践報告

 集会では、生活クラブ東京の若林裕子氏と鹿川グリーンファーム・専務の丸尾敏晴氏がステージに立ち、生産者と消費者の協力で「純国産鶏」を維持・拡大し、日本の農畜産業を復活していくことを誓う集会宣言が読み上げられた。
 冒頭、実行委員長を務める会田養鶏組合長の中島学氏が主催者あいさつし、「世界の食料供給は緊急事態で、穀物の値段は天井知らずの値上がりが続いている。採卵鶏は94%が外国に依存しており、『すべての種を制する者は世界を制する』という言葉が現実のものとなっている。国産鶏を守ることを出発点として、食と種を守ることの重要性を訴える行動を全国に広げていきたい」と述べた。

国産鶏の維持・拡大を訴えて<br />生産者と消費者が会見

 基調講演では、たまごの消費拡大(1日2個)を訴えて自転車で全国縦断した岡山県の養鶏業者「のだ初」の専務取締役・野田祐一朗氏が、5カ月間の旅の様子などを紹介。
 日本人のたまごの年間消費量は、約330個(加工品含む)。野田氏は「MADE IN JAPANの底力~養鶏業界が元気になれば、日本も元気になる!!」と題し、旅で出会ったニワトリの足を3本に描く学生や、「赤たまごは色が塗ってあるのでは?」というスーパーのバイヤーなどのエピソードを紹介。「たまごは1日1個」と思っている人も含め、養鶏・たまごに対する無知や誤解をなくすことが、消費拡大にもつながる点を強調。
 採卵鶏の種は世界で2社の育種会社が独占しており、鳥インフルエンザなどで輸入がストップした場合、種鶏が入ってこなくなる。国内で種から生産した高品質な鶏卵の「良いたまご」を伝えて消費拡大を図り、飼料原料や鶏種で輸入に頼らない鶏卵業界に変わることが、本当の自給率向上につながるという。
 また、コウノトリで有名な兵庫県豊岡市の西垣養鶏場・代表、西垣源正氏(美味しさへのこだわりと循環型農業経営)と山梨県にある黒富士農場・社長、向山茂徳氏(発酵飼料の技術と実践活用)が、それぞれBM技術の活用や食育などの実践事例について報告。
 集会前に行われた会見には中島組合長のほか、後藤ふ卵場、生活クラブ専務理事の福岡良行氏、大地を守る会理事の吉田和生氏などが出席し、国産採卵鶏を扱う養鶏業者の窮状や、世界的な穀物価格の高騰などで国内の生産体系が崩壊の危機にあることを訴えた。