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2008年09月10日:コープニュース

シリーズ・私と生協⑥ 二葉晃司さん(二葉製菓社長)

「人と触れ合うのが好き」―他業種生産者や組合員と積極交流

自社製品を前に「生活クラブとの付き合いは、無駄になることがない。<br />ほかで生かせることがたくさんある」と話す二葉晃司さん=東京都葛飾区の二葉製菓

 色のついていないフルーツキャンディーなんてほかにはまずないですよ」
 こう言って笑うのは、創業117年の老舗菓子メーカー「二葉製菓」(東京都葛飾区)の5代目社長二葉晃司さん.生活クラブ連合会にキャンディーやクッキーなどの「消費材」を納入する生産者だ。
 生活クラブは独自の厳しい基準を持ち、食品添加物も「疑わしいものは使用しない」「不要なものは使用しない」などが原則だ。
 菓子類も例外ではない。菓子製造で普通に使われる香料や着色料も使えない。だからフルーツキャンデイーはどの味もほぼ同じ白っぼい色だ。
 「香料を使わないと、口の中に入れたときのぱっと広がる香りが出ない。お菓子には目で楽しむという面もある。組合員との交流会で、色がついているときれいでしょ、と話すと、それって必要なことですかと返される。そう言われると困っちゃって」

チャレンジ精神
 そう言いながらも、より安全なものを求める組合員との対話を楽しみ、難問解決に挑む。香料は果汁を入れた珍しいものを使って生活クラブの基準を満たした。
また、使用が許可されているわずかな種類の着色料を使ってドロップを作ってみたりとチャレンジ精神もおう盛だ。
「色も足りないし、鮮やかじゃない。すったもんだしたけれど、面白かった。ただし賛否両論。怒られたけど、たまにはこういうのもいいわねとも言ってもらえた」とうれしそうに話す。
  「組合員はフレンドリーで思いやりもある。生活クラブの基準は確かに厳しい、面倒くさいのかもしれないけれど、ルールだけきちんとしておけは、それほど厳しいとも思わない」
 「工場の監査も理不尽なことは言われない。いたずらに厳しい基準で縛っているわけじゃないから納得できる。やったらやっただけのかいはあるし、何かあれはすぐに相談に乗ってもらえる」

レベルアップに
生活クラブとの付き合いは先代の父親の時代からで、約25年。売り上げの15-16%程度だが、得られるものはもっと多いという。
水あめは通常、輸入トウモロコシで作られるコーンスターチを原料にしている。遺伝子組み換え作物が交ざる可能性があり、国産のでんぶんで生産された水あめを導入した。世間で話題になる2年はど前の話で、遺伝子組み換えの言葉さえ世間ではあまり知られていない時代だったという。
「当持は水あめの問屋に問い合わせてもピンと来なかった。それから何年かたって、大手のストアから問い合わせがあったときは即答できた。うちはもう解決済みの問題だったから。生活クラブと付き合っていると、情報が早い。うちのレベルアップになっている」

ケチャップあめ
組合員との交流だけではなく、生活クラブに納入する他業種の生産者との出会いも楽しいという。全国を飛び回り、話をしているうちに新たな発想から新商品も生まれる。
単独では手に入れられない、イチゴの王さまと呼はれる「あまおう」のパウダーを仕入れることができ、イチゴのキャンディーが誕生した。また昆布の生産者からは昆布のパワダーを分けてもらって昆布あめも作った。
  「普通じゃありえない、ほかの業種の人たちの話が聞けるのが面白い。人と触れ合うのが好きだから楽しんでいる。商売としてはあまり考えていないから付き合えるのかな」
  他業種の生産者から「うちのものを原材料に使えないか」と言われることも多い。いずれも生活クラブの基準を満たした安全で質の高い材料ばかりだ。
  「いいものだから加工してよって軽い気持ちで言われる。今、一番困っているのは、ケチャップであめを作れって言われてて」と笑う。

 
二葉 晃司(ふたば こうじ)

60年東京都生まれ。3年間の食品関係の専門商社勤務を経て、父親の経営する二葉製菓に入社、製造や営業を経験し、00年から社長。創業1891年の老舗菓子メーカーの5代目。代々女系家族で直系の男子が継いだのは初めてという。二葉製薬は東京・神田で創業、関東大震災後、浅草に移転し、戦後に現在の東京都葛飾区白鳥に移った。66年に株式会社となった。従業員25人。キャンデイーやクッキーが主力商品で、一般には「たまごパン」などが知られている。