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2008年08月10日:コープニュース

国産採卵鶏が存亡の危機

シェア6%、飼料高騰が打撃

 価格変動が少なく「物価の優等生」と称される鶏卵。自給率は約95%だが、実はその卵を産む鶏(採卵鶏)の94%は海外からの輸入だ。最近の飼料価格の高騰で、もともと少ない国産の採卵鶏を扱う農家が大きなダメージを受け、国産採卵鶏が存亡の危機にひんしている。

世界規模で寡占
 国産採卵鶏を守ろうと、「生活クラブ生協連合会」や「パルシステム連合会」などの消費者団体と生産者の計17団体が実行委員会をつくり、7月4日に東京都内で「国産採卵鶏を守る緊急集会」を開いた。 同集会実行委員会(委員長・中島学会田共同養鶏組合組合長理事)によると、世界の採卵鶏市場は現在、ドイツとオランダの2大育種グループの寡占状態にある。
 海外の育種会社は採卵鶏の元となる「原種鶏」を雄か雌の一方しか販売しないなどの制限をしているため、養鶏業者は継続的に輸入に頼っている。鳥インフルエンザの流行などで、万一輸入がストップすれば、「2、3年で日本では増殖できなくなる」(独立行政法人・家畜改良センター岡崎牧場)と見られており、卵の生産自体ができなくなる危険性もあるという。
 一方、日本では、大正時代以降、世界でもトップレベルの鶏を生産していたが、昭和30年代に大規模飼育に適した採卵鶏の輸入が解禁されて外国銘柄がシェアを伸ばし、国産鶏は減少していった。

農家養鶏が危機 
 現在では、国産鶏の育種改良は同改良センターや民間の4カ所のふ卵場で続けられており、改良によって、日本の気候風土に合い、卵の生産性でも外国産に見劣りしない「もみじ」「さくら」などの国産鶏が誕生している。外国産は企業秘密のために種の履歴をたどることができないが、国産鶏は生育歴などをたどることができ、安全性を確認できる利点がある。
 しかし、外国産に比べひよこは25%ほど割高で、卵の生産性もやや低いため、6%のシェアにとどまっている。その上、ほとんどは小規模な「農家養鶏」での飼育で、鶏卵価格が低迷する一方、最近の飼料価格高騰が中小業者を圧迫、経営危機に直面して廃業を余儀なくされる事態も生じているという。
 生産者だけでなく、生活クラブ生協連合会などの消費者団体も危機感を募らせ「6%のシェアがいきなり0%になってしまう恐れがある」(同実行委員会)として、緊急集会を開催した。

国産鶏の拡大を 
 集会に先だって記者会見した中島実行委員長は「今、農家養鶏が危機にひんしている。このまま放置すれば、国産鶏が維持できなくなり、国民の食は守れるのかという大変な危機感がある。健全で安心で安全な物を確保すべきだと大きな声をあげていきたい」と語った。
一方、供給している鶏卵のすべてを国産採卵鶏でまかなっている生活クラブ生協連合会の福岡良行専務理事は「輸入がストップした揚合に、タンパク源としての卵が食べられるだろうかという問題が大きい。生協の中でも国産鶏が広がっていくよう、呼びかけていきたい」と話した。
 集会は、消費者と生産者が国産採卵鶏を守る意義について共通認識を深めることを目的に開催。約300人が参加し「生産者と消費者がお互いの現状を共有し理解し広く社会に伝えていき、【純国産鶏】を維持拡大して、日本の畜産・農業の復活に向け取り組むことを宣言します」とした集会宣言を発表した。