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2012年10月20日:生協流通新聞

生活クラブ埼玉が学習会─TPP参加 ウラで実質的な交渉推進

学校給食の地産地消も影響─東大教授・鈴木宣弘氏が講演

ジョークも交えながら、TPP交渉の現状について講演

 「アメリカヘの『頭金」として、参加表明前にBSE・自動車・郵政などでウラ交渉が進んでいるTPP問題」─。
 生活クラブ埼玉はこのほど、さいたま市南区の生協本部で東京大学大学院・農学国際専攻教授の鈴木宣弘氏を講師に招き、「これでスッキリ!TPPの課題と私たちの役割」と題したTPP問題についての学習会を開催した。TPP参加については国論が2分し、日本の農業の問題に論点が矯小化されているが、私たちの生活すべてに関わる問題であり、その点の議論が抜け落ちて情報も隠され続けている。 
 鈴木氏は長文の意見文書をもとに、TPPへの参加表明について11月18日に開催される「東アジアサミット」の場をあげ、情報を隠し国民をだまし続けるこのウラ交渉をストップさせることが喫緊の課題であり、重要であることを述べた。
 すでに自動車や郵政などでアメリカとのウラ交渉が進んでおり、郵政の「簡保」ではがん保険を取り扱わないことや、自動車での輸入義務台数の設定など、参加するための“前金”の交渉が進んでいる。アメリカがOKするかどうかの段階で、後は参加表明のタイミングの問題でしかないという。
 食への影響では、すでにBSE問題でアメリカからの輸入牛肉の月齢31カ月以上への延長(食品安全委員会が答申)がなされ、食品添加物の運用基準や学校給食への地産地消食品の導入、食品への「遺伝子組み換え」表示なども“非関税障壁”として攻撃されるという事態が起こりかねないことを指摘。ジェネリック薬品(特許切れの薬品)の特許期間延長なども押しつけられて薬価上昇を招きかねないなど、TPP参加は「失うものが最大で、得るものが最小の史上最悪の選択肢」であることを強調した。
 アメリカは、日本の薬価を決める過程にアメリカ企業を参加させることを求めており、これが実現すると製薬会社の特許が強化されて安価な薬の普及ができなくなる。こうして国民健康保険の財源が圧迫されて崩され、公的医療保険制度の解体にもつながる。
 TPPには「毒素条項」呼ばれるISD条項があり、例えばアメリカの保険会社が日本の国民健康保険が参入障壁だと言って提訴すれば、損害賠償と制度の撤廃に追い込むこともできるし、学校給食での地産地消食品の奨励も、競争を歪めるものとして攻撃されかねないという。実際にNAFTAではメキシコやカナダを提訴し、安全基準などを撤廃に追い込んだ。