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2008年08月05日:生協流通新聞

生活クラブ・水産政策で資源枯渇に対応

「魚が減る時代に、食料としての水産物をどう食べていくか―」。生活クラブ連合会は、持続的な生産と消費による資源に配慮した食べ方の時代へと漁業をめぐる状況が大きく変わったことを受け、新たな水産政策をまとめた。漁業資源の乱獲を防ぎ、魚を賢く食べていく消費者視点の新政策を紹介する。

養殖魚の取り組みを検討 ― 加工など食べ方も創出へ 

 水産物の取り組みは、1977年に共同購入の「冷凍スルメイカ」からスタートした生活クラブ連合会。昨年度は利用金額73億円、一人当たり平均2,823円と食品全体の14.3%を占めるまでに成長した。
  しかし、持続的な生産と消費をモデル化する産地(コア産地)をつくるまでには至っておらず、水掲げの減少で安定供給が危ぶまれるという課題も浮上している。
 今回の政策は、<1>水産物への取り組み視点の明確化、<2>食料自給力の強化と食料としての水産物の安定取り組み、<3>組合員要求の実現と結集力による問題解決能力の向上、<4>社会情勢の変化を踏まえた今後の対応―を目的に掲げている。
 少子高齢化や生活スタイルの変化、世界的な魚食の普及による漁獲資源の枯渇などを踏まえ、今後の水産物への取り組みは使用する側の価値に立ちながら、素材だけでなく加工品や半加工品にわたる多様な食べ方をめざすことが必要になる。

【基本政策】
 生産者との直接提携を基本とし、水産物の持続的消費を通じて国内漁業を守り、食料自給率の向上をめざす。その際、浜に近い漁協・魚連との提携や、沿岸漁獲物を優先する取り組みを進める。
 また、天然魚の資源管理とともに、栽培漁業や健康な魚づくりをめざす養殖漁業に対する認識を深め、天然魚の水揚げ減少や端境期の補完対策として、養殖魚の取り組みを検討する。
輸入が避けられない水産物については、生産地の環境破壊や資源管理、持続可能な国内漁業への影響に配慮し、視点を明確にしながら取り組む。
  経済的なグローバル化が進むなかで、生産を担う地域の崩壊が進んでいる。そのため、協同組合に限らず、地域での生き方や地域問題に取り組む人々との提携を深め、取り組みが地域づくりや地域再生につながる関係づくりを進める。

【今後の強化策】 
 産地形成は、<1>国内自給を進めていく基盤となる産地を確立するため、漁協・魚連との直接提携を優先して進める、<2>産地や製造元を複数化することで原料リスクを分散する、<3>資源管理や環境保全のほか、地域づくりや地域再生とつながる取り組みを進める。
  利用を高めるため、外食や中食に頼らずに家庭での調理機会を増やすことが、安定した消費と生産を実現する有効な手段となると位置づけ、嗜好品のバラエティ化ではなく、家庭内調理の機会を増やし、魚食の幅を広げる加工品開発を進める。
  持続的な取り組みに向けた利用の結集では、食べ方を明確にする(基本政策)とともに、食べ方の優先順位を整理し、加工度のバランスをとりながら食べる側に立った52週の年間取り組みを計画的に進める。
  輸入水産物は「食料としての安定的な取り組み」という視点から、<1>国内漁業を阻害しない(国内で水揚げが少ない魚種)、<2>地域(日本近海に近い地域を優先)、<3>相手国の資源や環境に配慮、<4>素性・中間流通 を明らかにする、<5>消費に対する節度-など、制限的な取り組みを前提とする。