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2013年12月04日:日本農業新聞

国会決議 厳守を─TPP国民集会

全国の農業者らが集まりTPP決議の実現を求めた国民集会(3日、東京都千代田区で) 農林水産業団体や消費者団体などは3日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で「TPP決議の実現を求める国民集会」を開いた。交渉のヤマ場となる環太平洋連携協定(TPP)閣僚会合を前に、年内妥結を目指す米国のオバマ政権は日本に対し、重要品目を含めた自由化を迫る強硬姿勢を鮮明にしている。参加者は、安倍内閣が米国の圧力に屈しないよう、重要品目を関税撤廃対象から除外することなどを求めた国会や自民党の決議を厳守するよう求める決議を採択。デモ行進をして強い危機感をアピールした。

「国民裏切るな」 3500人が危機感訴え

 JAグループと全国農業会議所、JF全漁連、金森連、生活クラブ生協連合会、大地を守る会、パルシステム生協連、中央酪農会議、主婦連合会の9団体でつくる実行委員会が主催。農林漁業者や消費者ら3500人が参加した。
 実行委員会長を務めたJA全中の萬歳章会長はTPPについて、関税撤廃で第1次産業が打撃を受けるだけでなく、医療や保険など国民生活に関わる分野に影響する可能性があることを指摘して、「(交渉参加前から)このような危機感を抱き続けている」と述べた。
 その上で、衆参両院の農林水産委員会や自民党の決議で、重要品目などの「聖域」を確保できないと判断した場合、交渉からの脱退も辞さないことが明記されていることを強調。7日からシンガポールで開かれるTPP閣僚会合では決議を守り、「国民の信頼を裏切るような結果をもたらさないよう強く要請する」と述べた。
 JAグループなどが開くTPP関連の国民集会に初めて参加した日本生協運の浅田克己会長は 「(国民皆保険制度への影響といった)私たちの不安が払拭(ふっしょく)されていない。TPP交渉のシステムには強い不信感を抱かずにはいられない」と話し、政府に情報開示などを求めた。
 沖縄県・南天東島でサトウキビを作る小澤朋子さんは「台風は過ぎれば農業は回復する。しか
し、TPPは一度きりの契約で農業は壊滅し、島は崩壊してしまう」と述べ、農業が離島での定住を支え、国土保全に貢献していることを訴えた。
 政党代表者のあいさつで、自民党の石破茂幹事長は「交渉は断固として国会決議を守って断行する」と明言。「地域を残すためにTPPで守るべきものは守り、脱退も辞さないという思いで交渉に臨む」と述べた。公明党の石田祝稔農林水産部会長も「国会決議の実現に全力で取り組む」と決意を示した。
 野党からは、政府・与党の交渉姿勢に疑問の声が挙がった。民主党の小川勝也ネクスト農相は
 「決議が守られないと分かったら脱退も辞さないということで皆さんと行動したい」と述べた。
 共産党の志位和夫委員長は「(既に重要品目の一部で譲歩し)決議を裏切る道を進んでいるのではないか」とし、交渉からの即時撤退を求めた。
 JA全青協の山下秀俊会長の音頭で頑張ろうを三唱した。

米副大統領 会談で首相
年内妥結へ道筋を

 安倍晋三首相は3日、来日中のバイデン米副大統領と首相官邸で会談した。TPP交渉をめぐって安倍首相は「交渉の最終局面では、各国の困難な課題に政治的な解決を図る必要がある」と指摘。「日米が協力し、主要懸案をただちに解決した上で、年内妥結へ道筋を付けたい」と伝えた。会談後の共同記者会見で明らかにした。
 一方、バイデン副大統領も会見でTPP交渉について「最終段階」との見解を示し、「これから努力しなければならない分野がある」として、農業や自動車を具体的に例示した。また「必要な決断や妥協は非常にセンシティブ(慎重を要する)で難しいが、交渉を成功させていくことは、参加国全てにとって、理解できないほど素晴らしいものになる」と語った。
 会談には日本側から岸田文雄外相や鶴岡公二TPP首席交渉官、米側からケネディ駐日大使らも同席した。