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介護保険制度改正に向けて、厚生労働大臣に要望書を提出しました。

 7月30日(水)、生活クラブ生協連合会は、介護保険制度改正に向けての要望書を、舛添厚生労働大臣に提出しました。
  介護保険制度は2000年にスタートしました。それまでの市町村などによって行われてきた福祉サービスとは異なり、40歳以上の人全員が保険料を支払い、 介護利用者の主体的な選択によってサービスが提供されるという点が大きな特徴です。そして2006年度、介護保険制度は大きな見直しが行われました。もと もと、分かりやすいとはいえない介護保険制度ですが、大きな負担を強いる内容も含まれていました。
  生活クラブ生協連合会は、改正後の実情を検証すると伴に、次回の介護報酬改正に向けて、現場からの声をとりまとめ、以下を要望いたしました。

介護保険制度改正に向けての要望書

2008年7月30日

厚生労働大臣 舛添要一  様

 

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
会長 加藤好一

介護保険制度改正に向けての要望書

 私たちは、19都道府県に組合員31万人を擁する29の会員生協の連合体であり、各会員生協および、その活動を母体とする関連団体(NPO・社会福祉法人・株式会社等)が540を超える事業所にて約44,500人の利用登録者を対象に、事業高約83億円規模(以上2006年度実績)の福祉事業を展開して おります。
  2000年に始まった介護保険制度は、同年施行の改正地方自治法の理念同様、基礎自治体の役割・責任と地域福祉をすすめる市民主権が大切であると考えま す。このような考え方にもとづき、生活クラブ生協関連の各団体は地域に根ざした非営利型事業活動を行いながら、当制度が高齢者の自立にもたらす効果、 2006年改正後の実情等の検証を平行し、より望ましい支援のありかたの模索とその具現化に努めてまいりました。 介護保険制度の改正にあたり、各現場からの声をとりまとめ、当連合会として、以下を要望いたします。 

1.介護予防について
(1)新予防給付
  要支援1・2の認定者が必要な支援(種類、利用枠)を制限されないよう改善してください。特に日中独居となる場合の生活援助や、通所介護の制限によって、 機能的後退の見られる例が多発しています。日中独居・老老介護の増大に即し、一律機械的な判断の是正を求める事務連絡ではなく、介護給付も合わせた算定基 準そのものの早急な見直しが必要です。
(2)地域支援事業および地域包括支援センター
  地域包括支援センターでは介護予防に関する対応に追われ、包括的マネージメントや地域連携システムの構築などの本来業務が停滞する実状があります。設置数 や人員配置の見直し等、必要な措置を講じてください。また介護予防事業にむけた特定高齢者の選定は、手法に改善は見られるものの該当者が少なく、介護予防は一般高齢者向けの事業と合わせ、地域の実態に応じた効果的かつ柔軟な施策・運用方法が適当と考えられます。「地域密着型サービス」は実態化が進んでおらず、各自治体に対する支援の強化が必要です。

2.介護報酬について
(1)福祉現場で働く人たちの賃金水準
  介護従事者の処遇および賃金水準の低さは、参議院厚生労働委員会での議論にもあるとおりであり、全産業に照らし合わせて標準的なレベルへの改善が急務です。ケア者である本人が自分の生活に満足し、時間的にも経済的にゆとりがあってこそ、他者への質の高いケアをおこなうことができます。賃金の低さから敬遠 される職種であることは、将来、日本の福祉レベルの低さを構造化してしまうことにつながります。早期の改善につながるよう介護報酬の見直しを要望します。
(2) 「生活援助」報酬の引き上げ
  サービス提供責任者への点数化が国会で答弁されたところですが、生活援助、予防給付についてもその重要性を鑑み、基本単位の設定、報酬額に関する改善が必 要です。公正さに重点をおいた前回の改正は、結果としてサービス抑制を強めました。殊に身体介護・生活支援の報酬額の格差が事業的問題を生み、利用者にとっては必要なサービスが届きにくい実情に至っています。高齢者の自立における生活支援の重要性を再評価し、身体介護との同額化も視野にいれた算定の再検討が急がれます。通院介助、院内介助も現実的に欠かせない対処であり、給付対象に戻してください。

3.情報公表制度について
  事業者においては費用や作業的負荷が大きく、利用者にとっては項目が多岐でわかりにくく専門用語が多い、パソコンでの参照等、実効性の低い制度となっています。調査頻度を減らし、利用者においては制度事業者を比較検討しやすい仕組みへの改善が求められます。

4.介護支援専門員業務のあり方
  前回改正後、全体として書類が増えました。ことに介護支援専門員の事務業務が増大し、本来業務を圧迫しています。利用者への対応が手薄にならざるをえず、利用者、専門員双方から不安の声が聞かれています。書類を簡素化し、業務の効率化と本来業務の充実を図るよう改善が必要です。契約書等、書類の多さは利用者にとっても負担になっています。例えば介護と予防のボーダーにいる利用者は見直しの度に諸手続きが必要となり、ケアの遅れに もつながっています。不正防止の目的は理解できますが、負担に配慮し、適切なサービスが円滑に実施できるよう、書類・手続きの見直しを行ってください。

5.成年後見制度
  介護保険制度と平行してスタートした制度ですが、いまだにその存在を認識している人は一部です。また、費用負担を懸念して専門家の後見体制も進んでいません。当制度の利用を介護保険制度の給付対象とすることによって、利用者の負担を軽減すると共にその認知度を上げ、普及を進めることを提起します。

6、地域の実情にあった保険制度
  保険者は市区町村であり、地域の実情に応じて制度運用することが大前提ですが、保険者の主権と責任が論ぜられるよりも、逆に国への中央集権化が進んでいく傾向を感じます。あらためて地方分権の考え方に基づいて支給要件、報酬、自治体の支援など、各自治体が権限を持って制度運用する構造を明確にしてください。

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