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2009年12月28日:日本農業新聞

『だれでも持っている一粒の種』─河邑厚徳、榊田みどり・著

『だれでも持っている一粒の種  生活クラブ生協 レッスンONE』

 牛乳の共同購入からスタートした「生活クラブ生協」に流れる基本精神、食と農の乖離(かいり)によって起こる問題点と対応を深い取材力でまとめた。資本主義体制下では避けられないコスト主義に疑問を持ちながら、「生産する消費者」を目指す同生協の素顔が浮かび上がってくる。
 表題の「一粒の種」とは、一人の自由な意志(種)が希望を現実にできる―との意味を込めた。受け身の消費者から一歩踏み出すことを願ったのだろう。
 同生協は1965年に東京・世田谷で牛乳の共同購入としてスタート。68年、生協組織になった。40年余りの取り組みでは、価格の安いことが絶対的条件にある中で「適正価格」を貫いた。また、安さ・便利さを求めることに対しては、手間の掛かる「予約共同購入」を続けてきた。 
 牛乳や豚肉の共同購入、有機農業者らとの提携のほか、合成洗剤をやめて粉せっけんの利用など、環境問題にも取り組む。 
 設立メンバーが歴史を振り返り「失敗と挫折の連続でした。でも100戦で49敗かな」と本音を語っているのが印象に残る。 (ランダムハウス講談社、1575円)