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2010年07月20日:生協流通新聞

事業連合担当者に聞く─次年度にブランド戦略展開

提携生産地と未使用魚の取組み

生活クラブ<br />福岡良行専務理事

 ――今年度の予算計画。
 「供給高計画は会員単協事業を含め、2009年度の実績対比で100.9%の849億2492万円、連合会の共同仕入れ事業については533億3200万円を予定しています。
 牛乳や米・卵など食料の基盤となる主要品目では、取り組み人員率と世帯あたり利用金額の目標を定め、利用結集を図ります」
 ――関西圏での将来構想づくり。
 「大阪府、兵庫県、滋賀県の3会員単協が加わることで関西圏は2府3県の6会員単協となり、10月から第一段階の消費材供給を開始します。
 今後の関西圏における生活クラブ連合事業の展開に向けて、7月に該当の会員単協が参加するプロジェクトを立ち上げ、中長期的な視点で検討していきます。 初年度は米、牛肉、豚肉、鶏肉・鶏卵など主要品目を中心とする産地政策の構想化を行い、次年度に物流施設や電算システムの効率的な運用をめざす構想をまと めます。
 特に産地政策では、会員単協の組織エリアが広域化していることを踏まえ、関西圏における耕畜連携や地域内循環型農業を基本とした新たな産地形成が重要な テーマとなります。その形成過程を通じて組合員が産地を身近なものとしてとらえ、消費材に利用結集することで、自給力の向上につなげていきます」
 ――消費材政策による主要品目の利用強化。
 「牛乳は、第7次牛乳政策を立案します。高齢化や少子化の進展、小規模酪農家の廃業など生産と消費が構造的に縮小するなかで、改めて牛乳と乳製品の消費 のあり方、自前の3つの牛乳工場の再編検討、酪農生産費のモデル化と検証、国内での飼料自給化推進、経産牛の加工原料としての活用、牛本来の生理を重視し たホルスタイン系改良方向の見直し、粗飼料給餌を重視した飼料設計、乳肉一貫の生産体制などトータルな政策をつくります。
 水産分野では、雄武漁協や重茂漁協、長崎県、三重県、千葉県などの漁連・漁協との提携を強化し、水産資源を保全し活用する『資源管理型漁業』を進めます。
 提携関係を深める一環として、雄武漁協、重茂漁協では組合員参加による植林活動を実施し、各産地で第1次産業を担う農協や森林組合との交流も進め、地域との複合的な提携をめざします。
 また、これまで食用に流通させることができなかった規格外の魚を、複数の魚種を組み合わせた“産地パック”として取り組み、10月から長崎県漁連と協同した未利用魚の『長崎パック』(仮称)の取組みを開始します。
 青果物は、北海道から沖縄までの89の提携産地のなかから、生活クラブ原則に則した評価基準を高いレベルでクリアした『コア産地』を決定します。このコ ア産地を中心に、化学合成農薬・肥料の削減、“要改善”農薬の削減、農法の統一化、環境保全型農業、地域循環型農業などを牽引していく構想です。
 また、青果物提携産地と加工食品原料用の冷凍野菜の開発を進め、(株)西日本ファーマーズユニオンと九州産の原料野菜を活用した取り組みを始めました」

ユニバーサルのRびんを拡大

 ――容器へのユニバーサルデザインの採用。
 「3月からマヨネーズRびんのユニバーサルデザイン化を実施し、4月以降順次、ジャム類や梅干しなどのRびんにも採用しています。10月にはトマトケチャップRびんも切り替えを予定しています。
 このユニバーサルデザイン化も含め、家族構成や年齢構成の変化に対応し、より利用しやすい容器・容量とするための検討会を組合員参加で進めています。容 器については、昨年末から導入したナタネ油用の600グラム缶の評価が高く、組合員の利用が増えました。また、今秋以降に順次、精肉類やジュース類などの 少量化を進めることを検討しています」
 ――利用結集を原動力とした自給力の向上。
 「国内自給力のアップに向け、第1次産業と食品加工業を通じた原材料をつなぐ地域内の仕組みをつくり、持続可能な食料主産地づくりを強化します。
これまで、山形県庄内地域や栃木県の生産者と自給力向上や環境保全型農業の推進をテーマに、点から面への複合的な提携を構築してきましたが、5月には長野 県でも13の提携生産者と生活クラブ長野・神奈川、生活クラブ連合会で構成する『ぐるっと長野地域協議会』が発足しました。
 生産者間の関係性をもとに知恵を出し合いながら、加工食品の原料調達に加え、自給飼料の循環と堆肥の循環、森林から出る木や竹の循環、キノコ培地の域内自給、耕作放棄地の有効利用などを進めていきます」

飼料やナタネでNON-GM継続

 ――遺伝子組み換え作物(GMO)の食品対策。
 「飼料穀物が主軸の米国では、すでにGMO比率がトウモロコシ85%、大豆91%に達し、NON-GM飼料穀物の確保が困難となってきています。全農や 現地法人とともに産地・生産者への働きかけを強め、また国内では提携畜産生産者への原料普及に努めながら、米国でのNON-GMトウモロコシ・大豆の作付 けを継続します。
 ナタネについても、西オーストラリア州でのモラトリアム(商業栽培禁止処置)撤廃など先行きは一層厳しくなっていますが、契約栽培条件の検討や現地のNON-GMO運動を推進する人々との連帯を深め、非遺伝子組み換えナタネの維持に取り組んでいきます」
――社会に向けたアピールや情報戦略。
 「生活クラブの社会的な認知度を高め、広く発信していくためのブランディング戦略づくりが4月から始まっています。
 次年度からの展開を考えていますが、グループ共通で対外的に使う生活クラブの名称やロゴ、イメージカラー、キャラクター、メッセージ、ホームページリニューアルが対象です。
 また、生活クラブの活動情報を国内自給力の向上、環境への貢献、情報公開などのテーマごとにまとめる『アクションレポート』を年4回のペースで発行し、内外にアピールしていきます。
 取り扱い品目のなかで生活クラブ消費材の代表格となるSマーク消費材については、その誕生の歴史を掘り起こす『もうひとつの“食”の奇跡(生産者―出逢いの旅)』第3巻を発行します」