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2012年05月10日:コープニュース

生活クラブふくしま 震災以降好調を維持


【シリーズ】原発事故発生の下 福島の生協は今

5期ぶりに経常剰余が黒字

青空市を準備する組合員 生活クラブふくしまの、11年度上期は、供給高110.2%、一人当たりの利用高109.3%と大幅に伸長。弊紙が調査した全国の生協上位43単協の最大の伸長で唯一の2ケタ伸長の大阪いずみ市民生協(110.1%)を上回る実績だったが、3月の決算月を経た現在、11年度は供給高2億1491万円(前年比108.8%)、月額の一人当たりの利用金額も1万6724円(前年比106.7%)と好調を維持。経常剰余も234万円のプラスと5期ぶり黒字を確保した。
 震災発生直後に比べて鈍化しているものの好調維持している要因について土山雄司専務理事は「震災の翌日から牛乳を配達し、3月14日からは通常に配達するなど連合
会の支援によって、被災直後から事業継続している共同購入に対する姿勢に組合員が共感した結果だと思っています」と語る。
 また「共同購入では店舗とは違って震災後の混乱の中でも店に行列を作って買う必要もなかったことも要因の一つです。

除染作業する生産者 しかし一方で、急成長が震災直後の4月~5月に集中して、設立時の古くからの中心メンバーが県外転居を余儀なくされ多く退会するなど成長鈍化の傾向が徐々に表れてきています」(土山雄司専務理事)と話す。
 カテゴリー別では、米は、165.1%、野菜は127.8%、加工品も前年並みと高い伸びとなっている。
 もともと地方の福島県にとって米は親戚や隣人からもらう「縁故米」が、野菜は自分で栽培して食べる人が多く、「皮肉なことに原発事故以降、連合会が福島県産以外の産地から多く調達し、また放射能検査により安心感があり支持が高くなった」(土山雄司専務理事)とコメント。
 それでも福島県にある生協として、単価独自の企画で福島県産の豆腐やリンゴ(12ベクレル)を継続して取組んでいる。
 県内産の豆腐の原料は、福島市内の大豆を使用しているが、12年4月以降は通常の大豆から、より放射線量の低い『香り豆』という大豆品種に変更した(製品の豆腐の放射線量は、1.5ベクレル/ゲルマニウム検出器)
 土山雄司専務理事は 「県内産の取組みについて一斉班会を開催しました。結果は、放射能検査を徹底すれば生産者の事を考えて県内産のものを購入するという組合員と、県内産を取り扱うこと自体不可というように意見が真二つに割れるというのが現状です」と語る。
  「私たちは、12年度も 『生産と消費』の矛盾を抱えながら事業運営を行なわなければなりません。
 それでも、被災地支援としての仮設住宅での『青空市』の開催や福島の子どもを守るための活動は、今後も継続していきます」とコメントしていた。

事業経営は好調を維持─逆風のなか県内産品を強化へ

 福島第一原発事故の影響を大きく受けた福島県にある各生協──。昨年12月に11年度上期に「原発事故発生の下、福島の各生協は今」を企画した。11年度が終わって、再び、どのような経営実績で、どのような課題があるのか各生協の現状を取材してみた。そこで現れている姿は、前年比の伸びや利用高・経常剰余などの良好なパフォーマンスを維持しているが、皮肉な結果として事業連合の会員生協の場合は、農産品が福島県外から調達されているため農産物の供給が高い支持を集めている姿だった。しかし、そんな逆風のなか県内産品に力を入れる取り組みを始めている。