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生活クラブ連合会は、米国産牛肉の輸入再開に対して、あらためて反対を表明します!

生活クラブ生協連合会声明

2006年7月27日、農林水産省と厚生労働省は午後に開いた牛海綿状脳症(BSE)対策本部で米国産牛肉の輸入手続き再開を決め、食品安全委員会に報告、米国大使館に通知しました。このため、米国の現地時間で7月27日以降にと畜された牛が国内流通できることとなり、すでに日本への輸入が始まりました。
生活クラブ生協連合会では、2005年11月29日、内閣府食品安全委員会に、「米国・カナダの輸出プログラムにより管理された牛肉・内臓を摂取する場合と、我が国の牛に由来する牛肉・内臓を摂取する場合のリスクの同等性」に係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)について、以下の要旨の意見を提出し反対の姿勢をとってきました。

 

北米産牛肉輸入再開には、以下の問題点が

米国・カナダ産牛肉の輸入再開に向けては、生後20ヶ月齢以下に限定することと、特定危険部位(SRM)除去を条件としています。しかし、米国においては豚や鶏の飼料原料に未だ牛由来の肉骨粉使用が認められているため、飼料製造や流通における「交差汚染」の可能性が残ります。
また、特定危険部位の除去に関しては、米国では食肉処理工場で特定危険部位が適切に除去されていないとの内部告発や、特定危険部位除去方法に1,036件の違反事例があったなど(米国農務省発表)、その信頼度に疑問があります。
さらに、膨大な飼育頭数であることから個体識別はおろかトレーサビリティ体制にも不安が残ります。こうした実態は、日本の消費者の理解を得られるレベルには遠く及ばないと考えます。全頭検査の科学的根拠を論議する以前に、まずこの実態が改善されるべきであり、改善されない限り、輸入再開それ自体が問題と考えます。

全頭検査をやめることは本末転倒

BSE感染の原因究明と予防策の構築をはじめ、若齢牛検査の課題を克服する検査制度の向上などの万全な組立てがまとまる以前においては、全頭検査をやめることは本末転倒であり、全頭検査までせざるを得なかった食品安全行政そのものの反省に立ち、消費者の安全・安心を担う食品安全行政の構築を対策の最優先とすることを強く求めます。

加工品や惣菜には表示義務がありません

業界団体や一部経済団体からは、米国産輸入再開を反対する主張に対して「イヤなら購入しなければ良い」という声が聞かれます。しかし、牛肉消費の凡そ70%を占める加工品や惣菜(外食含む)においては、原産地表示義務がないために消費者は選択の判断ができないという事実があり、消費者の意思に反して知らないうちに安全性に問題が残る米国・カナダ産牛肉を食べることになります。
また、食品安全委員会(プリオン調査会)の諮問自体に問題があり、同調査会は、2005年5月に、米国のデータが質・量ともに不明な点が多く、科学的な評価が困難だったとしながらも、安全性対策(再開の条件)の遵守を前提とすれば、日本と米国とのBSEリスク差は非常に小さいとの見解を出しました。しかし、安全対策に前提条件をつけることは困難であり、実施されていない条件を前提として判断すること自体に無理があることは明らかです。従って、混乱を招くだけの米国・カナダ産牛肉輸入再開は止めるべきで、国民が納得できる条件のもとで安全性が確認されたものに限定するべきです。生産と流通に関する適正な情報開示をさらに強化し、国民の合意が得られるBSE対策とその実行を改めて求めます。

現状は

しかし、消費者の理解を得るために開く両省の説明会も輸入再開の前後となり、全国会場での参加者から輸入再開に反対する意見が相次ぎ、国民の合意が得られるBSE対策での実行とはならなかったことは明らかです。
特に、米国産牛肉の輸入再開に向けて、厚労省と農水省が6月24日から7月23日まで実施した対日輸出認定全35施設の事前調査結果では、35施設中15施設で不備がありながら、監視と評価を行う条件付きも含めて34施設に輸出再開の手続きを認めた結果となっています。また、輸出再開を認めながら、6ヶ月間を検証期間として輸入通関箱の全量開封検査を実施し、水際検査を強化するという、確証のない中での輸入再開としか受け取られないような体制となっています。
また、この間指摘されている、外食産業やハンバーグなど加熱処理した加工食品や冷凍食品などでは原産地表示の義務づけはなく、国はガイドラインを示すだけで業界の自主的な取り組みにとどまっている状況もあります。
農林水産省の7月31日の記者会見で、牛肉などの原産地表示義務化の対象拡大に向けて検討する考えを明らかにしましたが、輸入再開が決定されているにも関わらず米国産牛肉に不安を持ち食べたくないとする人が、知らない間に食べてしまっている事態を防ぐ法的な制度も整っていないままの後手の対応となっています。
また、もし輸入再開後に特定危険部位(SRM)が混入している製品輸入が明らかとなった場合のリスクマネージメント対応も明確(知らされない)でないままの状況も問題です。
生産と流通に関する適正な情報開示をさらに強化し、国民の合意が得られるBSE対策とその実行を改めて求めると同時に、今回の輸入再開に対しても反対します。

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