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2014年02月24日:埼玉新聞

大雪で鶏舎倒壊─10万羽超死ぬ

大雪の影響で木造鶏舎4棟が跡形もなく倒壊した─22日午後5時11分、毛呂山町西戸の 「生活クラブたまご坂戸農場」 記録的な大雪の影響により、県内農業への被害が深刻になっている。畜産へのダメージも大きく、特に鶏は鶏舎の全半壊や暖房設備の停止などにより、約10万3500羽(被害額1億2千万円)が死んだとみられている(県集計)。破損した場所から鶏舎への侵入が自由になると、高病原性鳥インフルエンザに感染した野鳥がウイルスを持ち込む可能性もあり、県は警戒を強めている。
 県畜産安全課によると、鶏が死ぬなどの被害は県西部地区の養鶏家に多く出ているという。中には鶏舎が全壊し、数万羽が死んだ養鶏家もある。死んだ鶏は化製場で処理して肥料などにするか、産業廃棄物として処理する方法が考えられる。雪が解けてきたとはいえ、
 「低温が続くと被害が拡大する可能性はある」と同課。鶏舎が半壊や損壊した養鶏家には「ビニールなどを活用して保温状態を保つようにしてほしい」と話している。
 県は養鶏家に対し、各家畜保健衛生所などを通じて衛生管理の徹底を呼び掛けることにしている。「県農業災害対策特別措置条例」に基づいて被災市町村を特別災害地域に指定し、農家の経営再建を支援する方針も打ち出している。(砂生敏一)

莫大な損失「ショック」

 毛呂山町西戸にある「生活クラブたまご」 (本社・深谷市)の坂戸農場では、雪の重みにより木造鶏舎4棟が15日午前5時ごろから次々に倒壊した。記者が鶏舎を訪ねた22日午後5時には、農場関係者ら総勢30人が鶏の救出活動を行っていた。
 倒壊した4棟の鶏舎は、1棟当たり約120メートル×20メートルで最も高い部分は4メートルほど。屋根はのこぎりの刃のような形をしていた。8日に降った雪で屋根が多少ゆがんだため、支柱を増やすなどの対策を取っていたが、重みに耐え切れなかった。生活クラブたまごの吉野訓史代表取締役専務(58)は「ショックです」と肩を落とした。
 4棟の鶏舎では4万1333羽が飼育されていた。そのうち約3割に当たる1万羽以上が圧死。22日現在ふ化して140回目の若い鶏を発見しては籠に入れ、フォークリフトで無事だった鶏舎に運んだ。通常は同150日目で最初の卵が生まれるという。
 救出活動はがれきを覆っていた雪が解けるのを待ち、20日から開始。22日までの3日間で約2千羽を生きた状態で捕獲した。救出活動は25日まで予定され、合計3千羽見つけることを目指す。それ以外の鶏は群馬県の廃鶏業者で処分されるという。
 吉野さんによると、卵の価値を考慮せず鶏だけの資産価値で約2400万円の損失。救出活動後に取り掛かるがれきの撤去費用は約2千万円。コンクリート部分に関しては別途かかるという。今回の活動に伴う関係者への作業着と長靴の支給、昼食代などの約100万円を含めると、把握しているだけでも損害額は4500万円に上る。
 吉野さんは「養鶏場は臭いなどの関係で住宅街から離れた所でやっているのがほとんど。国や県は農業だけでなく、養鶏や畜産の被害にも目を向けてほしい。現状を見た上で、補助について考えていただければ」と話した。(丹羽良平)