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2015年05月10日:コープニュース

子育てを応援する生協 生活クラブ東京

理事長・土谷雅美氏に聞く

 『子育てを応援する生協』を掲げている生活クラブ東京は20~30代の加入比率が36%台と若い組合員が多数加入している。これは「生活クラブ&富士フイルム Presentsアルバムカフェ」などの『子育て世代プロジェクト』の企画を通じて加入する組合員が多いという。そこで『子育て世代プロジェクト』について同生協の理事長・土谷雅美氏に聞いた。

─『子育て世代プロジェクト』を企画した背景は。
土谷 生活クラブ東京が法人としての生協になって47年経ちました。現状でも組合員の年齢構成は65~70代の団塊の世代がボリュームゾーンで60代前半が多いです。
 若い組合員に多く加入してもらわないと次の10年・50年先の事業の持続が難しいとの問題意識から、若い組合員を獲得(拡大・仲間づくり)するために3年前から『子育てを応援する生協』を掲げてやっています。
 そのために組合員拡大を目的にした企画を若い組合員が主体になって考えて運営し若い人が参加しやすい「場」や「環境」を意識的に作り出すために「子育て世代プロジェクト」で企画を検討しました。
 ポイントは自分自身や組合員でない方も気軽におしゃべりができ、楽しめ、その企画の中で生活クラブのよさをお伝えして仲間になってもらうことです。

─貴生協の組合員活動の基本的な考え方は。
土谷 事業や地域の活動に関して決定をする場に組合員が参加することです。
 システムなどは連合会としての大きな組織で考えますが、組合員活動は地域の組合員が集会を開くなど、“なるべく小さな組織”のほうがよいと思っています。

─具体的な組織形態は。
土谷 生活クラブ東京の場合は法人化された4つのブロック生協(単協)があります。
 ブロック生協(単協)は主に自治体単位で構成される51の『まち』の集合体です。
 『まち』は組合員が自主的に参加する任意の組織で、「まち委員会」を形成し地域の活動を主体的に考え、「まち大会方針」に沿って「まち活動」をしています。
 また『まち』の中に『地域』(『地域』がないブロック生協もある)を作り、さらに小さな組織『コミュニティ』づくりをすすめています。
 『コミュニティ』は中学校区ほどのエリアで顔の見える開係づくりをスタートしましたが、比較的大きな単位であったことや大震災の後に人のつながり、たすけあえる関係は、“もっと小さいエリアで”と再提案し、組合員20~40人を一つの単位として『コミュニティ』づくりをすすめ現在200近く組織されています。

『子育てプロジェクト企画』で若い組合員の拡大に成功

 

─『子育て世代プロジェクト』の企画の経緯は。
土谷
 さまざまな企画をまとめたガイドブック2012年度にブロック生協から推薦された組合員で構成された計13人に加え、理事、事務局メンバーあわせて25人での『子育て世代プロジェクト』を立ち上げました。
  “子育て世代の当事者が仲間づくりを考えること”を起点にしたプロジェクトで、自分たちがやりたいテーマで企画したい”という意見が多くありました。
 さらに、誰にでも参加でき消費材(商品)を食べながらできる企画がいいという意見も出て、企画の時間割も立てて、『子育て世代の仲間を増やそう! ガイドブック』としてまとめました。
 そのガイドブックを生活クラブ東京理事会に提案(答申)しました。ブロック生協はそれを受けて、ガイドブックを活用して活動しましょうと『まち』に提案し、会議で『まち』ごとにやりたい企画を選定しています。
  『まち』は自分たちで工夫し、アレンジしてオリジナルの企画もおこなっています。2013年度は新たなメンバー10人(理事・事務局含めて19人)で第2次子育て世代プロジェクトを開催しました。

─『子育て世代プロジェクト』の人気の企画は。
土谷 15年度は「生活クラブ&富士フイルム Presentsアルバムカフェ」「子どものカラダを蝕む食品添加物の本当のはなし」 「免疫カアップ!こどもごはん」 「しんぶんペット(新聞紙を使った立体あそび、「動物使い」ごっこ)」 「小さい子がいる暮らしをハッピーに─食べる編or遊ぶ編」を企画しています。
 特に人気なのが「生活クラブ&富士フイルム Presentsアルバムカフエ」と「子どものカラダを蝕む食品添加物の本当のはなし」です。「子どものカラダを蝕む食品添加物の本当のはなし」は14年度からスタートしました。
  子育て世代の方は食に対する関心や不安があり、企画すると大勢の方が集まります。
  「今自分の食べているものは、原材料は何でどうやって作られているのか?」など漠然とした疑問を確かめてみたいという人が参加し、食品表示を見て「必要以上に添加物が入っているのね!」と納得し確認する場にもなっています。
 13年度からスタートした「生活クラブ&富士フイルム Presenアルバムカフェ」は当初は、“なんでアルバムを作るのか、楽しいのか”という意見もありましたが、実際にやってみるととても楽しく、子どものアルバムが作れるので若い方に人気です。

─『子育て世代プロジェクト』を企画の成果は。
土谷 配送組合員(無店舗事業の組合員)は、10年度で30代の加入構成比が33%(50代15%・60代12%)、14年度で30代の加入が36%(50代13% ・60代11%)と加入する人たちは30代が圧倒的に多くなっています。
 参加者からは「企画が楽しかった」「自分の地域もやってみたい」という声も多く寄せられるようになり、『子育て世代プロジェクト』を通じて若い組合員が加入しています。
 それに伴っても若い組合員も活動に参加しコミュニティ』のリーダーも多数広がっています。
 今は加入して間もない人も関心が高ければリーダーなります。研修は不可欠ですが、先輩の組合員は縁の下の力持ちになってアドバイスをしています。

─『子育て世代プロジェクト』の今後の方向性は。
土谷 プロジェクトの活動を踏まえ、若い組合員が活動しやすい環境をさらに整えていきたいと思います。
 特に200の『コミュニティ』は全組合員数7万人の中で7000人と一握りの組合員数なので、15年度で300、5年間では1000ぐらいの『コミュニティ』を目指していきたいです。

─今後の抱負は。
土谷 組合員の拡大を目的とした『子育て世代プロジェクト』だけでなく、月1回~2回で親子が集まる「子育てひろば」も開催しています。
 「子育てひろば」は、お母さん同士でおしゃべりをしたり、体操やご飯を食べたりできる「場」で、最近日本で孤立や貧困が深まる子育ての中で「久しぶりに人と話せてうれしかった」「一緒にご飯を食べることができてよかった」などというお母さんもいて不安を解消する「場」にもなっています。
 また子育て関連施設ヘの法人向け営業では、助産所や保育園で利用している子どもたちや職員だけでなく、そのお母さんたちにも当生協の情報を届け、食べてもらって子どもたちの食育に繋げています。
 そのほかに食だけでなく環境や福祉などいろいろなタイプの企画があります。興味関心を引き出す企画をたくさんしていきたいと思います。
 その企画で顔と顔を合わせて話しができる「集まる場」をたくさん作ることが生活クラブの強みだと思っています。
 今後も生活クラブとしてのスタンスは変えずに、さまざまなことにチャレンジしていくことが大切だと思っています。