メディア紹介

 メディア紹介一覧へ

2016年07月04日:朝日新聞(千葉版)

廃食油せっけん市民活動賞

生活クラブでは1977年4月からこれまでずっと「せっけん」のみを共同購入しています。それは、「私たちは環境汚染の被害者でもあると同時に、加害者でもある」、「自分自身のライフスタイルを少しずつ変えていくことが大切」と気づいたおおぜいの組合員の活動によるものでした。生活クラブ千葉の組合員が中心となって出資や廃食油の回収など行なって設立した「手賀沼せっけん工場」もこの活動の中からうまれました。
このたび、生活クラブ千葉のグループ団体であり「手賀沼せっけん工場」で廃食油せっけんを生産しているNPO法人せっけんの街が日本水大賞の市民活動賞を受賞しました。


「自分たちが加害者」反省、手賀沼浄化31年

「手賀沼を守ろう」を合言葉に、家庭の使用済み食用油(廃食油)を集めてリサイクルせっけんを作っている柏市のNPO法人「せっけんの街」が、日本水大賞の市民活勧賞を受賞した。1万人が参加して市民出資による全国初のせっけん工場ができて31年。「自分たちこそが沼を汚す加害者」と浄化を訴える運動が認められた。

廃食油で作ったリサイクル粉せっけん「せっけんの街」活動は1980年、我孫子、柏、旧沼南、流山の3市1町の住民による合成洗剤追放運動の中から始まった。当時、沼の汚れは全国ワースト1。家庭で使う合成洗剤の混じった生活排水が、大きな要因だった。
「沼を汚していたのは私たちだ」。この自覚が運動へつながった。

市民から1口千円で集めた約1千万円などを基に85年、柏市小青田の工場街の一角に「手賀沼せっけん工場」が完成。回収した廃食油を大釜で煮立ててカセイソーダなどを加え、粉せっけんの製造を始めた。94年には、市民出資などで酒々井町に第2工場「印旛沼せっけん情報センター」を建て、固形と液体せっけんを中心に作っている。

2014年度は県内15市1町から年間約24.5トンの廃食油を回収し、二つの工場で年間約48トンのせっけんを生産。これまでに集めた油はドラム缶(200リットル)9千本、製造したせっけんは3千トンを超えるという。

製造途中のリサイクル粉せっけん。塊を細かく砕いて仕上げる=柏市小青田沼は2001年、27年続いた汚染度全国ワースト1を抜け出した。NPO法人理事の川野美津子さん(67)は「美しい沼を取り戻そうという私たちの30年以上の活動が一助になった」と胸を張る。理事の道端園枝さん(59)もいう。「今は洗剤メーカーも無リン化するなどの工夫をしている。運動の成果はあった」     

リサイクルせっけんは、溶けやすく汚れ落ちがよく肌にやさしい利点がある方、値段は市販の合成洗剤の2倍以上する。廃食油の回収量も、揚げ物をしない家庭の増加などで年々減っているのが現状だ。

NPO法人事務局長の延吉慎一さん(66)は「若い主婦たちに合成洗剤の問題点をわかってもらい、リサイクルせっけんをどう身近なものとしてアピールしていくかが課題だ」と話す。

表彰式は21日に東京・日本科学未来館であり、須田恭子理事長が活動を報告する。

(佐藤清孝)

(2016年6月14日朝日新聞千葉版掲載 承諾書番号 A16-0776)